白夜が現世にやってきたその2
5つ星のホテルのスウィートルームに、二泊三日したルキアと一護は・・・・・・というか、まだ名残惜し気だったルキアを連れて、やっと白哉の貴族はなんたるであるかとかから逃げ出した一護が、自分のアパートの前まできた。
アパートの前にくると、さっき別れたはずの白哉がいた。
ラフな格好に着替えた一護に見習って、白哉も若者らしいファッションに身を包んではいるが、その気品は凛としていて、すれ違う女性たちがちらちらと白哉のほうを振り向く。
「今日は、兄の部屋に泊まる」
「兄様!またご一緒できて嬉しいです!」
ルキアはそう言ったが、一護はすでに口からエクトプラズマを出しそうになっていた。
5つ星のホテルのスウィートルームから、いきなり黒崎一護のアパート。その落差に、果たして白哉は耐えれるのであろうか?
「この狭い部屋も、現世での苦行での一貫と思えば、どうということはない」
一護の部屋で、白哉は正座して茶を飲んでいた。
「尸魂界に帰りやがれ!もう、用は済んだんだろ!?」
白哉の目的は、一護とルキアがどう生活しているかという問題だった。ホテルのスウィートルームに泊まった時に説明したし、もう十分だと白哉もいったのだ。
それなのに、部屋までついてくるとは。
ぐぬぬぬ。
一護は、その日もバイトを休むしかなかった。幸いなことに、夏休みだったので、大学の授業はなかった。
「兄は、ルキアの手料理を食べたことはあるか?」
「ねーよんなもん」
「ふっ・・・・・・」
「百哉があんのかよ!?」
「何度か、な・・・・・・・」
じーっとルキアの方を見ると、ルキアは顔を朱くして小さい声でこう言った。
「たまにだ。たまに、厨房の者に言って、料理をさせてもらうことがあり、それをたまたま兄様が口にすることがある。それだけだ」
一番初めに口にしてもらったのは、藍染の反乱が発覚し、4番隊のところで入院していた白哉に、明太子を入れた白粥食べてもらったことだった。
あの件がきっかけで、それまで強張っていたルキアと白哉の関係は、雪解け水のようになり、氷のようだった溝も、溶けてしまって。今では義妹LOVEの、シスコンだ。
「兄が、ルキアの手調理を口にするのは百年早い」
「百年も生きれるかばかが」
「惰弱な人間であったな、兄は・・・・・・」
「うっせーよ」
なんだかんだで言い合いしていたら、夕食の時間になった。
すでにホテルから出た時にスーパーにいって、二人分の食材は買っていたが、そこに白哉が加わることになったので、追加でルキアと買い物にでかけた。
白哉もついてこようとしたのだが、迷子になられても困るので、家にいてもらった。
二泊三日のホテル暮らしの時に、ホテルの中で迷子になったりして、朽木白哉が実は方向音痴ということが発覚した。
アパートにきていたのは、霊圧をたどった瞬歩に間違いない。
「一護、今日は何を作るのだ!材料をいろいろと買ってきたな!兄様は、ちなみに甘いものが嫌いで辛いものが好きだぞ!」
「知ってる」
事前に、恋次から情報はゲットしておいた。
今日の夕飯は、麻婆豆腐にエビチリ、キムチ炒飯だった。中華ばかりになったが、メニューはこれでいいだろう。
「兄が、作るのか?」
「そうだ。文句あるか」
「せめて、人が食えるものを作れ」
「うっせーな。食べさせてやんないぞ」
少しすると、麻婆豆腐のいい匂いが漂ってきた。
「ふむ・・・・匂いは、悪くない」
冷めないうちに、急いでエビチリを作って、炒飯の中に刻んだキムチをいれて、中華鍋でかき混ぜる。
一護は、ラーメン店でバイトしているが、その前は中華料理店のコックのバイトをしていた。腕は確かだ。
「ほらよ、白哉」
できあがった品をテーブルの上に置いていく。3人分も置けなくて予備の折り畳み式のテ-ブルをだした。
「ふむ・・・・・」
匂いは合格。
箸を手に、白哉はいざ中華の世界へ。
「む、これは・・・・・」」
「兄様、今日の一護のご飯はいつにも増して美味しいです!」
「黒崎一護」
名を呼ばれて、白哉を見る。
「我が屋敷の厨房の料理人になる権利を与えよう」
「いらねぇよそんなもん!素直にうまいとか口にできねぇのかよ!」
「まずくはない」
「だから、素直にうまいっていえよこんちくしょうが」
負けてなるものか。
白哉は、なんだかんだいって、結局全てを平げてしまった。きっと、口にあったのだろう。
「この料理の仕方を、メモに書いておくがいい。朽木家の料理人にも作らせるようにする」
