海燕の結婚
海燕が、結婚することになった。
それは13番隊中にすぐに浸透して、みんなおめでとうと海燕と、妻になる都を祝福した。
「おめでとう、海燕」
「ありがとうございます、隊長」
「都は席官だし、しっかりしている。安心してお前を任せられる」
「隊長は、結婚しないんですか?」
ふとした疑問を抱いた。
「俺は・・・・あれだ。病弱だし肺を患っているしな」
「でも、たくさんの女性に恋文をもらっているでしょう。お見合いの話も何十件ときていたはすずです」
「俺には、京楽がいるから」
「やっぱりそうですよね。隊長が、京楽隊長以外と付き合うなんて想像もできません。もしも見合いなんてしたら、京楽隊長がめちゃくちゃにしそうだ」
「あるんだ、過去に1回。見合いをしたことが」
「ええっ!」
思い出す。
あれは、浮竹が隊長に就任して50年ほどした時だった。
上流貴族の姫君に、一目惚れをされたのだ。見合いをしろとしつこかった。浮竹は下級貴族で、逆らうわかけにもいかずに、ついに見合いを受けた。
「周防セツナといいます」
「はぁ。浮竹十四郎といいます」
「この度は見合いを受けてくださり、ありがとうございました」
「はっきり言います。俺は、あなたを幸せにできない」
「何故?」
「他に、好きな、愛している人がいます」
浮竹は、きっぱりと言った。
もうその頃には長い白髪は、腰まで伸びていた。
「何処の誰ですか」
「それは・・・・・」
見合いをしている周防セツナの館に、侵入者がいた。
「お待ちください、いくらなんんでも見合いの場に通せとはあまりな」
家人と両親が、困惑してその人物を見合いをしている二人の部屋に、入らないように必死で止めようとするが、その人物は立ち止まらない。
「浮竹、帰るよ」
「え、京楽!?なんでここが・・・・」
「海燕君に聞いたんだ。君は、見合いを受けちゃいけない」
「あなたは京楽家の・・・護廷13隊8番隊隊長、京楽春水様・・・・・」
セツナは、ほうとため息を漏らした。
浮竹は、正装していたが美しかった。女の自分よりも。そして、同じ隊長である京楽は、美丈夫だった。
「やはり、巷の噂は本当なのですね。浮竹様が京楽様と恋仲という噂」
関係を隠さない二人は、護廷13隊でも「夫婦みたいだ」として有名だった。
「セツナちゃんだっけ、悪いけど浮竹はもらっていくよ。浮竹は僕のものだ。見合いをめちゃくちゃにしたお詫びに、君に合いそうな上流貴族の男性との見合い話を進めておくから」
「いりません。ああ、素敵!」
「え?」
「へ?」
「上流貴族の若君が・・・・下級貴族の美しい青年に夢中・・・ああ、なんて素敵なんでしょう。二人並べば、本当にいいカップルですね」
「セツナちゃん、君・・・・浮竹と本気で見合いする気、なかったでしょ」
「はい。京楽様が怒って、乗り込んでくるのを心待ちにしておりました」
腐女子というやつだ。
京楽と浮竹は、その手の女子に非常に人気が高い。創作ものであるが、二人ができている小説が出回っているくらいだ。
「このセツナ、幸せにございます。京楽様と浮竹様の仲を間近で拝見できて」
京楽は、浮竹を抱き上げた。
「おい、京楽」
抱き上げたまま、キスをした。
「きゃあああああ!鼻血でそう!」
セツナは、鼻血を本当に出していた。
セツナの両親は呆気にとられている。自分の愛娘の縁談を破談しようとした京楽に怒りを抱いていたが、それも霧散してしまった。
「眼福ですわ。これで、小説の執筆もすんなりできそう。京楽様、今巷で流行ってる京楽×浮竹の小説は全部私が書いたものなんです」
「読んだことあるよ。すごくよかった」
「ああ、そう言われて幸せです。新作をどんどん書いていくので、また読んでくださいね」
「ちょっと!京楽!?見合いをぶち壊しにきたんじゃないのか!?」
