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恋次、吹き出す

「何故・・・・私は、受なのだ?恋次お前は受にならぬのか?」

ある日そう言わて、恋次は口にしていたお茶を吹き出していた。

ブーーーーーーー。

全部、白哉にぶっかけてしまった。

銀白風花紗は何とか濡れずにすんで、首に巻いていたタオルで、白哉の顔をふいた。怒られはしなかったが、そんな言葉が口から出ると思わず、狼狽する。

「あんた、俺を抱きたいんすか?」

お茶を一口、口に含む。

「私も男だ。抱きたいとは思う」

ブーーーーーーー。

またお茶を吹き出していた。

今度は、白哉にふきかけなかった。

「はぁ!?あんた、そのビジュアルで俺を抱きたいとかいうんすか」

「見た目など、関係ないではないか」

「いや、おおありでしょ!俺は、あんたとその見た目にまず惚れて、中身に惚れた。あんたがごつい男だったら、きっとこんな関係にはならなかった」

「ふむ・・・・」

白哉は、お茶を飲んだ。

「つまりは、私の容姿のせいで、私は恋次に抱かれているのだな?」

「いや、なんつうか・・・・あんたが好きだから、俺はあんたを抱きたい」

「私がお前を抱きたいと言ったら、抱かせてくれるのか?」

恋次が悩む。

「いや、無理ですね。隊長は俺を抱けないでしょう」

「何故、断言できる?」

「裸の俺見て、たちますか?」

「たたんな」

「ほら、やっぱり無理だ」

「ふむ・・・・・」

また、白哉はお茶を飲んだ。

「またなんでそんなこと言い出すんですか」

「この雑誌に・・・・・」

女性向けの、BL特集と書いてある雑誌だった。

「隊長、なんてもの見てるんですか!」

恋次が雑誌をとりあげる。

「松本が、恋次のためになると、渡してきた。これで勉強しろと」

「あんにゃろ・・・・・」

松本は、瀞霊廷屈指の腐女子だった。

「こんなくだらない本、読んじゃだめです」

「受けが攻めになることを、リバーシブルというのだな」

すでに、いけない知識が白哉の中にあった。

「ああもう、そんな専門用語口にしないでください!これでも食べててください!」

現世にいったとき買い溜めておいた、カラムーチョを渡す。

ちょうど3時だった。

おやつとして、カラムーチョを食べだす白哉。

そうして見ているだけなら、女にも負けないくらいの美貌だし、中性的な容姿をしている。

恋次は自分の体を見る。

白哉のような細い体ではなく、きっちりと筋肉がついている。

「あんたが本気で俺を抱きたいなら、俺は構いませんけど」

「よく考えれば、無理だな。恋次の喘ぎ声など聞きたくもない」

「だったら、最初から口にしないでください!」

「男であるならば、抱かれる側に疑問をもつものだろう」

白哉がそう言ってくるので、恋次は少し不安になった。

「まぁそれはそうですが・・・・・今の関係が、嫌なんですか?」

「いや、そんなことはないが・・・・・・」

「じゃあ、もうこの話はおしまいにしましょう!」

「オメガバースとやらでは、男も孕むと書いてあった。どうなのだ恋次」

「ああもう、そういう俺にも分からない専門知識出すのやめてください!ほら、さっさと仕事に戻る!」

カラムーチョと食べ終えた白哉を、文机に追い立てる。

今度松本に会ったら、こっぴどくしかってやろうと思った。

そもそも、内密にしているのだが、松本には関係はばれているようで。どこかの8番隊と13番隊の隊長のように、隠すことなくなら分かるが、何故ばれたのだろうと思った。

それが、いつも白哉に見えるか見ないかの位置で、キスマークを残しいる自分のせいだとは、恋次は松本に聞くまで思いもつかないのであった。




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