「へいへい」
なおしであった、レシピをとりだして、紙にめもしていく。
手慣れているので、レシピなんて見なくても一護は作れるが、きっと尸魂界では中華料理は珍しいのだろう。
「ルキアにだけ、おまけな」
白玉餡蜜をこっそり作って、デザートにルキアに与えた。
ルキアは喜んでそれを食べた。
その様子を、愛し気に白哉が見ていた。ああ、こんな顔もするのかと、一護も思ったほどに優しい表情だった。
「兄は、ルキアに随分甘いのだな」
「そういう百哉も甘いだろうが」
「お互いさまというわけか・・・・・・」
白哉はせまいせまいといいながら、黒崎家のアパートの風呂に入った。パジャマもちゃんともってきていた。わかめ大使柄のパジャマだった。
笑ってはいけないのだが、その情けない姿に、一護は吹き出すのをこらえた。
次にルキアが風呂に入った。チャッピー柄の、こちらもなんともいえないパジャマを着ていた。
最後に一護が風呂に入り、そして寝る時の試練が訪れた。
本来なら、ベッドで一護とルキアが一緒に眠るのだが。布団は2組ある。
床に布団をしいて、その上で白哉に寝ろというと、ベッドを明け渡せと迫ってきた。仕方なく、ベッドを白哉に譲り、来客用の布団でルキアと寝る・・・・つもりだったのだが、ルキアは白哉と一緒にベッドで眠ってしまった。
「どういう展開だよ。シスコンすぎるだろ。いや、この場合ブラコンも問題か・・・・・」
朝起きると、白哉はカジュアルな服装をしていた。
なんでもルキアが体験した「動物園」に行きたいらしい。「虎」をみたいのだとか。
仕方ないので、電車とバスにゆられて、この前デートにきた動物園にやってくると、虎を見せた。
「あれが虎か・・・・・優雅で凛としていて、気高く美しいな」
「そうでしょう!まるで兄様のようです」
ルキアの褒め言葉に、若干照れくさそうにする白哉。
白哉とは数日しか過ごしていないが、喜怒哀楽などないのではないかという鉄面皮のわりに、優しく微笑んだり、照れくささそうにしたり、人並みに感情はあるようだった。
ただ、その感情の揺れが薄く小さく、常に冷静であろうとする朽木家の当主としての誇りを捨てきれないから、表情が分かりにくいのだ。
その日の夕方に、白哉は隊長ということもあり、現世を去って尸魂界へ戻ることになった。
「兄と過ごした時間は、悪くなかった・・・・・・」
「素直に楽しかったっていえよ」
「ルキアは、あと3日ほど現世にいれるように手配しておいた」
「本当ですか、兄様!」
本当なら、明日にはルキアも尸魂界に帰らなければならなかったのだ。それが2日ほど伸びて、ルキアは百哉を抱き締めた。
「ご自愛ください、兄様。闘いは終われども、またいつ争いがおきるかわかりません。3日後には戻りますゆえ、どうかご心配なさらずに」
「ルキアよ」
「はい、兄様」
「亡き緋真の分まで、幸せになれ」
「兄様・・・・・・・・・」
それは、朽木白哉が、黒崎一護という青年に、ルキアを託すということ。
すでに妹さんをくださいといと、許可をもらって婚約しているが。
ルキアは涙を零しながら、先に去って行った義兄の姿が見えなくなるまで、佇んでいた。
「はー疲れたー。バイト休みまくったから、首になってないといいんだけど」
「たわけ!せっかくの感動のシーンを台無しにするな!」
ルキアに足を蹴られて、一護が叫ぶ。
「こちとら、白哉をもてなすために神経使いすぎて、ボロボロなんだよ!」
「兄様は満足しておられた。安心して、貴様に私を託された。その意味が分かるな?」
「朽木ルキアの伴侶として、合格ってことだろ」
ルキアは朱くなって、一護に抱き着いた。
「貴様の告白を受けて良かった。愛している、一護」
「ルキア・・・愛してるぜ」
二人は、触れあうだけのキスをして、また日常に溶け込んでいく。バイトをしにいく一護を見守って、家で大人しくしたり、買い物にいったりして、ルキアが現世を去る日がやってきた。
「一護・・・・また、今度はいつになるか分からないが、会おう」
「ああ、またな」
二人は人間と死神。共有する時間が違う。でもそれを乗り越え、婚約した。
やがて、ルキアは護廷13隊の、13隊隊長となることが、決まった。
(隊長就任おめでとう。今度の日曜、そっち行くから。祝いの品、もっていく)
(ありがとう、一護。もう付き合いはじめて1年になるな。兄様が、区切りをつけないかと、私に言うのだ)
(どういうことだ?)