もっと、荒々しく、浮竹を連れて見合いぶっ壊して、めちゃくちゃになることを危惧していた浮竹は、目を丸くしていた。
「壊しには、この通りきたよ。でも、周防セツナって有名だよ。小説家さ」:
「し、小説家・・・・」
「その子が、僕たちのカップリングの腐った小説書いてるの。いつもハッピーエンドと限らず、悲恋もあって・・・・結構楽しく読ませてもらってる」
「俺はそんなこと、露とも知らなかった」
「浮竹には刺激が強いと思って話してなかっからね。エロシーンがすごいから」
「え、エロシーン」
浮竹は真っ赤になった。
「どうか、後生です。もう一度、愛し合っている場面を見せてください」
「いいよ」
「おい、京楽!」
浮竹を押し倒して、舌が絡まるキスをした。
「ううん・・・・」
「見せつけてやりなよ。どれだけ、僕らはできているのかを」
「あ、京楽、こんな人目のある場所で・・・・ああっ!」
浮竹の服の裾から手を侵入させて、指を這わせていく。
浮竹は、怒って京楽に頭突きをした。
「痛い」
「盛るなら、人目のない場所でしろ!抱かせてやらないぞ!」
本気で浮竹を怒らすと、1週間は口を聞いてくれないので、浮竹を肩に担ぎあげて、京楽はセツナのほうを向いた。
「セツナちゃん、残念だけどここまでだよ」
鼻血をふきながら、セツナは口にする。
「十分でございます・・・・・・ありがとうございました。次の本は、京楽×浮竹の略奪婚に決めました」
「書き上げたら、一番に僕に読ませてね」
「はい、勿論です」
こうして、浮竹の長い人生の中の一度きりの見合いは終わったのだった。
「なんですかそれ・・・周防セツナって、あの文学賞とった、周防セツナですか?」
「ああ、そうだ。当時はあまり売れていなくて、同人誌として俺と京楽の小説を書いていてそれでなりなりの収入を得ていたそうだ。もっとも、上流貴族の姫君だし、今は一般隊士だけど、俺と同じような下級貴族と結婚して、子もいるが」
「はぁ・・・・隊長と京楽隊長の人気は、女性死神に高いですからね。俺も存在をちらっと聞いたことありますよ。隊長たちのできてる同人誌なるものがあること」
「俺は読んだことないけどな。京楽がいうにがエロシーンが凄いとかで・・・・読む気にもなれない」
「やっぱ、本物が一番だって?」
「海燕!」
浮竹は真っ赤になった。
「はははは、冗談ですよ、隊長」
「まぁ、でも確かに本物のほうがいい」
うわー。
言いきちゃたよ、この人。
羊なのに、狼に食べられることが好きなんだ。
海燕は、都も確かそんな小説を持っていたと思いだす。
「都ももってるんですよね。流石に俺も読む勇気は起こらないので、目のとまるとこに置いておかないように、言い聞かせないと」
「都までか・・・そんなに、俺と京楽ができているのって、女性に人気があるのか?」
「もう、夫婦ですかね」
「夫婦?」
「そう。みんな言ってますよ。隊長と京楽隊長は夫婦だって」
「はぁ・・・・・・」
痛む頭を押さえながら、今頃何を言ったところで変わることがないので、諦める浮竹であった。
海燕と都の結婚式が行われた。
正装して出席した浮竹は美人だった。ちらちらと、主役の夫婦よりも視線を集めていた。
浮竹は、仲人として出席した。京楽もだ。
「幸せになれよ、海燕、都」
「ありがとうございます、隊長」
「隊長、ありうがとうございます。私、すでに幸せです」
泣く白無垢姿の都に、涙をふけとハンカチを渡してやる。
「いつか、僕らもこんな風に結婚式をあげれるといいねぇ、浮竹」
「ばかをいうな。男同士で式が挙げられるか。そもそも白無垢なんて着ないぞ。着るならお前が着ろ」
「いいよ」
あっさりと言い放った京楽に、海燕も浮竹も、白無垢姿の京楽を想像して、げんなりするだった。
