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翡翠に溶ける 日常

死神になって、半年が経とうとしいた。

お互い、もう業務には慣れて、遅い時間まで仕事をすることはなくなった。

浮竹は、始め自分で全部処理していたのだが、5席の白銀が他の隊士も使えというので、仕事を分担させたら、今までの忙しさが嘘のように、静かになった。

睡眠時間も7時間はキープしている。

根を詰めすぎて、一度熱を出して倒れてから、浮竹に回される仕事の量も少し減った。

「今日は飲みに行こう!」

京楽を誘って、居酒屋に行った。

京楽は、学院時代からよく飲んでいたが、死神になってから、ストレスを発散するようによく飲んだ。

甘い果実酒をちびちびやっている浮竹に、金を出してやるからと、高めの果実酒がもってこられた.

それをぐいぐい飲んで、少し酔った。

京楽は、高い日本酒を頼んで、それを浴びるように飲んでいた。

「京楽、飲み過ぎじゃないか?」

「大丈夫大丈夫。僕、あまり酔わないから」

言う通り、飲んでも飲んでも、京楽は酔わなかった。

浮竹は酔っぱらっていた。

「京楽の性欲の権化が・・・・何度出したら、気が済むんだ」

他の客の視線を集めてしまい、京楽は店を浮竹と出た。

「うーい。俺はまだ飲めるのぞおおおお」

「今日はここまで」

「横暴だ!」

「君、酔っぱらいすぎだから」

「京楽の・・・・・・ZZZZZZZZZZZ」

途中で眠りだした。

院生時代から変わっていない。酒を飲み過ぎて酔っぱらうと、眠ってしまうのだ。

浮竹をおんぶして、京楽は自分の家に戻った。

それから、布団を2組しいて、京楽だけ湯あみをしてパジャマを着る。浮竹の死覇装も脱がして、泊まる時用に置いてあったパジャマに着替えさせた。

「本当に、手のかかる子なんだから・・・・・」

その日は、お互い何もせずに寝た。

翌日に、浮竹は血を吐いた。

「浮竹!」

4番隊で瞬歩で運びこむが、発見が早かったお陰で、回道を当てれてそのまま帰ってもいいと言われた。

念のために鎮痛剤を投与して、京楽の家の布団に寝かせた。

休みが溜まっていたので、浮竹も京楽も休みをとった。

数時間がたち、浮竹が目覚めた。肺に残る痛みに、顔をしかめる。

「君の発作を見るの、半年ぶりだね。ほんとは、影でもっと発作を起こしていたんでしょう」

「ばれてたか・・・・・13番隊でも少し大きな発作を起こして、4番隊に運び込まれた」

「その話、僕は聞いてないよ」

「心配をかけまいと思って」

「浮竹。今度から、発作を起こしたり熱を出して倒れたりしたら、ちゃんと教えてほしいな。君を心配することになるけど、何も知らされずにいるよりはいい」

「分かった」

その日は、京楽の館に泊まった。

発作は軽いもので、明日の仕事に支障はなさそうだった。

朝になり、朝食をとって、互いに反対方向に出勤する。

「浮竹3席」

「どうした、白銀5席」

「昨日、肺の発作を起こしたと聞いた。出てきても大丈夫なのか?」

「ああ、大丈夫だ。軽い発作だったし、4番隊で診てもらったが、支障はないそうだ」

「それな良かった」

白銀に抱き締められていた。

暖かな体温に驚く。

「白銀5席?」

「あ、ああごめん。君がこの前発作を起こした時、心臓が止まるかと思った。なんでもないのなら、本当によかった」

「心配をかけたようで、すまなかった」

その日の仕事は、簡単な書類作業だけで、早めに帰宅を許された。

することもないので、京楽の館で合鍵を作って持っていたので、中に入り布団をしいてごろごろしていたら、京楽が帰ってきた。

「あれ、浮竹?」

「京楽、お帰り」

「ああうん、ただいま」

適当に買い込んだ食材で、浮竹は二人分の夕食を作り、それを食べた。

「けっこう美味しいね。いいお嫁さんになれるよ」

「ばか!」

京楽の冗談に、頭をぽかりと殴ってやった。

力は入っていんかったが、京楽が声を出す。

「あいた」

二人して、笑い合った。

死神の業務にも慣れたし、二人きりの時間を作る余裕もでてきた。

「明日は休みだし、ゆっくりしようか」

京楽は、自分の屋敷からとってきた、囲碁を取り出してきた。

「ルール、覚えてる?」

「ああ」

「じゃあ、僕が先行で」

囲碁に将棋、花札。

ひとしきり時間を潰すが、京楽に問う。

「俺を抱かなくていいのか?」

「君は、まだ病み上がりだよ。来週まで、手は出さない」

「そうか」

次の日は、休日だった。

二人で、久し振りに甘味屋に出かけた。

学院時代から通っている壬生という老舗で、最近チェーン店を展開している。

ほどよく人がはいっていた。

空いている席を見つけて、注文する。

「おはぎを10個。白玉餡蜜とぜんざいを3人前。あと抹茶アイスを1人前」

「僕はは羊羹と団子を1人前」

「畏まりました」

給仕係は、一人で大量に注文する浮竹に驚いていたが、営業スマイルを浮かべてオーダーを通した。

ほどなくして、注文した品がそれぞれやってくる。

浮竹は、よく食べた。

その細い体の何処に、それだけの量が入るのだというくらい食べた。

勘定は、京楽もちだった。

3席の給料なんて、京楽にとってはお小遣い程度だ。

浮竹は仕送りを打ち切られて、自分の薬代を出して飲食に使うだけで精一杯で、趣味とかに金が使えないでいたから、浮竹に小遣いをあげた。

始めはいらないと言っていたが、3席の給料では困窮して、ついにお小遣いをもらってしまった。それから、毎月浮竹は、京楽からまとなったお小遣いをもらうようになって、高くて買えなかった肺の薬の新薬を買った。

効き目は順調で、しばらくは肺の発作も出なかった。

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