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残り火

「んっ」

褥の上で、白哉が乱れる。

「隊長」

「んあああっ」

恋次に後ろから突き上げられて、白哉は少し長い黒髪を揺らす。

「あ、恋次、顔がみたい」

「隊長、好きです」

一度抜いて、正面から突き上げた。

「ふ、んんん」

舌が絡み合うキスを繰り返して、白哉がびくんと背をしならせる。

白哉は恋次の肩に噛みついた。

「隊長、すっげぇいい」

淫靡な白哉は美しく、白哉は恋次の背に手をまわしてその背中をひっかいた。

「ああああ」

白濁した液体を出しながら、恋次の精液を胎の奥で受け止める。

「んあああっ」

恋次のものはすぐにまた硬くなって、白哉を攻め立てる。

「んあっ、あ、あ」

恋次の体液を再度胎の奥に受け止めて、白哉は意識を失った。





「ん‥‥‥」

白哉が気づくと、後処理はちゃんとすませられていて、新しい着物を着ていた。

「恋次」

「はい、隊長」

隣でうとうと眠っていた恋次が、目を覚ます。

「足りないのだ」

「へ?」

「まだ、足りない。私をもう一度抱け」

「え、でも俺のほうがもう無理っす‥‥‥‥」

体を燻る残り火に、白哉は悩む。

「風呂に入ってくる」

「あ、俺も一緒に入ります」

結局、風呂場で恋次にぬいてもらった。

白哉の中にある残り火。

まだ、完全に消えない。どうすればこの火が消えるのか、白哉には分からない。

恋次の傍にいると、いつもいつの間にか残り火が灯る。

「恋次、愛している」

愛を囁けば、恋次は見えない犬の尻尾を振って白哉を抱きしめる。

恋次の匂いが好きだった。

恋次の鍛え上げられた体が好きだった。

恋次の入れられたタトゥーが好きだった。

「隊長、俺も愛しています」

「ふあっ」

何度も舌を絡み合わせて口づけをされると、白哉の中の残り火が大きくなる。

いつからだろうか。

こんな浅ましい欲を抱くようになったのは。

その夜はもう寝て、次の日執務室で恋次と会った。

「おはようございます隊長」

「おはよう」

白哉は、瞳を潤ませながら恋次を見た。

「残り火が」

「へ?」

「残り火が、兄といると灯るのだ。体の奥が疼き出す」

「隊長、誘ってるんすか?」

「そんなつもりはない。ただ、心の中にも体にも残り火が灯っていて苦しい」

「俺のことを、愛しているからですよ」

「そうなのか?」

恋次でもはっきりとは言えなかったが、肉欲をいつも抱くような白哉ではない。

欲がない時でも残り火があるというのは、そんな感情が白哉の中に灯っている証だろう。

「隊長は俺と違って欲をあんま出さないじゃないっすか。でも、残り火があるってことは俺のことを愛していて、欲がなくて俺の傍にいると残り火が消えないのは、そんな愛とかいう感情があるからじゃないっすか?」

「そうなのか。そう言われると、そんな気がしてきた」

「隊長、今も残り火は灯ってますか?」

「ずっと。兄がいない時は残り火はない」

「やっぱり、その残り火ってきっと愛なんすよ」

「そうか。そうなのか」

白哉の中で消えない残り火は、恋次がいる時だけ灯る。

「ならば、無理に消そうとしなくてもよいか」

「隊長、かわいいなぁ」

「恋次、苦しい」

大柄な体の恋次に強く抱きしめられて、白哉は呼吸をするのを忘れる。

「恋次」

「はい」

白哉は、ぎゅうぎゅうと抱きしてめてくる恋次に、深呼吸してから頭を拳で殴った。

「今は仕事中だ」

「あ、はい。すんません」

しゅんと項垂れる恋次は、まるで大きな犬だ。

白哉の中にある残り火が、少し大きくなる。

「ふ‥‥‥‥」

こんな感情を抱き続けるのもよいかもしれぬと、白哉は思うのだった。

残り火は、恋次がいる時だけ灯って、大きくなりすぎると欲となる。

それでもいいかと、思うのだった。


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