(婚礼だ。結婚式をあげないか、一護)
(それ、俺が先に言おうとしてたのに。現世でも、式を挙げよう。ウェディングドレスとか、式場の手配とか、もうしてあるんだ)
(一護・・・・・・私は幸せだ。こんなに幸せでいいのか?)
(いいんだよ。お前は今まで頑張ってきた。たまには、それを俺にも分けろ。現世での結構式は井上、茶虎、石田・・・・・尸魂界からもきてくれるように、手配は済んである)
「一護・・・・・・・・」
尸魂界の美しい夕焼けを見ながら、ルキアは伝令神機にメールを打つ。
(今、尸魂界は夕日が美しい。そちらではどうだ?)
(Iこっちでも綺麗だぜ。俺たちを祝福しているみたいだ)
「ルキア・・・・・」
もう、2月も会っていない。今度に日曜に、尸魂界で式を挙げる日取りを決めよう。ルキアも一護も、お互いのことを胸に、一日一日を過ごしていく。
世界は廻る。
婚礼へと、時間は加速していく。
アパートの前にくると、さっき別れたはずの白哉がいた。
ラフな格好に着替えた一護に見習って、白哉も若者らしいファッションに身を包んではいるが、その気品は凛としていて、すれ違う女性たちがちらちらと白哉のほうを振り向く。
「今日は、兄の部屋に泊まる」
「兄様!またご一緒できて嬉しいです!」
ルキアはそう言ったが、一護はすでに口からエクトプラズマを出しそうになっていた。
5つ星のホテルのスウィートルームから、いきなり黒崎一護のアパート。その落差に、果たして白哉は耐えれるのであろうか?
「この狭い部屋も、現世での苦行での一貫と思えば、どうということはない」
一護の部屋で、白哉は正座して茶を飲んでいた。
「尸魂界に帰りやがれ!もう、用は済んだんだろ!?」
白哉の目的は、一護とルキアがどう生活しているかという問題だった。ホテルのスウィートルームに泊まった時に説明したし、もう十分だと白哉もいったのだ。
それなのに、部屋までついてくるとは。
ぐぬぬぬ。
一護は、その日もバイトを休むしかなかった。幸いなことに、夏休みだったので、大学の授業はなかった。
「兄は、ルキアの手料理を食べたことはあるか?」
「ねーよんなもん」
「ふっ・・・・・・」
「百哉があんのかよ!?」
「何度か、な・・・・・・・」
じーっとルキアの方を見ると、ルキアは顔を朱くして小さい声でこう言った。
「たまにだ。たまに、厨房の者に言って、料理をさせてもらうことがあり、それをたまたま兄様が口にすることがある。それだけだ」
一番初めに口にしてもらったのは、藍染の反乱が発覚し、4番隊のところで入院していた白哉に、明太子を入れた白粥食べてもらったことだった。
あの件がきっかけで、それまで強張っていたルキアと白哉の関係は、雪解け水のようになり、氷のようだった溝も、溶けてしまって。今では義妹LOVEの、シスコンだ。
「兄が、ルキアの手調理を口にするのは百年早い」
「百年も生きれるかばかが」
「惰弱な人間であったな、兄は・・・・・・」
「うっせーよ」
なんだかんだで言い合いしていたら、夕食の時間になった。
すでにホテルから出た時にスーパーにいって、二人分の食材は買っていたが、そこに白哉が加わることになったので、追加でルキアと買い物にでかけた。
白哉もついてこようとしたのだが、迷子になられても困るので、家にいてもらった。
二泊三日のホテル暮らしの時に、ホテルの中で迷子になったりして、朽木白哉が実は方向音痴ということが発覚した。
アパートにきていたのは、霊圧をたどった瞬歩に間違いない。
