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嫌いなもの


「おー。珍しいなムカデじゃんか」

部屋の中に入ってきたそれを見て、一護は平気でつまみあげた。

隣にいたルキアは、それを視線で見て顔を蒼くした。

「ひいいいい」

「どうしたんだよ。もしかして虫とかだめとか?」

「じ、地獄蝶がいるだろうが。蝶とかは平気なのだ。だが足がいっぱいある虫は・・・・ええい、こっちに近寄るんじゃない、しっし」

まるで、犬をおっぱらうみたいに、あっちにいけと身振り手振りをするルキアは、読みかけの小説を投げつけてきた。

「へー。おもしれぇ」

キランと一護の目が輝いた。

散々蹴られたり殴られたりしてきたのだ。

少しぐらい悪戯したっていいよな。

「ほーれほーれ」

「ひいいいいいいいい」

「ほれほれ~~」

「いやあああああ」

「ほれほれ~~~」

「いい加減にせぬか!」

ドゴっ。

一護の頭を足蹴りにして、ルキアは部屋のすみっこで涙を流しそうになっていた。

「あー。俺が悪かったって」

ぽいっとムカデを窓の外に捨てて、ルキアのほうによる。

「あああ、ムカデを触わった手で触れるなあああ!」

バキィ。
肘うちを受けて一護は沈黙した。

「はぁはぁ。まて、一護気絶するなああ!またでてきたらどうする!一人では怖いではないか!」

自分で気絶させといて、ルキアは一護の服を揺さぶるのであった。

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