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血と聖水と名において13

「浮竹、いいものあげる」

「なんだ?」

るんるん気分の京楽が、綺麗にラッピングされた箱をもってきた。

中身は少し軽い。

「いいものだよ」

「ああ、もらう」

アクセサリーの類かと思っていたら、中に入っていたのはもじゃもじゃの毛だった。

「うふふ、ボクの胸毛♡」

「いるかこんなものおおおおお!!」

京楽の顔面に、箱を投げ返す。

「酷い!ボクの胸毛2か月分なんだよ!」

「気持ち悪いわ!変なものよこすな!」

「ははぁ、さては下の毛がよかったんだね。今から・・・・」

「死ね」

浮竹は、京楽はをハリセンでぼこぼこにした。

「う、冗談だったのに。毛を取り除いて箱の奥を見てごらん」

言われた通りにすると、翡翠の髪留めがあった。

「これは・・・綺麗だな。でも、値段が高そうだ」

「ボクも一応S級ヴァンパイアハンターだからね。この前ソロでヴァンパイアロード狩った報酬金で買ったの」

「あ、ありがとう。う、嬉しいなんて別に思っていないんだからな!」

「きたーーー、浮竹のツンデレ。かわいいいいい」

「う、うるさい」

そこで、ピンポーンとチャイムが鳴った。

「誰だろう」

「あ、ボクが出るから!もしも、また藍染関係だとやばいからね」

浮竹は、二週間ほど前に藍染に犯されて、無理やり花嫁にされて、それを同じ花嫁である京楽とまじりあうことで、花嫁でなくなった。

藍染の手下が2回ほどきたが、返り討ちにして殺した。

『元気か、ヴァンピールの俺』

「あ、ドラゴンサモナーの俺!」

『すまん、洗面所を貸してくれないか。手が血で濡れて気持ち悪い』

「誰か、殺したのか?」

浮竹が、不安げにドラゴンサモナーの浮竹を見る。

『何、お前に害をなそうとしたS級ヴァンパイアハンターの首をはねとばして火で完全に塵にしただけだ』

『浮竹ってば、君をさらおうとしてたらしいS級ヴァンパイアハンターを二人殺しちゃったの。注意したんだけどね、問題ないって聞かなくて』

「そうか・・・・あの二人を殺したんだな。俺は気にしない」

『ヴァンピールの俺ならそう言うと思った・・・・一度、誰かの花嫁にされたのか?首に、うっすらと痕がある』

「ああ、藍染に無理やり・・・・」

『藍染か。俺の力で殺せるかな?』

「藍染は不老不死に限りなく近いヴァンパイアマスターだ。普通の方法では殺せない」

『そうなのか』

ドラゴンサモナーの浮竹は、残念そうな顔をする。

「あ、ドラゴンサモナーの浮竹、これあげる!」

『なんだ?』

『何もらったの?』

パートナードラゴンのちびドラゴンの姿の京楽も、綺麗にラッピングされた箱の中身を見る。

「ボクのギャランドゥの毛」

『いるか、こんなものおおおおお!!』

浮竹と同じ反応をする。

違うのは、毛だけ燃やして、ついでに京楽も燃やした。

『ボクの浮竹に変なものあげないで!』

パートナードラゴンの京楽も、火のブレスで京楽を燃やす。

「あははは、いい火加減」

京楽は、アフロになりながらも体は燃えない。手加減されているし、京楽はもうほとんど体の構造がヴァンパイアに近くなっているせいで、炎なんてききやしない。

『あははは、アフロになってる』

パートナードラゴンの浮竹は、おかしそうに笑う。

『本当に渡したかったのはこっちか』

今の浮竹が髪に飾っている髪留めの翡翠と対になるような、ブルーサファイアの髪留めが箱の奥に入っていた。

『ありがとう。大切にする』

「うん。それなりの品物だよ。けっこうお金かかってるから、なくしたり、盗まれたりしないように気をつけてね」

『ボクの浮竹なら、大丈夫だよ』

「そうだね」

「京楽、服を脱げ」

突然、浮竹がそんなこと言いだした。

「ええ!こんなところでしっぽりのお誘い!?」

「違う、だアホ!」

おとなしく上半身裸になり、下半身も躊躇なく裸になりそうなのを慌てて止める。

「え、フルチンじゃなくていいの?」

「誰もそこまで脱げとは言ってない!」

くすくすと、そんな二人をドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽が笑う。

浮竹は、綺麗になくなった京楽の胸毛とギャランドゥを見て、溜息をこぼす。

「ライフよ、顕現せよ」

浮竹だけ使える、命の精霊ライフに、京楽の胸毛とギャランドゥをしばらくはえてこないようにお願いした。

「ちょっと!ボクの胸毛がはえてこなくなるうううう」

「こんなことに使うなら、永遠にはえてこんでいいわあああ」

「酷いいいいいい」

「この愚か者があああああ」

『なんだかんだって、仲いいね?』

『そりゃ、花嫁だからな?多分』

ドラゴンサモナーの浮竹は、勝手に紅茶をいれて飲んでいた。浅い皿にいれて、パートナードラゴンである京楽にも飲めれるようにする。

冷蔵庫を漁ると、大粒の苺があった。

それを、二人は食べる。

「あ、夕飯後の楽しみに残しておいた苺なのに。まぁいいか。ライフに頼んで、同じものをはやしてもらって収穫しよう」

ライフの精霊。

別名、命の神。

精霊でありながら、同時に神である。浮竹は、神さえ使役する。

四人は、和やかにお茶をしていたのだが、一向に燃え尽きない京楽のギャランドゥの毛を見て、浮竹が質問する。

「あれは、いつ燃え終わるんだ?」

「ん、ボクのギャランドゥは特別でね。火をつけても長時間それを維持するんだよ。冒険者してた時、よく松明代わりにしてたなぁ」

「汚らわしい松明だな」

「酷い!」

ちなみに、京楽はまだアフロだった。ライフの精霊に元に戻せと言っていなかったので。

「ボク、いつまでアフロなの?」

「一週間」

「びえええええん。ボクの美貌がああああ」

「自分で言うな!ナルシストか、お前は!」

「いえ、ただの変態です」

「たいへんだ、へんたいだ」

げらげらと、パートナードラゴンの京楽が笑い、ドラゴンサモナーの浮竹も腹を抱えて笑っていた。

変態でアホな子の京楽は、涙を浮竹のパンツでぬぐった。

「また俺のパンツを!」

「いやあああ、とりあげないで!ボクのコレクションがあああ」

「没収だ、没収」

「酷いいいいいい」

ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、夕飯をごちそうになってから、元いた町の宿屋に戻っていくのであった。


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