「一護、今日は何を作るのだ!材料をいろいろと買ってきたな!兄様は、ちなみに甘いものが嫌いで辛いものが好きだぞ!」
「知ってる」
事前に、恋次から情報はゲットしておいた。
今日の夕飯は、麻婆豆腐にエビチリ、キムチ炒飯だった。中華ばかりになったが、メニューはこれでいいだろう。
「兄が、作るのか?」
「そうだ。文句あるか」
「せめて、人が食えるものを作れ」
「うっせーな。食べさせてやんないぞ」
少しすると、麻婆豆腐のいい匂いが漂ってきた。
「ふむ・・・・匂いは、悪くない」
冷めないうちに、急いでエビチリを作って、炒飯の中に刻んだキムチをいれて、中華鍋でかき混ぜる。
一護は、ラーメン店でバイトしているが、その前は中華料理店のコックのバイトをしていた。腕は確かだ。
「ほらよ、白哉」
できあがった品をテーブルの上に置いていく。3人分も置けなくて予備の折り畳み式のテ-ブルをだした。
「ふむ・・・・・」
匂いは合格。
箸を手に、白哉はいざ中華の世界へ。
「む、これは・・・・・」」
「兄様、今日の一護のご飯はいつにも増して美味しいです!」
「黒崎一護」
名を呼ばれて、白哉を見る。
「我が屋敷の厨房の料理人になる権利を与えよう」
「いらねぇよそんなもん!素直にうまいとか口にできねぇのかよ!」
「まずくはない」
「だから、素直にうまいっていえよこんちくしょうが」
負けてなるものか。
白哉は、なんだかんだいって、結局全てを平げてしまった。きっと、口にあったのだろう。
「この料理の仕方を、メモに書いておくがいい。朽木家の料理人にも作らせるようにする」
「へいへい」
なおしであった、レシピをとりだして、紙にめもしていく。
手慣れているので、レシピなんて見なくても一護は作れるが、きっと尸魂界では中華料理は珍しいのだろう。
「ルキアにだけ、おまけな」
白玉餡蜜をこっそり作って、デザートにルキアに与えた。
ルキアは喜んでそれを食べた。
その様子を、愛し気に白哉が見ていた。ああ、こんな顔もするのかと、一護も思ったほどに優しい表情だった。
「兄は、ルキアに随分甘いのだな」
「そういう百哉も甘いだろうが」
「お互いさまというわけか・・・・・・」
白哉はせまいせまいといいながら、黒崎家のアパートの風呂に入った。パジャマもちゃんともってきていた。わかめ大使柄のパジャマだった。
笑ってはいけないのだが、その情けない姿に、一護は吹き出すのをこらえた。
次にルキアが風呂に入った。チャッピー柄の、こちらもなんともいえないパジャマを着ていた。
最後に一護が風呂に入り、そして寝る時の試練が訪れた。
本来なら、ベッドで一護とルキアが一緒に眠るのだが。布団は2組ある。
床に布団をしいて、その上で白哉に寝ろというと、ベッドを明け渡せと迫ってきた。仕方なく、ベッドを白哉に譲り、来客用の布団でルキアと寝る・・・・つもりだったのだが、ルキアは白哉と一緒にベッドで眠ってしまった。
「どういう展開だよ。シスコンすぎるだろ。いや、この場合ブラコンも問題か・・・・・」
朝起きると、白哉はカジュアルな服装をしていた。
なんでもルキアが体験した「動物園」に行きたいらしい。「虎」をみたいのだとか。
仕方ないので、電車とバスにゆられて、この前デートにきた動物園にやってくると、虎を見せた。
「あれが虎か・・・・・優雅で凛としていて、気高く美しいな」
「そうでしょう!まるで兄様のようです」
ルキアの褒め言葉に、若干照れくさそうにする白哉。
