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翡翠に溶ける ユーハバッハの侵攻

「色のない世界」と世界設定が、一部リンクしております。

https://www.pixiv.net/novel/series/9409516

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尸魂界は未曾有の大被害を被った。

山本元柳斎重國が、ユーハバッハの手により、死亡した。

「そんな・・・・先生!」

「山じいーーーー!!」

消えてしまった霊圧に、それぞれ敵と対峙しながら、叫んでいた。

蹂躙されつくされる。

そう思った時に、やっと一護がかけてつけてくれた。

しかし、結果は惨敗。

一護は斬魄刀を折られていた。

ユーハバッハは、時間切れだと他の滅却師たちと一緒に、一時退却していった。

一護は、卍解を吸収さえされなかったが、その大けがせいで、零番隊のところで、ルキア、恋次、白哉と一緒になって、湯治がされた。

「京楽・・・その右目は、もうだめなのか?」

「ああ・・・移植手術すればなんとかなるかもしれないけど、時間がないからね」

山本元柳斎重國の葬儀が行われた。

遺体はなかった。

ただ、空の棺の中に、折れた流刃若火が置かれて、棺の中は白い百合で満たされた。

「なぁ。俺がもしも、自分の死を・・・・卯ノ花隊長のように選択するとしたら、どうする?」

卯ノ花烈も、更木と斬りあい、死んだ。

棺の中は同じく百合の花で満たされていたが、戦いに満足したのか、安らかな顔だった。呼吸音を確かめたくなるような死に顔だった。

「君が、尸魂界のために散るなら、僕は止めないよ」

「薄情者だな」

「だって、そんなことおこりっこないもの」

「どうしてそう言い切れる?」

「今回の戦いでも生き残った。僕も君も。今は一護君や阿散井君が修行してるだろう。ルキアちゃんや朽木隊長もだ。大丈夫、次にユーハバッハがせめてきても、なんとかなるさ」

「そうだと、いいんだが・・・・もしも霊王が殺されたら・・・・」

「いやだな、浮竹。今は、山じいと卯ノ花隊長を見送ろう」

動ける者たちのうち、隊長副隊長クラスの者は、全員葬儀に参加していた。

棺に火がつけられる。

二人の棺が荼毘に付されるのを、みんなただ涙を流しながら見守っていた。

浮竹は、もうこの時心に決めていた。

尸魂界のために、霊王に何かあった時は潔く散ろうと。

それを知らない京楽は、新しい総隊長となった。

最後の夜になるだろうからと、浮竹から誘ってきた。

「今はそんな時じゃないだろうに・・・どうしたんだい?」

誘われて、満更でもないかんじの京楽は、浮竹の白い肌にキスマークを残していった。

「最後になるかもしれないから・・・・・・」

「そんな不吉なこと、言わないでよ」

「ああ、すまない」

でも、本当に最後だ。

ありがとう、京楽。

この500年、悪くなかった。

お前がいてくれたお陰で、今の俺がいる。

「あああ!」

京楽の熱に引き裂かれて、痛みでも快感でもない涙が流れた。

もう、別れのための手紙は書いておいた。

お前を残して逝くこと、どうか許してほしい。

「ひああああ!」

ぐちゃぐちゃと、中をえぐってくる京楽は、いつもより切羽詰まっていた。

こんな緊急時に、恋人と睦みあっていると知られたら、京楽の総隊長としての始まりに汚点を残すが、幸いこんな時に睦みあうなどど考える者はいなかった。

「んう」

舌が絡まるキスをされた。

「ああ!」

前立腺を刺激する京楽の熱の動きに、いつの間にか浮竹は精を放っていた。

相変わらず、涙は止まらない。

最後の夜だ。

「春水・・・もっとお前がほしい・・・」

そう言って口づけると、普段そんなことを言わないので、京楽の目が見開かれた。

「本当にどうしたの、浮竹・・・」

「あああああ!」

中のいいところを突かれて、浮竹はまたいっていた。

内部の締め付けがきつくなって、京楽も浮竹の中に熱を放っていた。

そのまま、出すものがなくなるまで攻めたてられた。

「あああ・・・・ああ、春水もっと・・・・・」

いつもより激しく乱れる浮竹に、京楽がごくりと唾を飲み込んだ。

「今日の君はすごいね。色っぽいし、反応も敏感だし、中もすごい」

「春水、愛してる。キスを・・・・・」

浮竹はキスが好きだ。

行為の最中、何度もキスを強請られた。

「十四郎愛してるよ・・・・」

ああ。

どうか、時が止まってしまえばいいのに。

永遠があるなら、この瞬間の永遠が欲しかった。


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別の世界で、色のない世界で眠っていた、花の神はゆらりと水底で揺らめいた。

「別の世界での、愛児の最後か・・・・」

ぶわりと、桜の花びらになって、世界を渡る。

愛児の最後を見届けるために。

椿の狂い咲きの王は、世界を渡る。

ある世界では、愛児となるための義魂丸を京楽に授け、それを京楽は浮竹のクローンに与えた。

まだ、その世界の愛児は散っていない。

助けてやろうと、花の神は気まぐれに時を渡る。

死を覚悟している愛児である、浮竹の元へと世界線をこえて、世界を渡っていった。

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