翡翠に溶ける 蘇る死神代行
元死神代行、銀城が動きだした。
完現術者(フルブリンガー)としての、一護がが目覚めようとしていた。
だが、銀城は完現術者としての一護の力を奪った。
一護は、泣き叫んだ。
やっと、守る力を取り戻したと思ったのだ。
「銀城が関係しているせいか、一護君に霊圧探知能力が復活した。今しかない」
浮竹の言葉に、尸魂界は動いた。
一護に、霊圧を取り戻すために、ルキアや白哉を含めた数人の隊長副隊長が赴いた。
ルキアは、浮竹の副官になっていた。
何十年と副官を置かなかった浮竹であるが、ルキアになら任せてもいいと思っていた。正に、その通りとなった。
やがて、皆の霊圧がこめた刀を受けて、一護は霊圧を取り戻し、銀城を倒した。
霊圧を取り戻した一護が、尸魂界へ挨拶へやってきた。
「ありがとな、浮竹さん。浮竹さんの言葉で、みんなが動いてくれたって」
「いや、一護君が自分で霊圧探知能力を身に着けたせいだ。霊圧を注ぐものはあった。今まで条件を満たしていなかったので、器の意味を成していなかったんだ」
「そっか・・・・銀城には、いろいろあったけど、感謝しなくちゃな」
一護は、一度銀城の遺体を引き取りに、尸魂界にきている。
銀城は、尸魂界から許される形として、現世に遺体を返された。
「君は、銀城のようにならないでくれ」
「ならねーよ。俺は俺だ」
「ところで、朽木とはうまくいっているのか?告白しあったんだろう?」
「浮竹さん、あんた何処でそれを・・・・」
「いや、朽木は俺の副官だろう?何かあるごとに、一護君がどうたらと・・・まるで、新婚カップルのようだなぁと思って」
「ルキアのやつ!」
「ああ、責めないでやってほしい。朽木も君に霊圧が戻って、以前のようにちゃんと会いにいけることに浮かれているようだから」
「浮竹さん、今度からルキアが何か俺のこと言ってきたら、筒抜けだと言っておてくれ」
「ああ、分かった」
走って去ていく一護を、浮竹と京楽は見ていた。
「青春だねぇ」
「青春だな」
「僕らも、あんな時代があったね」
「そうだな」
もう何百年前になるだろうか。
桜の木の下で、想いを告げ合って・・・・死神の隊長になると誓い合った。
お互い、その頃誓い合った通りに死神になり、3席となり副隊長となり、隊長となった。
尸魂界は、また穏やかな時間を取り戻した。
京楽と浮竹は、いつものように居酒屋にいた。何故か、ルキアまでいた。
「朽木、まあ飲め飲め~~」
浮竹が、ルキアの杯に果樹酒をなみなみと注いだ。
「あ、こぼれちゃいます、隊長!」
「まぁ、一気にぐいといけ。これはアルコール度が高くないから、朽木でも飲めるだろ」
ルキアは、杯の中身を飲み干した。
「うわぁ、このお酒甘いですね。兄様だと飲めないだろうな・・・・・」
「白哉と飲む時は、強い辛口の日本酒を飲ませるんだ」
「なるほど。隊長は兄様と仲が良いですね」
「白哉のことは子供の時から見てきたからなぁ。あいつも、成長したな。あれでも、昔は熱しやすくてよく怒る子だった」
「兄様が!?その話、もっと聞かせてください!」
一人、蚊帳の外に置かれた状態の京楽はすねて、一人で高級酒を飲みながら、つまみを注文した。
ゲソの天ぷらだった。
「お、それうまそうだな。すみません、これを同じものを2人前」
「それで、兄様!?」
「夜一がよくからかってなぁ。怒った白哉と、瞬歩で・・・・・」
それから、しばらくの間ルキアと浮竹は、白哉の過去話で盛り上がった。
やがて、酔い潰れた二人ができあがった。
「ルキアちゃんまで酔い潰しちゃって・・・・・ああ、浮竹は幸せそうだな」
酒の飲み過ぎで、すやすやと眠る浮竹を放置して、まずはルキアを抱き上げて、瞬歩で朽木家にまで届けた。
「ルキアがよった?兄が飲ませたのか」
「いや、浮竹だよ。君の過去話で盛り上がって、ルキアちゃんも酒をぐいぐいと飲むから、僕求めなかったんだけど・・・・止めたほうがよかったかい?」
