卯ノ花隊長とお茶
卯ノ花はできた女性だ。華道だけでなく、茶道もできる。
茶道といえば山本総隊長なのでが、今回は4番隊で茶道が行われた。
何故か知らないが、浮竹と京楽も呼ばれた。
「正座、きついんだよね」
「そうだな」
適当に足を崩していると、卯ノ花に怒られた。
「正座は基本です」
「でも卯ノ花隊長、俺たちは普段正座なんてしないから」
「では、今から修行だと思って身に着けてください」
にっこりとそう笑われて、なんともいえない顔を二人で作る。
茶がまわってくる。
なんとかおぼろげな、昔の茶道の稽古を思い出しながら、茶菓子をいただく。
上品なあんこの入った和菓子だった。
「このあんこ・・・・壬生のものかな?」
「あら、浮竹隊長よくわかりましたね。壬生の店の方に、今日出るお菓子を作ってもらったのです」
「あそこのおはぎは特別においしいからなぁ」
「そうですね」
一人、輪の外にいた京楽は、隙を見て逃げ出そうとしいた。
「京楽~~~犠牲になる時は、一緒だって誓ったよな?」
「いつの話だい!」
「俺を見捨てて、逃げるのか?」
「うっ」
傷ついた子猫のような目で見られて、京楽も動けなくなる。
「茶道にでることが、犠牲ですか?それはそれは・・・・・・」
うふふふふと笑う卯ノ花が怖くて、二人ともいったん口を閉ざす。
「ああ、なんで卯ノ花隊長の華道やら茶道に僕たちが呼ばれるんだい」
「あら、救護詰所を利用することの多い浮竹隊長はもちろんのこと、お見舞いにいらっしゃる京楽隊長もたまにはこういうのもいいでしょう?」
にっこり笑われて、その笑みが怖いとは言えなかった。
足を痺れさせて、なんとか茶道が終わった。
卯ノ花が、回道をかけてくれた。
「卯ノ花隊長、僕らをからかって遊んでない?」
「からかうもなにも、遊んでいるのです」
きっぱりと言われて、浮竹も京楽も、やっぱり卯ノ花は恐いと思った。
「京楽隊長は、この後献血にきてくださいね。浮竹隊長は、健康診断を」
「うへー、また献血かい」
「京楽隊長の血液型は少ないのです。とれるうちにとっておかないと」
「なんだか、怖い台詞だねぇ。浮竹はいいねぇ、健康診断だけなんて」
「とても苦い薬を出される。あと採血もされるし、あまりよくない」
浮竹も、不満があるようだった。
だがそれを卯ノ花にいうほど、愚かではない。
あくまで、京楽との会話だ。
「そうですね、体調がよいようなら、浮竹隊長も献血をなさってはいかがですか」
「いや、俺はいい!京楽が俺の分までとってほしいって」
「まぁ、京楽隊長、ありがとうございます」
「殺されるーーーー!!」
卯ノ花に引きずられて、京楽は献血に連れて行かれた。
合掌。
「お前のことは、忘れない」
1時間後、しおしおになった京楽と、健康診断で血をぬかれてげっそりとなった浮竹が、救護詰所の待ち合わせ室で顔を合わせた。
「散々だったよ」
「俺もだ。採血、卯ノ花隊長だった。卯ノ花隊長、採血下手なんだよな。6か所さされた」
「僕は血をいっぱいとられたよ。ジュースもらったけど、割に合わない」
「しばらく、救護詰所にはいかないでおこう」
「そうだね。浮竹が発作をおこした時以外は、しばらく近づかないでおこう」
「あらあら、二人とも元気がありませんね」
誰のせいだと、二人とも思った。
「ではまたのおこしを、お待ちしております」
できるなら、もうきたくない。
卯ノ花の笑顔を見ながら、そう思う二人であった。
茶道といえば山本総隊長なのでが、今回は4番隊で茶道が行われた。
何故か知らないが、浮竹と京楽も呼ばれた。
「正座、きついんだよね」
「そうだな」
適当に足を崩していると、卯ノ花に怒られた。
「正座は基本です」
「でも卯ノ花隊長、俺たちは普段正座なんてしないから」
「では、今から修行だと思って身に着けてください」
にっこりとそう笑われて、なんともいえない顔を二人で作る。
茶がまわってくる。
なんとかおぼろげな、昔の茶道の稽古を思い出しながら、茶菓子をいただく。
上品なあんこの入った和菓子だった。
「このあんこ・・・・壬生のものかな?」
「あら、浮竹隊長よくわかりましたね。壬生の店の方に、今日出るお菓子を作ってもらったのです」
「あそこのおはぎは特別においしいからなぁ」
「そうですね」
一人、輪の外にいた京楽は、隙を見て逃げ出そうとしいた。
「京楽~~~犠牲になる時は、一緒だって誓ったよな?」
「いつの話だい!」
「俺を見捨てて、逃げるのか?」
「うっ」
傷ついた子猫のような目で見られて、京楽も動けなくなる。
「茶道にでることが、犠牲ですか?それはそれは・・・・・・」
うふふふふと笑う卯ノ花が怖くて、二人ともいったん口を閉ざす。
「ああ、なんで卯ノ花隊長の華道やら茶道に僕たちが呼ばれるんだい」
「あら、救護詰所を利用することの多い浮竹隊長はもちろんのこと、お見舞いにいらっしゃる京楽隊長もたまにはこういうのもいいでしょう?」
にっこり笑われて、その笑みが怖いとは言えなかった。
足を痺れさせて、なんとか茶道が終わった。
卯ノ花が、回道をかけてくれた。
「卯ノ花隊長、僕らをからかって遊んでない?」
「からかうもなにも、遊んでいるのです」
きっぱりと言われて、浮竹も京楽も、やっぱり卯ノ花は恐いと思った。
「京楽隊長は、この後献血にきてくださいね。浮竹隊長は、健康診断を」
「うへー、また献血かい」
「京楽隊長の血液型は少ないのです。とれるうちにとっておかないと」
「なんだか、怖い台詞だねぇ。浮竹はいいねぇ、健康診断だけなんて」
「とても苦い薬を出される。あと採血もされるし、あまりよくない」
浮竹も、不満があるようだった。
だがそれを卯ノ花にいうほど、愚かではない。
あくまで、京楽との会話だ。
「そうですね、体調がよいようなら、浮竹隊長も献血をなさってはいかがですか」
「いや、俺はいい!京楽が俺の分までとってほしいって」
「まぁ、京楽隊長、ありがとうございます」
「殺されるーーーー!!」
卯ノ花に引きずられて、京楽は献血に連れて行かれた。
合掌。
「お前のことは、忘れない」
1時間後、しおしおになった京楽と、健康診断で血をぬかれてげっそりとなった浮竹が、救護詰所の待ち合わせ室で顔を合わせた。
「散々だったよ」
「俺もだ。採血、卯ノ花隊長だった。卯ノ花隊長、採血下手なんだよな。6か所さされた」
「僕は血をいっぱいとられたよ。ジュースもらったけど、割に合わない」
「しばらく、救護詰所にはいかないでおこう」
「そうだね。浮竹が発作をおこした時以外は、しばらく近づかないでおこう」
「あらあら、二人とも元気がありませんね」
誰のせいだと、二人とも思った。
「ではまたのおこしを、お待ちしております」
できるなら、もうきたくない。
卯ノ花の笑顔を見ながら、そう思う二人であった。
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