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辛い菓子

6番隊の執務室で仕事をしていると、3時になった。

少し休憩を入れようということで、恋次が茶と鯛焼きをもってきた。

白哉はあからさまに嫌そうな顔をした。白哉は甘いものが嫌いだ。鯛焼きなど食べる気もない。

恋次は、鯛焼きをテーブルの上に置くと、お茶だけ白哉に渡した。

白哉はあまり茶菓子を食べない。茶菓子のほとんどが甘いものだからだ。

「隊長、今日はこれがありますよ!」

恋次が手にもってきたものは、カラムーチョだった。

現世の辛いお菓子で、白哉の好物の一つだった。

「よこせ」

白哉が珍しく、がっつく。

「はいはい」

カラムーチョを手にした白哉は、中身がなくなるまでカラムーチョを食べ続けた。

「隊長、一袋丸々はちょっと食べすぎですよ」

「かまわぬ。食べても太らぬ」

「でも、現世にしかないお菓子でしょう。手に入れるのに苦労したんですから。在庫まだありますけど、明日以降ですね」

「今よこせ」

「駄目ですよ、隊長!数に限りがあるんですから!」

「ふむ・・・一般隊士に命令して、カラムーチョを買ってこさせようか・・・・」

逡巡する白哉に、恋次が言う。

「それ、職権乱用っていうんですよ」

「では、清家にでも頼むか」

「あー。清家さんなら、いいかもしれませんね」

「だが、清家を現世に連れて行ったことがない。義骸が必要だ・・・・まぁ、金は腐るほどあるし12番隊に頼んで清家の義骸を作ってもらおう・・・あとキムチも買ってきてもらおう・・・」

