忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
11 2024/121 2 3 4 6 8 10 12 13 1415 16 17 18 19 20 2122 23 24 25 26 27 2829 30 31 01

尸魂界での婚礼

日曜がきて、浦原に頼んで穿界門を開いてもらう。

拘突(こうとつ)がいないのを確認してから、断界を走り抜ける。

尸魂界につくと、ルキアと白哉が待っていた。

ルキアはもう、13番隊の隊長羽織を着ていた。

「ルキア、隊長就任おめでとう。これ、祝いの品」

渡されたのは、アメジストできた髪飾りと、プラチナでできた指輪。

「この指輪は?」

「結婚指輪だ」

かっと、ルキアの頬が朱くなった。

「現世での結婚式は、6月にしようと思っているんだ」

朽木家に移動して、一護はルキアに6月1日を指定した。

「少し先になるけど、もう井上と石田と茶虎には話をしてある」

「その、井上は大丈夫なのか?随分と荒れていたが」

「ああ、石田がついててくれて、大分改善された。あの時の謝罪を、ルキアにしたいんだってさ」

ルキアに向かって、現世に来るなと叫んで、頬を叩いた件だろう。

「もう、気にしてはいないのだがな」

「井上は後悔してる。俺にもちゃんと謝罪してきたし、ルキアも謝罪の言葉を受け取って、そして許してほしい」

「許すなど、最初から許しておる」

ルキアがいなければ、否、ルキアが一護と付き合いださなければ、今一護の隣にいるのはルキアではなく、井上だったろう。

「現世の結婚式には、兄様もきてくださるそうだ」

「ああ、俺が声をかけていたんだ。隊長副隊長に全員に声かけてみたんだけど、一気に現世に行くわけも行かないって言われて、恋次と冬獅郎、乱菊さんがきてくれるって」

「そうだな、あとは13番隊の席官数人くらいか・・・希望者は」

「全員が現世にくるわけにはいかないからな。それだけくればいいほうじゃないのか」

「そうだな。これぬ方は、明日行う婚礼にきてもらう予定だ」

「え、明日!?」

「え、話していなかったか」

「聞いてねぇ」

明日が結婚式と聞いて、一護はいろいろ焦りだした。

「まだ心の準備が・・・・・」

「そんなものいらぬ。すでに籍はいれておるのだ。もう結婚したも同然だ」

「ええっ、籍ってそんな簡単にいれられるものなのか?貴族関係って、けっこうごたごたしてるって聞いたけど」

「兄様が、いろいろと手続きを行ってくれたのだ。今日はよく寝て、明日の婚礼に遅刻せぬようにな」

その日、いろんなことが想いを駆け巡り、一護はなかなか寝れなかった。

「一護、起きておるか?」

「どうしたんだ、ルキア」

別室で眠っていたはずのルキアが、夜着姿で一護の傍にきた。

「眠れぬのだ」

「ああ、俺もだ。もっとこっちこいよ」

布団の中にひっぱりこむと、ルキアははにかんだ笑みを零した。

「いよいよ明日だな」

「大学のほうは卒業するとして、その後は?」

「尸魂界で死神として生活してもらう予定だ」

「そっかー。まぁ、家族にもスマホや携帯とかで連絡とれるし、友人たちも進路はばらばらだしな」

10分ほどしゃべっていると、睡魔に負けたのかルキアのすーすーという、静か寝息が聞こえてきた。一護も目を閉じる。数分は眠れなかったが、意識はすぐに闇に落ちていった。