白哉とは数日しか過ごしていないが、喜怒哀楽などないのではないかという鉄面皮のわりに、優しく微笑んだり、照れくささそうにしたり、人並みに感情はあるようだった。
ただ、その感情の揺れが薄く小さく、常に冷静であろうとする朽木家の当主としての誇りを捨てきれないから、表情が分かりにくいのだ。
その日の夕方に、白哉は隊長ということもあり、現世を去って尸魂界へ戻ることになった。
「兄と過ごした時間は、悪くなかった・・・・・・」
「素直に楽しかったっていえよ」
「ルキアは、あと3日ほど現世にいれるように手配しておいた」
「本当ですか、兄様!」
本当なら、明日にはルキアも尸魂界に帰らなければならなかったのだ。それが2日ほど伸びて、ルキアは百哉を抱き締めた。
「ご自愛ください、兄様。闘いは終われども、またいつ争いがおきるかわかりません。3日後には戻りますゆえ、どうかご心配なさらずに」
「ルキアよ」
「はい、兄様」
「亡き緋真の分まで、幸せになれ」
「兄様・・・・・・・・・」
それは、朽木白哉が、黒崎一護という青年に、ルキアを託すということ。
すでに妹さんをくださいといと、許可をもらって婚約しているが。
ルキアは涙を零しながら、先に去って行った義兄の姿が見えなくなるまで、佇んでいた。
「はー疲れたー。バイト休みまくったから、首になってないといいんだけど」
「たわけ!せっかくの感動のシーンを台無しにするな!」
ルキアに足を蹴られて、一護が叫ぶ。
「こちとら、白哉をもてなすために神経使いすぎて、ボロボロなんだよ!」
「兄様は満足しておられた。安心して、貴様に私を託された。その意味が分かるな?」
「朽木ルキアの伴侶として、合格ってことだろ」
ルキアは朱くなって、一護に抱き着いた。
「貴様の告白を受けて良かった。愛している、一護」
「ルキア・・・愛してるぜ」
二人は、触れあうだけのキスをして、また日常に溶け込んでいく。バイトをしにいく一護を見守って、家で大人しくしたり、買い物にいったりして、ルキアが現世を去る日がやってきた。
「一護・・・・また、今度はいつになるか分からないが、会おう」
「ああ、またな」
二人は人間と死神。共有する時間が違う。でもそれを乗り越え、婚約した。
やがて、ルキアは護廷13隊の、13隊隊長となることが、決まった。
(隊長就任おめでとう。今度の日曜、そっち行くから。祝いの品、もっていく)
(ありがとう、一護。もう付き合いはじめて1年になるな。兄様が、区切りをつけないかと、私に言うのだ)
(どういうことだ?)
(婚礼だ。結婚式をあげないか、一護)
(それ、俺が先に言おうとしてたのに。現世でも、式を挙げよう。ウェディングドレスとか、式場の手配とか、もうしてあるんだ)
(一護・・・・・・私は幸せだ。こんなに幸せでいいのか?)
(いいんだよ。お前は今まで頑張ってきた。たまには、それを俺にも分けろ。現世での結構式は井上、茶虎、石田・・・・・尸魂界からもきてくれるように、手配は済んである)
「一護・・・・・・・・」
尸魂界の美しい夕焼けを見ながら、ルキアは伝令神機にメールを打つ。
(今、尸魂界は夕日が美しい。そちらではどうだ?)
(Iこっちでも綺麗だぜ。俺たちを祝福しているみたいだ)
「ルキア・・・・・」
もう、2月も会っていない。今度に日曜に、尸魂界で式を挙げる日取りを決めよう。ルキアも一護も、お互いのことを胸に、一日一日を過ごしていく。
世界は廻る。
婚礼へと、時間は加速していく。
PR
- トラックバックURLはこちら