「これは、あまり酒に強くない。今後、あまり飲ませないように」
「分かったよ」
居酒屋に戻って、勘定を払って、浮竹を肩に担いで外に出た。
「この平和が、いつまでもつことやら・・・」
嫌な予感がした。
尸魂界中が震撼するような出来事が起きるような。
今日は満月だった。
瞬歩で浮竹を雨乾堂に送り届けると、3席の仙太郎が面倒を見てくれるらしかった。
一人、ぶらりと8番隊隊舎まで歩いて帰っていくと、途中で趣味の夜の散歩をしていた白哉と出会った。
「何しるんだい、朽木隊長。眉間に皺なんて寄せて・・・悩み事なら、聞こうか?」
「最近のあれは・・・・黒崎一護と仲が良すぎる」
「ああ、まぁ恋に死神も人間も関係ないからねぇ」
最近、ルキアは休日のたびに現世の一護の場所に赴いていた。
「黒崎一護は人間だ。いずれ別れがくる」
「でも、そうなったら魂魄がこっちに来て、またやり直せるんじゃないかい?」
「あれに、黒崎一護の老いと死を見せたくない」
「朽木隊長は、ちょっと過保護だね」
「む・・・・」
自分でも、分かっているのだろう。
過保護ということを。
「あれには・・・緋真の分まで、幸せになってほしい」
「大丈夫。すでにルキアちゃんは幸せだよ。酔いながら言ってたよ。一護君と出会えたことが、人生で一番の幸福だと」
「ルキアが?」
「そうだよ。朽木隊長も、もう少し寛容になってあげればいい」
「すでに、譲歩している。毎週わざわざ現世にいくのを、黙って見ている」
「まぁ、僕は帰るよ。流石に眠くなってきた」
「兄は・・・浮竹を、幸せにいしているか?」
ふとされた質問に、京楽は笑った。
「幸せじゃなきゃ、今でも二人一緒にいることなんてないよ。僕も浮竹も、傍にいれるだけで十分に幸せなのさ」
「そうか・・・」
白哉は、月明りの中、闇に紛れるように歩き出した。
京楽も眠かったので、8番隊の隊首室に戻り、眠った。
完現術者(フルブリンガー)としての、一護がが目覚めようとしていた。
だが、銀城は完現術者としての一護の力を奪った。
一護は、泣き叫んだ。
やっと、守る力を取り戻したと思ったのだ。
「銀城が関係しているせいか、一護君に霊圧探知能力が復活した。今しかない」
浮竹の言葉に、尸魂界は動いた。
一護に、霊圧を取り戻すために、ルキアや白哉を含めた数人の隊長副隊長が赴いた。
ルキアは、浮竹の副官になっていた。
何十年と副官を置かなかった浮竹であるが、ルキアになら任せてもいいと思っていた。正に、その通りとなった。
やがて、皆の霊圧がこめた刀を受けて、一護は霊圧を取り戻し、銀城を倒した。
霊圧を取り戻した一護が、尸魂界へ挨拶へやってきた。
「ありがとな、浮竹さん。浮竹さんの言葉で、みんなが動いてくれたって」
「いや、一護君が自分で霊圧探知能力を身に着けたせいだ。霊圧を注ぐものはあった。今まで条件を満たしていなかったので、器の意味を成していなかったんだ」
「そっか・・・・銀城には、いろいろあったけど、感謝しなくちゃな」
一護は、一度銀城の遺体を引き取りに、尸魂界にきている。
銀城は、尸魂界から許される形として、現世に遺体を返された。
「君は、銀城のようにならないでくれ」
「ならねーよ。俺は俺だ」
「ところで、朽木とはうまくいっているのか?告白しあったんだろう?」
「浮竹さん、あんた何処でそれを・・・・」
「いや、朽木は俺の副官だろう?何かあるごとに、一護君がどうたらと・・・まるで、新婚カップルのようだなぁと思って」
「ルキアのやつ!」
「ああ、責めないでやってほしい。朽木も君に霊圧が戻って、以前のようにちゃんと会いにいけることに浮かれているようだから」
「浮竹さん、今度からルキアが何か俺のこと言ってきたら、筒抜けだと言っておてくれ」
「ああ、分かった」
走って去ていく一護を、浮竹と京楽は見ていた。
「青春だねぇ」
「青春だな」
「僕らも、あんな時代があったね」
