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奴隷竜とSランク冒険者33

浮竹と京楽が泊まっている高級宿に、一護がやってきた。

「京楽さん、浮竹さん、俺を強くしてください」

「一護君は、十分強いだろう?」

「でも、この前Sランクダンジョンで、ルキアに怪我させちまった。ルキアを守り通すくらい、強くなりたいんす」

「一護君は、サンシャインレイドラゴンなのを、秘術で強制的に精霊族にしてるんだったね」

京楽の言葉に、一護は頷く。

「じゃあ、サンシャインレイドラゴンの力を、解放できるように訓練しよう」

浮竹の言葉に、一護が驚いた顔をする。

「え、そんなことできるんすか」

「ダークネスインフェルノドラゴンの京楽から、教わったドラゴニックオーラを使えば、一時的ではあるがドラゴンの力を取り戻せるだろう。修行になるけど、いいかい?」

「もちろんです」

浮竹と一護は、草原地帯にいくと、風と一体化するように精神を研ぎ澄まし、瞑想を始める。

「一護君、元の姿のサンシャインレイドラゴンの時の魔力を思い出すんだ。その魔力を、全身に纏わせるイメージを続けて」

「はい」

「ボクは何もすることないから、ちょっと狩りにいって食料調達してくるよ」

京楽は、二人の邪魔にならないように、そっと抜け出した。

「あ、なんかイメージ掴めてきたっす」

「その魔力が、ドラゴニックオーラだよ。その魔力を全身に纏わせたまま、精霊族の体では3時間が限界だろうけど、ドラゴンの力を引き出せる」

一護は目を開けた。

全身にドラゴニックオーラを纏った一護は、浮竹たちの前にくる前の一護と比較して、明らかに力がかなり増していた。

サンシャインレイドラゴンは、神竜マザードラゴンの3体の子と言われている、サンシャインレイドラゴン、ムーンホワイトドラゴン、ダークネスインフェルノドラゴンの3体のうちの1体である。

強くて、当たり前なのだ。

ただ、その力の制御の仕方を知らないだけで。

「魔力がすげぇ。あ、ブレスも吐ける」

一護が炎のブレスを吐くと、地面は炭化して生えていた草木はなくなってしまった。

「ちょっと、力が過剰だね。もうちょっと制御するイメージを作ろうか」

「はい!」

それから、数日にわたって一護は浮竹と京楽のところにきて、瞑想をしたりしてドラゴニックオーラを自分の力で引き出せるようになって、力の制御の仕方も覚えた。

「ありがとうございました!」

一護は、新しい力を手に入れて、その制御の仕方も覚えて、明るい顔をしていた。

「今日は暗いし、泊まっていけばいい」

「え、でも・・・・こんな高級宿・・・・・」

「じゃあ、せめて夕飯だけでも食べていって。ボクが作るんだけどね」

「京楽さんの料理マジうまいんで、嬉しいです。じゃあ、夕飯だけごちそうになって、帰りますね?」

京楽は、浮竹と一護が修行をしている間、自分も精神統一をして魔力を高めていた。

今日のメニューは、ハンバーガーにポテト、コーンスープだった。

「うまいっす」

「口にあったなら、よかったよ」

「京楽、おかわり」

「はいはい。浮竹の胃はプチブラックホールだからね」

「え、あんだけ食べてまた食べるんすか」

浮竹の前には、2人前のハンバーガーとポテトが置いてあったが、それだけでは足りなくて、おかわりをしていた。

「デザートはないのか?」

「一護君がいるから、苺のムースにしてみたよ」

「うん、うまい。一護君も食べてみればいい」

「はい!うわ、おいしい。プロのコックみたいな味ですね!」

「うちの京楽の作る飯は、とにかくうまいからな」

「毎日こんなもん食べれるなんて、幸せですね」

一護がそう言うと、浮竹は頬を赤らめた。

「な、別に料理がうまいから一緒にいるわけじゃない」

「そうだね。ボクたち、契約してるし」

「隷属ではなく、主従でもお互いをパートナーとする契約だからな」

「俺も、ルキアと契約してるけど、ルキアを守れないから焦って・・・・・」

「一護君、君は十分に強くなった。胸をはって、帰るといい」

「はい!」

夕飯を食べ終えて、ワープポータルを利用して帰っていく一護を、浮竹も京楽も見送った。

「若いねぇ」

「俺たちもまだ若いだろう」

「いや、でも見た目は少年でも、300歳はこしてるそうだよ」

「えええええ!!!俺より年上なのか!」

浮竹は、心底驚いていた。

何せ、ムーンホワイトドラゴンの浮竹は22歳ぐらいだ。

産まれてまだ20年と少ししか経っていない。

「君は、成長促進の魔法をかけられて育ったみたいだね」

「そうなのか」

「普通、ドラゴンが成人するには最低でも100年はいるよ」

「100年・・・・22歳の俺は、たとえるなら10歳にもなっていないってことか」

「まぁ、浮竹が子供じゃなくてよかったよ。子供だったら、むふふふなことするのに時間が必要だったからねぇ」

「なっ」

浮竹は真っ赤になって、京楽の足を踏んづけた。

「いたたたたた」

「このエロ魔人が!今日はしないからな」

「じゃあ、明日・・・・」

「明日もしない・・・・ひゃん」

耳を噛まれて、浮竹は高い声をあげていた。

「帰るぞ、このばか!」

ビンタされた京楽であるが、とても幸せそうな顔をしていた。

結局、しないと言った次の日には、京楽に抱かれる浮竹であった。


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