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桜のあやかしと共に 外伝6

『これは、ホットケーキというのか。甘くておいしいな』

ある日、浮竹は妖狐の浮竹のためにホットケーキを焼いて、たくさんシロップをかけたものをあげた。

油揚げやら稲荷寿司ばかり食べていたので、久しぶりにあやかしまんじゅう以外に甘いものが食べられて、妖狐の浮竹は嬉しそうだった。

「お前たちの分もあるぞ」

「十四郎がつくると、簡単なおやつでもプロの味になるんだよねぇ」

『ホットケーキくらい、誰が作っても同じでしょ』

夜刀神は、そう言いながら、浮竹の作ったホットケーキを食べようとすると、浮竹にもっていかれた。

『ケチ』

「この際だ、どっちが作ったホットケーキがうまいか、勝負しろ、夜刀神」

『いいね。勝負は嫌いじゃないよ。ボクも料理できるし、君をぎゃふんと言わせてあげる』

「ぎゃふん」

そう浮竹がからかいながら言うものだから、夜刀神に火が付いた。

『真剣勝負だよ。判定は‥‥‥そうだね、浮竹と桜鬼のボクだけじゃあ偏るから、白哉くんにも審査員になってもらおう』

「私は、あまり甘すぎるものは好きではない‥‥‥聞いていないな、二人とも」

『ごめん、白哉。京楽と、精霊の俺につきあわせちゃって』

「まぁ、たまにはよい」

「ボクは十四郎に票を入れるけどね。作る前から、すでに料理の腕に差があるのは明らかだし」

『料理は愛情っていうじゃないか。京楽の作るホットケーキのほうが、うまいかもしれないぞ?』

「それはないねえ」

『むう』

「ケンカはするな。浮竹と夜刀神は、真剣勝負をしているのだ。黙って、完成を待とう」

30分もしないうちに、浮竹がホットケーキをもってやってきた。

「食べてくれ」

『うん、さっき食べたのよりおいしい』

「さすが十四郎だね。ただのホットケーキなのに、すごいおいしい」

「甘い‥‥まぁ、悪くはない」

妖狐の浮竹、京楽、白哉の順で感想を言われる。

『ボクもできたよ。食べてみて?』

『うん、うまいぞ』

「焦げてる。苦い。マイナス100点」

「焦げたホットケーキ‥‥‥‥意外と、悪くないな」

妖狐の浮竹が夜刀神の肩をもつのは分かるが、まさか白哉まで夜刀神の京楽の作ったホットケーキを褒めるとは思わなくて、みんな白哉を見ていた。

「私は、斬新な味なので夜刀神の京楽に票を入れる」

『俺ももちろん京楽に』

「ボクは絶対浮竹だね」

2対1で、ホットケーキの料理対決は、夜刀神の京楽に勝ちになった。

「納得いかない。かせ、食う」

浮竹が、残っていた夜刀神の作ったホットケーキを食べて、眉根を寄せる。

「苦い。ホットケーキの味が台無しだ」

『そ、それでもボクの勝ちだからね』

「勝ったところで、何かが変わるでもない」

『残念でしたー。そっちのボクから、1日君を自由にこき使える権利をもらったよ』

浮竹は、京楽を見る。

京楽は、目をそらして口笛を吹いていた。

「春水、後で覚えておおお」

夜刀神にひっぱられながら、浮竹はたまった洗い物やら洗濯をする羽目になるのであった。


ちなみに、京楽は絶対に浮竹が勝つからと、そんな無謀なことを言ったのだが、1日が終わって自由になった浮竹から、3日間無視され続けるのであった。

合掌。

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