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恋次を忘れた白哉

6番隊の遠征で、白哉は突如出現した破面にやられて、頭に傷を負った。

傷口自体はそれほど深いものではなかったが、白哉は記憶を忘れてしまった。全ての記憶ではなく、恋次の記憶だけを。

「愛する者を忘れるがいい・・・・くはははは」

その破面はそう言って、恋次によって倒された。

「隊長、大丈夫ですか!」

「兄は・・・・誰だ?」

恋次は固まった。

「隊長、何冗談言ってるんですが。副官の阿散井恋次です」

「副官?私に副官などいない」

状態が状態だけに、白哉は4番隊の救護詰所で治療を受けることになった。

「これは・・・・特殊な力によるもののようですね。術者が死んだことで、効果は永続的ではないと思いますが、いつ朽木隊長から阿散井副隊長の記憶が戻るのかは、わかりません」

勇音の言葉に、恋次が愕然とする。

「そんな・・・・」

恋次は呆然となった。

そして、白哉に今までの自分たちがどうであったかを話した。

「私が・・・兄と恋人同士?冗談はよせ」

白哉は、そう言って恋次と距離をとる。

恋次が自分の副官であることは認識したようだが、互いの関係は白哉が信じてくれず、白哉と恋次はしばらくの間距離をとった。

でも、恋次の我慢が利かずに、恋次はある日執務室で白哉に抱き着いた。

「何をする」

「あんたは俺のものだ。俺を忘れたらなら、もう一度刻みこむ」

そう言って、唇を重ねた。

「んんっ・・・私は、本当に兄とそういう関係だったのか?」

「兄って呼ばないでください。恋次と、呼んでください」

「恋次・・・・・」

「隊長。愛してます」

抱き締める腕に力をこめる。

そのまま、隊首室まで連れて行き押し倒した。

「恋次!」

「だから言った。俺を忘れたなら、また刻みこむと」

白哉から貴族の証をはぎとり、隊長羽織を脱がせるが、白哉は抵抗しなかった。

「どうして抵抗しないんですか。俺とのことが信じられないなら、逃げ出すことだってできる」

「分からぬのだ・・・恋次、お前の顔を見ていると、悲しさで胸が押しつぶされそうになる」

「記憶、完全になくなったわけじゃないみたいですね。感情が残ってる」

「そうなのか?」

白哉は、静かに恋次を見つめた。

「恋次、お前の傷ついた瞳を見ると、胸が痛いのだ。この感情はなんであろう?」

「恋ですよ」

「恋・・・・本当に、恋次と私は恋人同士なのか」

「本当です」

死覇装を脱がせていく。

「思い出してください」

白哉を押し倒して、唇を重ねた。

そのまま全身を愛撫して、潤滑油にぬれた指を白哉の体内にいれる。

「このような行為になんの意味が・・・・ああ!」

「刻みこんでやる。あんたは、俺のものだ。俺を忘れるなんて許せない」

やや乱暴に蕾を解して、そのまま欲望を突き立てた。

「ああああ!」

白哉は、痛みで涙を零した。

「今は優しくできません。すみません」

欲望のまま、恋次は白哉を貫き、穿ち、揺さぶった。

「恋次・・・・・・」

「隊長。愛してます」

「私は・・・・・」

「今は、俺に身を委ねてください」

そう言って、前立腺をつきあげると、白哉はあっけなくいってしまった。

「このような行為・・・私は、知らぬはずなのに、何故か以前もしていた気がする」

「少しずつ、記憶が戻ってきてるんですよ。このまま抱きますよ」

「恋次・・・・・」

白哉は逃げ出すこともせず、恋次を受け入れた。

「あああ!」

花茎に手をかけられて、2回目の絶頂を迎える。

「あんたの腹の奥で、あんたはいつも俺の子種を受け止めていた」

「れん、じ・・・・・」

白哉の瞳が、恋次を見つめる。

「あああ!」

恋次は、白哉の中に欲望をぶちまけた。

一度では足りずに3回ほどぶちまけて、白哉を蹂躙した。

「恋次、お前はいつも私を抱くと何度もしつこく抱いてくる」

「隊長!記憶が戻ったんですか!?」

「ああ。お前との関係も思いだした。それにしても、恋次を忘れてもこのような行為を受けれるとは・・・私も、大分墜ちたものだ」

「墜ちたんじゃなくって、体が覚えてたんですよ」

