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浮竹隊長と日番谷隊長の受難

「松本おおーーーー!仕事をしろーーー!」

今日も、10番隊の執務室で、日番谷のどなり声が響く。

「俺も手伝おうか?」

遊びにやってきていた浮竹がそういうが、日番谷は首を横に振った。

「これは10番隊の仕事だ。13番隊の浮竹に任せられねぇ」

「そうか」

茶菓子のわかめ大使を食べながら、ふとキラキラした装丁の少し薄い本を見つけた。

「なんだこれ?」

「あ、それは・・・・・・」

「何々・・「あんあん」浮竹は喘いだ。京楽はその凶器を広げた浮竹のあの場所につぎあげて・・・・・・ブーーーーーー!」

浮竹がお茶を吹き出した。

それは、日番谷の顔面を直撃した。

「あ、すまない日番谷隊長・・・でもなんだこの18禁の俺と京楽の小説は」

「松本が作った同人誌だ」

「ここにある本、もしかして全部そうか?」

「ああ・・・松本が、置いておかなきゃ執務室半壊にするとうるさいので、置いてある」

「うわー。けっこうな数だな」

「怒らないのか?」

「うーん。実際、そういう関係だから。怒ったところで、松本副隊長はこりないだろ?」

「お前、松本のことよく理解してるな」

そう話していると、松本がやってきた。

「やーん浮竹隊長、あたしの本見てくださってるんですかー」

「まぁなんだ。同人誌だから多めにみるが、あまり表沙汰にしないようにな」

「ここにある本、よく京楽隊長が借りていくんですよ」

「あのエロ親父・・・・・・・」

ばきぼきと、指の関節を鳴らす。

「最新作はこれです!18禁のない、ラブラブ京楽隊長×浮竹隊長のバースディ話!」

「ふむ。読んでもいいかい?」

「やーん、あたしの本が本物の浮竹隊長の手に・・・・・・・」

ぱらぱらと文字をおって、ぺージをめぐっていく。

「なんだ、来年の誕生日プレゼントは「俺」って・・・・・」

「ああ、なんかそんなことを七緒から聞いたものですから」

「はぁ・・・・・・」

ただの同人誌ではない。

実際に、浮竹と京楽にあったこととかまで書かれてあって、まぁ周囲の者がみたのをそのまま書いたのだろうが、こうして読んでいると、恥ずかしくなってきた。

「こっちの本も読みますかー?ちょっとマニアックで、あんまり売れてないんですけど」

白哉×浮竹というサブタイトルを見て、浮竹がお茶を吹きだした。

ブーーーーー!

「白哉と・・・・?」

「だって浮竹隊長、朽木隊長とも仲良いじゃないですか」

「ああ、まあわかめ大使もらったり他にもいろいろ世話になっているが・・・・」

だからって白哉と?

白哉がこの本の存在を知ったら、絶対千本桜で細切れにするだろう。

「乱菊ちゃーんいるかーい。これの2巻借りにきたよー。うえっ、浮竹!?」

京楽が、10番隊の執務室にやってきて、松本の書いた分厚い小説の2巻を頼もうとしていた。

「京楽~。お前、お前と俺の18禁小説本読んでるんだってな」

浮竹は笑顔だったけど、血管マークがいくつも浮かんでいた。

「ちょっとこっちこい」

「いいじゃない、ただの創作なんだし。君のことを穢してるわけでも、なんでもないんだから、それに、この小説のお陰で、最近週1にしてるでしょ?」

「む、そうなのか」

ブーーーーー。

今度は、日番谷がお茶を吹き出した。

「お前ら、俺のいる場所でそういう会話やめろ」

「日番谷隊長は平気だろう?俺たちの仲を一番よく知っている」

「うんうん。んで乱菊ちゃーん、2巻借りてくねー」

本棚から勝手に2巻を取り出して、ぱらぱらとページをめくっていく。

京楽は、鼻血を出して倒れた。

「あらー。2巻、めっちゃ18禁だから・・・・・・」

「松本おおおおおお!!!」

「隊長、ちなみにここに禁断の浮竹×日番谷小説本が」

「蒼天に座せーーー氷輪丸ーーーーーーー!!!!」

松本と、鼻血を出して倒れた京楽、それに本棚にあった腐った小説の群れ巻き込んで、天に向けて氷の龍が昇っていく。

「あああ、あたしの大事な小説がーーーーーー!」

「浮竹・・・・・うふふふ」

浮竹は、見事に半壊した10番隊の執務室で、よく無事なことがおおい長椅子に腰かけて、お茶を飲んでいた。

「日番谷隊長も、腐った副官をもって大変そうだな」

「そうなんだ。松本の野郎、仕事しないで原稿原稿そればっかりでな。なんでも、俺らの給料より、同人誌で稼いでいるそうだぞ」

ブーーーー!

浮竹が、お茶を吹き出した。

「そんなに、俺と京楽の本が儲かっているのか?」

「けっこう買い求める女性誌死神が多いらしいぞ。あと、一部で男性死神も購入しているらしい」

松本は、コミケにも参加するが、通販も行っていた。ネットで注文を受け、銀行振り込みを確認した後に発送するのだそうだ。

「はぁ・・・・日番谷隊長も、怒るのもいいが、ほどほどにな」

「お前は怒らないのか?」

「同人誌だからなぁ。それに京楽とそういう関係だって、瀞霊廷でも知れ渡っているし。取り締まったところで、焼け石に水さ」

「そうでしょう浮竹隊長!もっとネタをください」

復活した松本に迫られる浮竹は、困惑していた。

「じゃあ、2巻かりてくからね~」

何事もなかったように去ろうとする京楽。

「蒼天に座せ、氷輪丸ーーーーー!あ、やべ、浮竹も巻き込んじまった・・・まぁいいか」

ひゅるるるるるどっかーーーん。

3人を巻き込んで、氷の龍は暴れまわる。

それでも、京楽はしっかりと小説の2巻を守り切っていた。松本は、ネタを紙にかきこんでいた。

浮竹はお茶を飲みながら・・・。

「ああ、なんかもう氷輪丸もお気の毒に・・・・・」

全壊した執務室で、一人日番谷は、本棚の奥からでてきた浮竹×日番谷の本を鬼道で燃やし尽くすのであった。








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