大地を踏みしめて(3期)
トレミーが地上に降りた。
場所は乾燥した砂漠地帯。今の間に食料などの買出しに出かけるらしい。
遠くの起動エレベーターを見上げる。
近くには巨大な都市が存在する。場所はアフリカ大陸。
乾燥した風がヒュオオオと吹きぬけていく。からからに乾いた大地が水を欲しげに照り続ける太陽を見上げていた。
「フェルト。一緒に行こうか」
トレミーから降りて私服に着替えた刹那とフェルトは、手を結び合って大地を踏みしめて、食料の買出しに出かけた。
太陽が眩しい。
アフリカ大陸だけに、流石に気温が高い。
「大丈夫かフェルト?辛いなら先に帰っていいぞ」
「大丈夫よ刹那」
乾いた風が二人の間をつきぬける。
日射病防止にフードを目深にかぶって、二人は都市のところまでくるとできる限りの食糧を買い込み、トレミーに戻った。
食料不足というわけではない。
そんなときはガンダムで出て、大量に何度も買い込みにでかけ、ステルス機能をといて大量に食料を積み込んでトレミーに着艦する。
「刹那、待って」
先を歩く刹那にフェルトが荷物を抱えて、岩に足をとられてこけそうになった。
「危ない」
荷物を投げ出して、フェルトを抱きかかえる。
「ご、ごめんなさい」
食料は厳重に包装された野菜の類なので、投げ出したくらいで潰れるわけでもないだろう。
「帰ったらティータイムにしない?」
「ああ、分かった」
トレミーに戻ると、入り口付近でティエリアとニールが岩の上に座っていた。
「遅いぞ二人とも。ここは起動エレベーターに近い。はやく空に戻らなくては」
「まぁまぁ、たまにの二人だけのデートなんだから。少しくらい猶予与えてあげてもいいだろ?」
ニールが笑う。
「あ、ばらした!」
フェルトが真っ赤になった。
「デート?これが?」
スメラギから許可をもらって、もっと普通にトレミーを降りてデートもできるのに。
フェルトは自分だけのためにみんなに心配をかけれないのだ。
だから、デートはいつもフェルトか刹那の部屋。
「何してんの。トレミー発進だってさ」
制服をきたリジェネが四人を呼んだ。
「ああ、いこうか」
「いこう」
「その、刹那」
「ありがとう、フェルト」
「ど、どういたしまして!」
トレミーに戻るとライルとアニューが荷物をもってくれた。
「お疲れさん」
「お疲れ様」
「あ、フェルト、クッキーやけたよ」
アレルヤが、クッキーを焼いてくれたようだ。マリーも一緒だ。
そのクッキーを食べながら、二人は刹那の部屋で軽くティータイム。
ほら、空を見上げてごらん。今日も大空をトレミーが旋回しているよ。
蒼い空を機体に映しながら。
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