それは13番隊中にすぐに浸透して、みんなおめでとうと海燕と、妻になる都を祝福した。
「おめでとう、海燕」
「ありがとうございます、隊長」
「都は席官だし、しっかりしている。安心してお前を任せられる」
「隊長は、結婚しないんですか?」
ふとした疑問を抱いた。
「俺は・・・・あれだ。病弱だし肺を患っているしな」
「でも、たくさんの女性に恋文をもらっているでしょう。お見合いの話も何十件ときていたはすずです」
「俺には、京楽がいるから」
「やっぱりそうですよね。隊長が、京楽隊長以外と付き合うなんて想像もできません。もしも見合いなんてしたら、京楽隊長がめちゃくちゃにしそうだ」
「あるんだ、過去に1回。見合いをしたことが」
「ええっ!」
思い出す。
あれは、浮竹が隊長に就任して50年ほどした時だった。
上流貴族の姫君に、一目惚れをされたのだ。見合いをしろとしつこかった。浮竹は下級貴族で、逆らうわかけにもいかずに、ついに見合いを受けた。
「周防セツナといいます」
「はぁ。浮竹十四郎といいます」
「この度は見合いを受けてくださり、ありがとうございました」
「はっきり言います。俺は、あなたを幸せにできない」
「何故?」
「他に、好きな、愛している人がいます」
浮竹は、きっぱりと言った。
もうその頃には長い白髪は、腰まで伸びていた。
「何処の誰ですか」
「それは・・・・・」
見合いをしている周防セツナの館に、侵入者がいた。
「お待ちください、いくらなんんでも見合いの場に通せとはあまりな」
家人と両親が、困惑してその人物を見合いをしている二人の部屋に、入らないように必死で止めようとするが、その人物は立ち止まらない。
「浮竹、帰るよ」
「え、京楽!?なんでここが・・・・」
「海燕君に聞いたんだ。君は、見合いを受けちゃいけない」
「あなたは京楽家の・・・護廷13隊8番隊隊長、京楽春水様・・・・・」
セツナは、ほうとため息を漏らした。
浮竹は、正装していたが美しかった。女の自分よりも。そして、同じ隊長である京楽は、美丈夫だった。
「やはり、巷の噂は本当なのですね。浮竹様が京楽様と恋仲という噂」
関係を隠さない二人は、護廷13隊でも「夫婦みたいだ」として有名だった。
「セツナちゃんだっけ、悪いけど浮竹はもらっていくよ。浮竹は僕のものだ。見合いをめちゃくちゃにしたお詫びに、君に合いそうな上流貴族の男性との見合い話を進めておくから」
「いりません。ああ、素敵!」
「え?」
「へ?」
「上流貴族の若君が・・・・下級貴族の美しい青年に夢中・・・ああ、なんて素敵なんでしょう。二人並べば、本当にいいカップルですね」
「セツナちゃん、君・・・・浮竹と本気で見合いする気、なかったでしょ」
「はい。京楽様が怒って、乗り込んでくるのを心待ちにしておりました」
腐女子というやつだ。
京楽と浮竹は、その手の女子に非常に人気が高い。創作ものであるが、二人ができている小説が出回っているくらいだ。
「このセツナ、幸せにございます。京楽様と浮竹様の仲を間近で拝見できて」
京楽は、浮竹を抱き上げた。
「おい、京楽」
抱き上げたまま、キスをした。
「きゃあああああ!鼻血でそう!」
セツナは、鼻血を本当に出していた。
セツナの両親は呆気にとられている。自分の愛娘の縁談を破談しようとした京楽に怒りを抱いていたが、それも霧散してしまった。
「眼福ですわ。これで、小説の執筆もすんなりできそう。京楽様、今巷で流行ってる京楽×浮竹の小説は全部私が書いたものなんです」
「読んだことあるよ。すごくよかった」
「ああ、そう言われて幸せです。新作をどんどん書いていくので、また読んでくださいね」
「ちょっと!京楽!?見合いをぶち壊しにきたんじゃないのか!?」
もっと、荒々しく、浮竹を連れて見合いぶっ壊して、めちゃくちゃになることを危惧していた浮竹は、目を丸くしていた。