「そうだな」
もう何百年前になるだろうか。
桜の木の下で、想いを告げ合って・・・・死神の隊長になると誓い合った。
お互い、その頃誓い合った通りに死神になり、3席となり副隊長となり、隊長となった。
尸魂界は、また穏やかな時間を取り戻した。
京楽と浮竹は、いつものように居酒屋にいた。何故か、ルキアまでいた。
「朽木、まあ飲め飲め~~」
浮竹が、ルキアの杯に果樹酒をなみなみと注いだ。
「あ、こぼれちゃいます、隊長!」
「まぁ、一気にぐいといけ。これはアルコール度が高くないから、朽木でも飲めるだろ」
ルキアは、杯の中身を飲み干した。
「うわぁ、このお酒甘いですね。兄様だと飲めないだろうな・・・・・」
「白哉と飲む時は、強い辛口の日本酒を飲ませるんだ」
「なるほど。隊長は兄様と仲が良いですね」
「白哉のことは子供の時から見てきたからなぁ。あいつも、成長したな。あれでも、昔は熱しやすくてよく怒る子だった」
「兄様が!?その話、もっと聞かせてください!」
一人、蚊帳の外に置かれた状態の京楽はすねて、一人で高級酒を飲みながら、つまみを注文した。
ゲソの天ぷらだった。
「お、それうまそうだな。すみません、これを同じものを2人前」
「それで、兄様!?」
「夜一がよくからかってなぁ。怒った白哉と、瞬歩で・・・・・」
それから、しばらくの間ルキアと浮竹は、白哉の過去話で盛り上がった。
やがて、酔い潰れた二人ができあがった。
「ルキアちゃんまで酔い潰しちゃって・・・・・ああ、浮竹は幸せそうだな」
酒の飲み過ぎで、すやすやと眠る浮竹を放置して、まずはルキアを抱き上げて、瞬歩で朽木家にまで届けた。
「ルキアがよった?兄が飲ませたのか」
「いや、浮竹だよ。君の過去話で盛り上がって、ルキアちゃんも酒をぐいぐいと飲むから、僕求めなかったんだけど・・・・止めたほうがよかったかい?」
「これは、あまり酒に強くない。今後、あまり飲ませないように」
「分かったよ」
居酒屋に戻って、勘定を払って、浮竹を肩に担いで外に出た。
「この平和が、いつまでもつことやら・・・」
嫌な予感がした。
尸魂界中が震撼するような出来事が起きるような。
今日は満月だった。
瞬歩で浮竹を雨乾堂に送り届けると、3席の仙太郎が面倒を見てくれるらしかった。
一人、ぶらりと8番隊隊舎まで歩いて帰っていくと、途中で趣味の夜の散歩をしていた白哉と出会った。
「何しるんだい、朽木隊長。眉間に皺なんて寄せて・・・悩み事なら、聞こうか?」
「最近のあれは・・・・黒崎一護と仲が良すぎる」
「ああ、まぁ恋に死神も人間も関係ないからねぇ」
最近、ルキアは休日のたびに現世の一護の場所に赴いていた。
「黒崎一護は人間だ。いずれ別れがくる」
「でも、そうなったら魂魄がこっちに来て、またやり直せるんじゃないかい?」
「あれに、黒崎一護の老いと死を見せたくない」
「朽木隊長は、ちょっと過保護だね」
「む・・・・」
自分でも、分かっているのだろう。
過保護ということを。
「あれには・・・緋真の分まで、幸せになってほしい」
「大丈夫。すでにルキアちゃんは幸せだよ。酔いながら言ってたよ。一護君と出会えたことが、人生で一番の幸福だと」
「ルキアが?」
「そうだよ。朽木隊長も、もう少し寛容になってあげればいい」
「すでに、譲歩している。毎週わざわざ現世にいくのを、黙って見ている」
「まぁ、僕は帰るよ。流石に眠くなってきた」
「兄は・・・浮竹を、幸せにいしているか?」
ふとされた質問に、京楽は笑った。
「幸せじゃなきゃ、今でも二人一緒にいることなんてないよ。僕も浮竹も、傍にいれるだけで十分に幸せなのさ」
「そうか・・・」
白哉は、月明りの中、闇に紛れるように歩き出した。
京楽も眠かったので、8番隊の隊首室に戻り、眠った。
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