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退化の薬。

12番隊の涅マユリにためていた金をちらつかせて、女体化の薬を作ってもらって、それを酒と一緒に、飲ませた。

ぼふんと音を立てて・・・・白哉は、性別はそのままで10歳くらいになっていた。

「えー、なんで!」

「恋次、お前の仕業か」

白哉はカンカンに怒っていた。

ずり下がる服をなんとか身に纏いながら、恋次に日番谷のところに行かせて、死覇装を借りにいかせた。

恋次がもってきた、日番谷サイズの死覇装は、白哉にぴったり合っていた。

「恋次、1か月禁欲だ」

「ぬおおおおおおおおおお」

子供の姿に戻った白哉は、本当に人形のようで、女の子にしか見えなかった。

黒髪の長さはそのままだが、牽星箝などはサイズに合わないので外していた。

まだ日も高いうちから、何か悪だくみをしようと思っていた恋次に、禁欲1か月では足りないかもしれないと思いながら、恋次に手を引かれて朽木邸までの道を歩く。

2日は元に戻らないと聞いていたのだが、念のために解毒薬を用意してもらっていたのだ。だが、それを飲んでも元に戻らなかったのだ。

12番隊に殴り込みにいくと、渡した薬を間違えたと言われて、女体化するという薬を受け取る恋次に、白哉が千本桜で液体の入った薬の瓶を割った。

「恋次、貴様は一度死にたいと見える」

かわいい子供の姿だが、迸る霊圧は半端なものではない。

「いや、ちょっと試したいと思っただけで・・・・・」

「破道の8、白雷」

「あががががが」

黒焦げになる恋次を置いて、朽木邸に帰ろうとする。

それを、なんとか復活してついてきたのだ。

「兄様なのですか!?なんとおかわいらしい!」

10歳になってしまった義兄を見て、ルキアは目をキラキラさせていた。

とりあえず事情を話す。

「そういえば、いつか私と一護の間に子が産まれた時用にと、兄様が用意してくださっていた着物があります。死覇装は借り物でしょう。そちらにお着がえください」

「ふむ。それもそうだな」

そうやって、白哉はルキアの手で子供用の着物を着させられた。

「2日経てば元に戻るそうだが・・・その間、仕事ができぬ。朽木邸でゆっくりする。恋次、お前はもう一度12番隊にいって、解毒薬をなんとかしてもらいにいってこい」

「そうだぞ恋次!兄様をこのようにかわいい姿にするとはないすジョブ・・・ではなかった、兄様への冒涜だ!」

恋次は後悔した。

女体化した白哉を見てみたかったのだが、まさか子供になるとは思っていなかった。

女体化した白哉に手を出せても、今の白哉に手を出すとただの変態だ。

12番隊にもう一度いき、なんとか解毒薬を作ってもらえる了承をとって、朽木邸に戻ると、ルキアと一護が、白哉を着せ替え人形にしていた。

「隊長!寝室に戻りましょう!」

「うむ・・・流石に疲れた・・・・・」

小さな白哉を抱き抱えて、寝室に連れていく。

「恋次」

「なんですか、隊長」

「お前、私が女でないことがいやなのか?」

「そ、そんなわけないです!」

「では、なぜ女体化の薬など・・・・・」

「純粋に、好奇心ですね。美人な隊長が女になったらどんな美女になるのかなと思って」

白哉は、心の底で抱いていた恐怖に安堵した。

女でないから捨てられるのではないかと思ったのだ。

「捨てられるのかと、思った・・・・」

「そんな!俺が隊長を手放すはずがないでしょう!」

ぎゅっと抱きしめられて、白哉は苦しいと訴えた。

「明日には解毒薬できるそうなので、それまでその10歳の姿で我慢してください」

「恋次」

「はい」

ちゅ。

白哉は、座っている恋次に触れるだけのキスをした。

「隊長~~!愛してますーーーー!」

キスをして、着物を脱がしにかかる恋次に、白哉は。

「破道の8、白雷」

「あががががが」

「このような姿の私に盛るでない。愚か者が。ただの変態ではないか」

「確かに・・・キスやハグくらいは、許してもらえますか?」

「それくらいなら・・・・」

その日の晩、恋次は朽木邸に泊まった。白哉が子供の体になったことを知っているのは、ごく一部の者だった。

恋次は12番隊にいき、解毒薬を受け取って帰ってきた。

「これを飲めば、元に戻れます」

「ふむ・・・よい。もう少しこのままの姿でいる」

「へ?」

「子供の姿でいると、誰も私を朽木白哉と気づかぬのだ。日番谷隊長くらいだったな、気づいたのは」

恋次がいない間、白哉はぶらりと瀞霊廷を一人でぶらついていたのだ。

「お菓子をあげるからと、声をかけられること3回。いきなり拉致して来ようとする者もいた」

「たたたた、隊長、いくら鬼道があるからって、そんな滅茶苦茶可愛い体で歩き回らないでください!」

「皆、鬼道で再起不能になるほどに叩きのめしてやった」

「隊長は、無事なんですよね!?」

「見ての通りだ。子供姿も、悪くない」

女体化してなくてよかったと思った。

きっと白哉が女体化したらすごい美女になって、それこそ襲われてしまいそうな気がする。

10歳の子供も姿でも危ういのに。

2時間ほど恋次と駄菓子屋で菓子を買い、子供心に戻った白哉は、10歳であることを楽しんだ。

朽木邸に戻り、いつもの死覇装と隊長羽織をぶかぶかのまま着て、解毒薬を飲む。

ぼふん。

音を立てて、白哉は元の大人の姿に戻っていた。

「隊長、元に戻ってよかった!」

「こうなったのは、誰のせいだと思っている。禁欲1か月だ」

「うううう」

恋次が涙する。

「仕方のないやつだ」

白哉は、恋次に触れるだけのキスをする。

「キスとハグだけはよいことにしてやる」

「隊長!大好きです!」

抱きついてくる恋次に、白哉は苦笑する。

「お前は、本当に私のことが好きなのだな」

「当たり前です!世界で一番愛してますから!」

「では、今後変な薬は飲ませるな」

「うっ」

「まだこりていないのか。まぁよい。童心に戻れて、それなりに楽しかった」

白哉は、10歳の姿の時帯剣できなかった千本桜を腰に帯剣する。

牽星箝をつけ、銀白風花紗を身に着ける。

いつもの白哉のできあがりだ。

「隊長、キスさせてください。1か月も禁欲だなんて、しおれてしまう」

結局、我慢できなくなった白哉のせいで、恋次の禁欲生活は半月で終わるのだった。

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