「壊しには、この通りきたよ。でも、周防セツナって有名だよ。小説家さ」:
「し、小説家・・・・」
「その子が、僕たちのカップリングの腐った小説書いてるの。いつもハッピーエンドと限らず、悲恋もあって・・・・結構楽しく読ませてもらってる」
「俺はそんなこと、露とも知らなかった」
「浮竹には刺激が強いと思って話してなかっからね。エロシーンがすごいから」
「え、エロシーン」
浮竹は真っ赤になった。
「どうか、後生です。もう一度、愛し合っている場面を見せてください」
「いいよ」
「おい、京楽!」
浮竹を押し倒して、舌が絡まるキスをした。
「ううん・・・・」
「見せつけてやりなよ。どれだけ、僕らはできているのかを」
「あ、京楽、こんな人目のある場所で・・・・ああっ!」
浮竹の服の裾から手を侵入させて、指を這わせていく。
浮竹は、怒って京楽に頭突きをした。
「痛い」
「盛るなら、人目のない場所でしろ!抱かせてやらないぞ!」
本気で浮竹を怒らすと、1週間は口を聞いてくれないので、浮竹を肩に担ぎあげて、京楽はセツナのほうを向いた。
「セツナちゃん、残念だけどここまでだよ」
鼻血をふきながら、セツナは口にする。
「十分でございます・・・・・・ありがとうございました。次の本は、京楽×浮竹の略奪婚に決めました」
「書き上げたら、一番に僕に読ませてね」
「はい、勿論です」
こうして、浮竹の長い人生の中の一度きりの見合いは終わったのだった。
「なんですかそれ・・・周防セツナって、あの文学賞とった、周防セツナですか?」
「ああ、そうだ。当時はあまり売れていなくて、同人誌として俺と京楽の小説を書いていてそれでなりなりの収入を得ていたそうだ。もっとも、上流貴族の姫君だし、今は一般隊士だけど、俺と同じような下級貴族と結婚して、子もいるが」
「はぁ・・・・隊長と京楽隊長の人気は、女性死神に高いですからね。俺も存在をちらっと聞いたことありますよ。隊長たちのできてる同人誌なるものがあること」
「俺は読んだことないけどな。京楽がいうにがエロシーンが凄いとかで・・・・読む気にもなれない」
「やっぱ、本物が一番だって?」
「海燕!」
浮竹は真っ赤になった。
「はははは、冗談ですよ、隊長」
「まぁ、でも確かに本物のほうがいい」
うわー。
言いきちゃたよ、この人。
羊なのに、狼に食べられることが好きなんだ。
海燕は、都も確かそんな小説を持っていたと思いだす。
「都ももってるんですよね。流石に俺も読む勇気は起こらないので、目のとまるとこに置いておかないように、言い聞かせないと」
「都までか・・・そんなに、俺と京楽ができているのって、女性に人気があるのか?」
「もう、夫婦ですかね」
「夫婦?」
「そう。みんな言ってますよ。隊長と京楽隊長は夫婦だって」
「はぁ・・・・・・」
痛む頭を押さえながら、今頃何を言ったところで変わることがないので、諦める浮竹であった。
海燕と都の結婚式が行われた。
正装して出席した浮竹は美人だった。ちらちらと、主役の夫婦よりも視線を集めていた。
浮竹は、仲人として出席した。京楽もだ。
「幸せになれよ、海燕、都」
「ありがとうございます、隊長」
「隊長、ありうがとうございます。私、すでに幸せです」
泣く白無垢姿の都に、涙をふけとハンカチを渡してやる。
「いつか、僕らもこんな風に結婚式をあげれるといいねぇ、浮竹」
「ばかをいうな。男同士で式が挙げられるか。そもそも白無垢なんて着ないぞ。着るならお前が着ろ」
「いいよ」
あっさりと言い放った京楽に、海燕も浮竹も、白無垢姿の京楽を想像して、げんなりするだった。
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