「んっ」

やや乱暴にキスをされる。

「恋次、怒っているのか?」

「怒ってます。俺を忘れるなんて。他のことは覚えてるのに、俺のことだけ忘れるなんて」

「すまぬ・・・・愛している、恋次」

その言葉に、恋次は一筋の涙を零した。

「隊長・・・・このまま俺を忘れてどこかにいってしまうと思った」

「恋次。もう大丈夫だ。私はもうお前を忘れたりせぬ」

「忘れたら、また刻みこんであげますよ」

「あああ!」

最後に白哉の腹の奥を貫いて、4度目の精を放って、恋次は行為を終わらせた。

「隊首室で抱かれるのは好きでないのだ・・・・すぐに湯あみができぬ」

「大浴場、貸し切りしにしときましたから。そこにいきましょう」

白哉は、行為後は湯浴みをして身を清める。

立つことも危うい白哉を抱き上げて、瞬歩で大浴場にまでくると、そのまま髪と体を洗い、白哉の中にはきだしたものをかきだした。

「また、随分と出したな」

「すみません。あと、あんまり優しくできなくてすんませんでした」

「よい。お前のことを忘れてしまった私に、原因がある」

そんなことを言う白哉を抱き締めた。

「愛してます。あんたが俺を忘れても俺はあんたを愛してる。あんたの命が尽きるまで、俺はあんただけを愛します」

「恋次・・・私も、この命がある限り、お前を愛そう」

「隊長・・・・・・・」

真新しい下着と死覇装、隊長羽織をきて、白哉は執務室に戻ったが、抱かれた直後なので隊首室で横になっていた。

「水、飲みますか」

「ああ」

「甘露水です。気分がおちつきますよ」

「すまぬ、恋次。お前には心配をかけた」

「本当ですよ。敵の攻撃を受けてしまうだなんて、隊長らしくない」

白哉が首を横に振った。

「私は完璧ではない。あれは不意うちだった。避けると、他の者が重症を負いそうだったので、あえて私が受けたのだ」

「隊長は、もっと部下を信頼してください。重症なんておいませんよ、きっと」

「そうであろうか」

「なんのために、俺や席官がいるんですか。隊長は守られてばかりの人じゃないって知ってますが、守るのも限度を考えてください」

「すまぬ」

白哉に口づけて、恋次はその黒絹の髪をすいた。

「隊長が元に戻ってよかった・・・・・俺を忘れて1週間は経ってましたからね。つい我慢の限界がきて抱いちゃいましたけど」

「別に、それはよい。お前に抱かれるのは、嫌いではない」

「嫌いだったら、今の俺と隊長の関係はありませんよ」

「それもそうだな」

恋次は、安堵する。

白哉が自分のことを思い出してくれて。そして、拒否しないでくれて。

「今回はほんとすみません。半分無理やりでした」

「もう、それはよい」

白哉は、隊首室のベッド横になったまま、恋次の頬を撫でた。

「愛している」

「隊長・・・・・・」

記憶を失っていたのが嘘のように、甘かった。

「俺も、隊長を愛してます」

唇を重ねあう。

「仕事するには、少しきついのでしばし眠る」

「はい。おやすみなさい。仕事は責任をもって俺が片しておきますから」

「当たり前だ。私を抱いたのだ。抱かれた後の私が仕事をできないくらいは、分かっているだろう」

「はい。隊長は、体を休めていてください」

「そうする」

白哉が、恋次ことを忘れたのは1週間たらずだった。

思い出すのを待つのではなく、無理やり引き出すような方法だったが、恋次にはそれしかなかったのだ。

自然と恋次のことを思い出すと言われても、待っていられない。

1週間で音をあげた。

兄と呼ばれて、心が苦しかった。恋次と呼んでもらえて、嬉しかった。

仕事を片して、白哉の寝顔を見ながら、恋次は白哉の手をとって口づける。

「俺だけの隊長だ・・・・・」

白哉はしばらくの間、目を覚まさなかったが、仕事が終了の時刻になる前に目覚めた。

「恋次?」

白哉の傍らにいた恋次に、白哉が驚く。

「仕事は全部片しましたから」

「そうか。今宵は、我が館へ泊まっていけ」

「はい!」

朽木邸に、恋次は時折泊まる。

白哉の許可をもらい、恋次は本当に幸せそうに微笑むのだった。





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