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院生時代の部屋30

如月那由他。上級貴族である、京楽よりも更に上位の上流貴族。

その那由他に、浮竹は呼び出されていた。京楽に気を付けろと言われているので、念のために京楽を伴っていた。

「浮竹、もう一度言う。俺のものになれ」

「俺はものじゃない。誰のものにもならないし、なるつもりもない」

「お前の両親は、共働きで妹や弟がたくさんいるそうだな。両親が職を失い、妹や弟たちが人買い買われて行っても、平気か?」

「貴様、父上と母上に何をするつもりだ!」

「答えは、お前次第さ」

「父上と母上に何かしたら、たとえ上級貴族のお前でも、容赦はしない!」

立ち上る霊圧は切れそうなまでに冷え切っていて、殺気が感じられた。

京楽は思う。

ばかなやつだ。脅しで浮竹が手に入るなら、苦労はしない。

「貴様、この上級貴族の如月家時期当主を・・・・」

「関係ない」

浮竹は、完全に切れていた。

まず、那由他を殴った。那由他は金はあるが、最下位クラスで、力などほとんどなかった。今まで、全部を金で手に入れてきた。この学院での生活もそうだ。
別に死神になるつもりもないのだから、成績などどうでうもいいのだ。

股間を殴って、気絶した那由他の服をはいだ。

「ちょ、浮竹?」

京楽が、浮竹が何をするのか分からなくて、声をかけてみるが、浮竹は止まらない。

下着までむしりとって、靴だけはいた姿にして、木製の板に、那由他の体を固定して、ロープでぐるぐるまきにした。

それを、学院の運動場に置いた。

「ぎゃあああああああああ」

「いやああああああああ」

「きゃああああああああ」

たくさんの悲鳴に、那由他が起きる。

「うわあああああああああ、なんだこれはああああああ!!!」

自分のあまりにも変態な姿に、那由他は、初めて浮竹を怒らせてはいけない人物なのだとわかった。

ちなみに、近く看板に「私は露出するのが好きな変態です、泥だんごを投げてくれると、嬉しくて泣きます」」

と書かれてあった。

近くに、いっぱい泥だんごが用意されてあった。それを手にしても手が汚れないようにと、いくつもの手袋があった。

「ぎゃあああああああ」

男子生徒も投げたが、特に今まで那由他の地位に脅かされて、セクハラを受けていた女生徒たちがこぞって泥だんごを那由他になげた。

「もぎゃああああああああ」

京楽は思う。浮竹を本気で怒らせるとこんなことになるのかと。

全部、浮竹と京楽で準備した。

「でもいいのかい?相手は上級貴族だよ」

「全部写真に収めたし、声も録音しておいた。もしも何か言いだしたら、元柳斎先生になんとかしてもらう」

「僕らってついてるね。山じいのお気に入りになれて」

「そうだな」

その日の事件をきっかけに、那由他は大人しくなったと思ったら、本当に浮竹の両親の職を奪おうとしてきたので、今までの行動を記録したメモ、脅迫状、証拠の写真、音声入りのテープ・・・・全てを山本元柳斎重國に提出した。

結果、那由他は退学処分になった。

数日後、一人で寮に戻ろうとした浮竹を、那由他が薬を使って拉致し、報復行動にでようとした。
数人の男たち囲まれても、浮竹は平気な顔でこう言った。

「正当防衛にする。命が惜しいなら、今のうちに去ることだ」

「那由他坊ちゃん、本当にいいのかい?こんな上玉、輪姦して」

「好きにしろ」

浮竹は、最後のまで凛としていた。

「大丈夫かい、浮竹!」

京楽が、かけつけてくれた。

「破道の4、白雷」

浮竹は、自分で自分をしばっていたロープを外すと、鬼道を放った。、

京楽を除く男たち全てに、平等に雷は降り注いだ。

「うぎゃあああ」

「ぎゃああああ」:

手加減もなしの鬼道は、男たちの股間を焼いた。

那由他とて、例外ではなかった。

「貴様、こんなことして・・・・・」

すぱっ。

那由他の首を、京楽がはねた。

「ひいいいい」

その場にいた男たちも、京楽の手によって始末された。

「京楽?」

「ここにいた男たちは、京楽家の次男を殺そうとして、返り討ちにあった。そういう筋書きでいいかい」

「でも、お前に迷惑が・・・・・」

「那由他のやつ、如月家の時期当主だったけど、廃嫡されたらしいよ。酷くて手がつけれなかったそうだ。念のため、君に手を出した場合の抹殺許可はとってあるよ」

「そうなのか・・・・・・・」

この事件は、如月家の恥を隠すために内々で処理されて、表沙汰にはならなかった。

「京楽も、けっこう残酷なところがあるんだな」

「でも、僕が処理しなきゃ、君が殺してたでしょ。下級貴族が、廃嫡されたとはいえ、上流貴族の人間を手にかけるといろいろ問題がおきるよ?」

「鬼道で、灰にするつもりだった。跡形もなくなれば、流石に何も言われないだろ」

「僕は、君のほうが残酷だと思うけどねぇ。まぁ、そんなところは男らしくて、違う意味で好きになりそうだけど」

「もう、この件は忘れよう」

「そうだね」

「でも、なんで俺が拉致されたと分かったんだ?」

「君の匂いをかいでいったら、あそこに辿り着いたんだ」

くんくんと、浮竹の甘い花の香をかぐ京楽を張り倒す。

「この変態が!」

「助けに行ったのに酷い!」

しくしくと泣き真似をする京楽を放置して、浮竹は体を伸ばした。

「ああ、周囲の香ばしいのが一部排除できてスッキリした」

「その香ばしいのに、僕も入ってる?」

「勿論だ」

笑顔で返されて、いじける京楽の姿があったとかなかったとか。



                                                                                                                             




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