一人、辛い物食べたさに口数が多くなった白哉に、不意打ちをするかのように口づけた。

「カラムーチョの味がする」

「愚か者。食べたすぐ後でキスなどするからだ」

「別にこれはこれで構いませんよ」

「んっ」

また恋次と唇が重なった。

「カラムーチョ手に入れたご褒美ください」

「全く、手のかかる・・・・・・」

盛った恋次に、仕方なく隊首室に移動する。

最後までする気はなかったので、お互いのものを重ね合わせて、すり合わせた。

「ああ!」

「隊長・・・・俺の手で、いってください」

「あ、恋次・・・・ひう」

ぐちゃぐちゃと音をたてて、互いものをいじりあっていると、先端の爪を立てられて白哉はいってしまった。

快感で真っ白になる頭を振り払い、恋次のものをしごくと、恋次も白濁した液体を出していた。

「あー。やべぇ、隊長抱きたい」

「隊首室ではせぬ。逢瀬もこの前したばかりだ。我慢しろ」

「うーーー」

おあずけをくらった犬みたいな顔をして、恋次は白哉に口づけた。

「もっとあんたが欲しい、隊長」

「だめなものはだめだ」

「けち」

「なんとでもいえ」

そのかわりだと、もう一度恋次のものに手をかけた。

口に含み、口淫すると、恋次は息を飲んだ。

「た、隊長・・・・・・」

恋次のものをなめあげて、しごいていく。旺盛な性欲をもつ恋次は、その刺激に耐え切れず、白哉の口の中で達していた。

「・・・・・濃い。この前、あれだけやっただろう。何故にここまで濃いのだ」

「若いからです」

白哉とて、まだ若い。

「お前は盛り過ぎだ。一度医者に診てもらえ」

「いや、普通ですって。隊長が相手だから、盛るんです」

逢瀬は大体一週間に一度くらいだ。

「濃いのは、抜いてなかったからですね」

「一週間に一度では足りぬのか」

「全然足りません」

白哉はどちらかというと性欲があまりない。自分で抜くという行為すらしない。

恋次の旺盛すぎる性欲に眩暈を覚える。

「仕方あるまい。週末、あの館へ・・・」

「一週間経ってないのに、抱いてもいいんですか?」

「そうでもしないと、お前は執務室でも盛るであろう」

「はは、確かに我慢できなくなって隊首室に連れ込むかも」

隊首室は、恋次の仮の寝床だ。何度かそこに連れこまれて抱かれた。

「恋次」

「はい、隊長」

「館へは、やはり今宵もでも構わぬ」

「ほんとですか。よっしゃー」

「その代わり、手加減しろよ」

「はい」

白哉を今夜抱けることになって、恋次は幸せの絶好調にいた。

「茶を入れろ」

「はい」

恋次のいれた緑茶を飲みながら、我ながら甘いと思う白哉だった。

夜になり、いつも逢瀬に使う館にやってくる。

明日は休みではないので、あまり無理はできない。

出されていた食事を食べ、酒を飲むとなし崩しに褥の上に二人で転がった。

「隊長、好きです」

貴族の証をはぎとり、隊長羽織も死覇装も脱がせていく。

「あ・・・・・」

白哉も、恋次の死覇装を脱がせた。

均整のとれたよく筋肉のついた体だ。入れ墨が目立つ。

「恋次は、何故入れ墨など体にいれたのだ」

「え・・・そうですね。かっこいいのと、強さの証みたいに。大きな戦で勝利すると入れ墨をいれます。この背中の下のほうの刺青は、大戦が終わってからいれたものっすね」

「入れ墨は入れるときに想像以上に痛いと聞く。大丈夫なのか?」

白哉の言葉に、恋次は頷いた。

「俺は根性ありますから。少しくらい痛くても平気です」

「もしも、私が入れ墨を入れると言ったらどうする?」

「断固として止めますね!この綺麗な白い肌に入れ墨なんて言語同断です!」

恋次の心配する声に、白哉は苦笑を漏らす。

「言ってみただけだ。入れ墨など、入れる気はない」

「よかった・・・・」

恋次の手が、白哉の体を這っていく。

「んん・・・・・・」

膝を膝でわり、胸の先端を甘噛みした。

「んっ」

キスをしながら、潤滑油に濡れた指を白哉の体内に入れる。

「一度、だけだぞ」

「わかってます」

前立腺を刺激しつつ、蕾を解していく。

トロトロになった頃に、宛がい引き裂いた。

「あああああ!」

「く・・・・・」

白哉の中の締め付けにいきそうになるが、1回だけと言われているので必死に耐えた。

ズチュズチュと音とたてて、白哉の内部を穿っていく。

「あ!」

とろりと、白哉は蜜と一緒に白濁した液を吐きだしていた。

「んんん・・・ひあっ」

女のように犯されて喜ぶようになってしまった腹が、子種を欲しいと訴える。

「くぁ・・・・ひう」

白哉の弱いところばかり突き上げていると、白哉はまたいってしまった。

「あ・・・・もう、お前もいけ・・・私の中で、ぶちまけろ」

言われた通りに、白哉の腹の奥に子種をこれでもかというほど、放ってやった。

お互い、荒い呼吸を繰り返す。

それから横になり、呼吸を整える。

「お風呂いきましょうか」

「ああ」

白哉は行為後、寝てしまうこともあるが風呂に入り、交わった証を流すのが常日頃の行いだった。

とろりと太腿からしたたり落ちてくる、恋次の子種を気にしながら、風呂場について腹の奥にだされたものをかき出してもらった。

「私が女なら、とっくに身籠っているな」

「隊長相手なら身籠らせることができそうな気がします」

「男に子供はできぬ」

「隊長なら・・・・」

髪と体を洗い、湯船に浸かって疲労した体をリラックスさせた。

ほどなく睡魔が襲ってきて、白哉は早めに浴衣に着替えて布団に横になった。

恋次はまだしたりなくて、浴室で一人で白哉のあられもない姿や声を想像して抜いていた。

「あー。俺って性欲旺盛すぎるのか?隊長が淡泊なだけなのか?」

白哉は2回いった。

恋次は1回だ。

日のあるうちに、白哉に2回抜かれたので、今日は合計3回いったことになる。

それでも、まだまだできそうだった。

「隊長に全部ぶつけたら、失神しちまうもんなぁ・・・・・」

翌日が休日の日は、激情の全てをぶちまけることもあったが、愛されている分かりだしてからその頻度は少なくなった。

代わりに、時折酒に分からない程度の媚薬を混ぜて、乱れさせたりもした。

恋次は白哉の元に戻ると、用意されてあった布団に横になる。

隣では、白哉があどけない顔で眠っていた。

抜いたばかりなのに、その寝顔にむらむらしてきた。

「隊長・・・・・」

口づけると、白哉が目覚めた。

「どうした」

「いえ・・・あんまりにもあどけない顔で寝ていたので」

「こちらにこい。添い寝してやろう」

白哉の言葉に、恋次はするりと白哉の布団にもぐりこんだ。

こうやって、1つの寝具で眠ることもたまにある。

「隊長の温もりがする・・・・」

「明日は仕事だ。大人しく、寝ろ」

そう言って、白哉はまた眠ってしまった。

寝付きがいいのが羨ましかった。

布団の中で、白哉の体を抱き締めながら、恋次もいつの間にか意識は闇に滑り落ちていった。

「恋次、起きぬか、恋次!いつまで私を抱いているつもりだ!」

「んー・・・・・」

「もう8時だ。急がねば、9時の仕事に間に合わぬ」

「うあ、そんな時間ですか!」

恋次は白哉を解放してがばりと起きた。

朝食は用意されてあったので、急ぎ目に食べて、二人して6番隊の執務室に瞬歩でやってくる。

時刻は8時50分。

ぎりぎりだった。

「やはり、次の日に仕事があるのに睦み合うのは止めたほうがよいか」

「いえ、ちゃんと起きます!遅刻しないようにしますから、翌日が休日じゃなくても抱かせてください!」

恋次は白哉を抱きたい時に抱けない。欲望のままに白哉を抱いていたら、毎日遅刻だろう。

「3時にカラムーチョを出すのであれば、抱かせてやってもよい」

くすくすと静かな笑いを、白哉が零す。

麗人は、美しかった。

黒絹の髪に、白い肌、中性的に整った美貌。よく手に入れることができたものだと、自分でも思う。

「カラムーチョ2つだします!」

「言ったな。2つだぞ」

1つは持って帰って食べよう。

そう思う白哉だった。

恋次は結局、カラムーチョが尽きて、休日に現世に赴きスーパーで大量に買い込むのであった。あと、キムチもおまけで買っておいた。

白哉の辛いもの好きは、甘いもの好きより苦労する。

それでも、微笑む白哉を見れるなら、どんな苦労もおしまないのであった。











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