次の日、いよいよ婚礼の日がきた。

「こちらへ、ルキア」

「はい、兄様・・・・・・・・」

死神姿のままきた一護を、朽木家の使用人が取り囲む。

「うわ、どうなってるんだ!?」

「こちら側の礼服を着てもらいます」

朽木家に案内されて、ポイポイと着ていた死覇装を脱がされて、朽木家の家紋が入った袴と上着を着せられた。

「どうぞ、奥へ・・・・」

奥にいくと、ルキアがいた。

白無垢姿だった。

「ルキア・・・・・」

「一護・・・・・・」

「ルキア、綺麗だぜ。似合っている」

「そういう一護もかっこいいぞ」

そのまま、朽木家の屋敷の中で、厳かに結婚式が行われた。他の隊の隊長副隊長はもちろんのこと、夜一や浦原といったメンバーまでいた。

現世のメンバーは呼んでいない。現世のメンバーは、現世の時の結婚式に来てもらう予定になっていた。

「ルキア、幸せになれよ!」

「恋次・・・・・ああ、必ず幸せになってみせる!」

最後までルキアのことが好きだった恋次は、一護を見た。

「幸せにしろよ。そうじゃなきゃ、とっちまうからな」

「とられてたまるかよ!」

和風の結婚式は初めてだったので、一護にはちんぷんかんぷんであったが、酒を飲み交わしあったりして、ルキアとの結婚は成立した。

後は、無礼講の酒宴となった。

「夜一様、私とも式をあげましょう!」

「砕蜂と式をあげなくとも、いつも一緒ではないか」

「ああ、夜一様・・・・・」

酒を飲む前のすでにハイになっている連中もいれば、朽木家の高級酒が飲めると、ただ酒を飲みに来たやつもいた。

「それにしても一護が朽木と結婚式だなんて、びっくりだよ」

「弓親さん・・・・・」

「いいじゃねーか。幸せになれよ、一護」

「一角さん・・・・」

たくさんの人に祝われた。

「おめでとう、朽木」

「日番谷隊長!」

「おめでとうルキア!」

「松本副隊長まで・・・・・・ありがとうございます!」

白無垢姿から普通の衣装に戻って、酒宴に交じったルキアは、幸せそうだった。

「いやあ、ルキアちゃんの結婚式、浮竹に見せてあげたかったねぇ」

「京楽総隊長・・・・・」

「きっと、天国から浮竹も見守っているよ」

「はい!」

ルキアから、笑顔が零れる。

「こちらへ・・・・黒崎一護」

「どうしたんだ、白哉」

「兄には、これから朽木一護となってもらう」

「へ?」

「なんだその間抜けな顔は。言ったであろう、朽木家に名を列ねると。ルキアを黒崎ルキアなどにはせぬ」

凄いシスコンきたー。問答無用の、婿入りきたー。

「俺は、黒崎の名を捨てる気は・・・・」

「ないのなら、ルキアとの婚姻はなしだ」

「朽木一護になります・・・・・・・」

「まだ先になるが、ある程度年をとったら、涅隊長の薬を飲んでもらう。ルキアと同じ時間を生きるように」

「人間やめろってことか」

「それくらいの覚悟はあるだろう」

「ある。でも、家族は・・・・」

「兄の父は死神であった男だ。人間の伴侶と共に生きるために、義骸に入り年を刻んだ。だが、私はルキアに早世してほしくない。これは私の我儘だ。それに、涅隊長の薬は完全に死神化する薬だ。ルキアとの間に子を作っても、問題はなくなる」

魅力的な話でもあった。

でも、家族と友人の顔がちらつく。

それでも、ルキアを選ぶか家族と友人を選ぶか。

答えなど、最初から決まっていた。

「ルキアと同じ時間を生きる」

「兄の言葉に、安心した」

白哉は、ルキアを呼んだ。

「ルキア、朽木一護は、例の条件を飲んだぞ」

「一護、本当に良いのか?」

「ああ。お前と共に生きたい」

「一護・・・・・・・」

一護は、ルキアを抱き上げた。

「一緒に生きよう。どちらかが老化で早世することもない、平和な世界を生きよう」

「ああ、もちろんだ、一護・・・・・・!」

抱き締めあって、キスを交わしていたら、みんな見ていた。

「あつあつだのう」

「夜一さん、こういうのマジでからうのやめてくれ」

「ルキアと一護の間にできる子は、朽木の次期当主となる。心しておけ」

白哉は、緋真以外の妻を娶る気はもうない。次の当主は、直系ではなく傍系になると思われていたが、養子とはいえルキアはすでに朽木家の子である。

その子を、次の当主にしようというのは、他の四大貴族から何か言われることかもしれないが、それは百哉が守ってくれるだろう。

こうして、新しく隊長や副隊長になった者も含めて、みんなに祝われて、尸魂界での婚礼は終了した。

一護は、ルキアと婚姻したことにより、アパート代や生活費、それに学費などを朽木家から援助してもらい、バイトを止めた。

土日になれば、尸魂界にいって、新婚生活を送る。あと3年は、通い妻ならぬ通い婿になりそうだが、大学は1、2年を真面目にいっていれば、3,4年は楽だ。

夏季休暇などの大型休暇は尸魂界で過ごすつもりであった。

家族や友人に事情を話す。怒る者(妹たち)もいたが、結局もう婚姻は成立し、黒崎家の人間ではないと父親は判断した。
ただ、いつでもルキアと一緒に帰ってこいとは言われた。

井上、石田、茶虎も驚いていたが、それが一護の決めたことならと、受け入れてくれた。

一護は、大学を卒業したら、現世を去る。

朽木一護として、真央霊術院の教師になることが決まっていた。一護の力は巨大だ。戦闘あった際は、一番隊に所属するようになっていた。


世界は廻る。

朽木一護となって、あっという間に6月になり、現世での最後のイベント・・・・現世での結婚式を迎えようとしていた。

拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(12/11)
(12/09)
(12/07)
(12/07)
(12/07)
"ココはカウンター設置場所"