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小説掲載プログ
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院生時代の部屋 二人とは

朝起きると、まっぱでフルチンの京楽が踊っていたので、とりあえずパンツを投げつけて、つけないと鬼道でナニを燃やすと脅して、パンツをはかせた。

「朝っぱらから、なんちゅうもんを見せつけるんだ」

「君を虜にするものだよ!」

「誰がそんな汚いもので虜になるか!」

とりあえず、股間を蹴り上げておいた。

「痛いけど・・・快感♡」

だめだこりゃ。

ドンドコドンドコ踊っていた音楽で、いつもより早めに起きてしまった。

そのまま院生の服に脱衣所で着替えて(部屋で着替えると、京楽が凝視してくる)、食堂に向かう。

学院の外にある梅の花が満開になっていた。

「3回生も、もう終わりか・・・・」

肩の長さをすぎれば、京楽の思いに答えをだしてやるといったが、一度切った髪はまた肩あたりまで伸びてきた。

4回生のうちに、肩の長さをこしてしまうだろう。

あれはなかったことにしようと、決める。

「京楽、お前の思いにまだ当分答えられそうにない」

「いいよ。卒業しても、待ってるから」

卒業するまでには、流石に答えを出してやりたかった。

京楽のことは好きだ。多分、恋愛感情でも好きなんだろう。でも、それを告げるのが怖かった。体の関係に発展するのが怖かった。

おまけに京楽は変態だ。

ド変態だ。

「浮竹、朝ごはん食べに行こう」

京楽は、頭に浮竹のパンツを被ったままだった。

それをとってから、外に出る。

「お前は、俺のパンツを被ったまま食堂へいくつもりだったのか」

「いや、ただ単に忘れてただけ」

その言葉に、少しほっとする。

前に一度、京楽のパンツを被ったまま登校されて、さすがに視線を集めてそれが浮竹にも痛かったので、外ではパンツを被らないように言っていた。

その代わり、手ぬぐいのように浮竹のパンツを使う京楽。

何度もやめるように言ったのだが、治らないのでそのまにしておいた。

今日のメニューは、焼き魚定食だった。

元から食の細い浮竹は、残してしまった。

その残したものを、当たり前のように京楽が嬉しそうに食べる。

使っていたはしをなめたりと、変態まっしぐらだ。

「なぁ、お前4回生になってもその変態のままなのか?」

「そうだ、僕は変態だよ。変態のままだよ」

自覚しているのはいいことだが、治そうとしないのは、もう仕方ないのだろうか。

やがて鐘がなり、1限目の授業を受ける。

座学で、期末テストがあるので、進学クラスだしみんな真剣に聞いていた。

浮竹もそうだったのだが、隣の席の京楽が、文を投げてよこしてきた。

ノートに(真面目に授業を受けろ)と書いて、見せる。

文を見ると、(今日も食べちゃいたいくらいにかわいい。君の最愛の京楽は、毎日踊りを踊ってあそこを強化しているから、いつでもカモン)と書かれていた。

くしゃくしゃに丸めて、京楽の頭に投げた。

文の裏側に、大きく(死ね)と書いてやった。

それを見て、京楽はニンマリと笑う。その笑みは、きっと・・・「浮竹ったら、照れちゃってかわいい」とでも思っているのだろう。

そう思っていると、次の文をよこされた。

(浮竹ってばそんなに照れちゃって。かわいいなぁ。ああ、食べたいなぁ)

そう書かれてあった。

何も書かず、文を丸めて京楽の頭に向かって投げた。

教師は気づいていたが、いつものことなので注意しない。

二人とも、成績はTOPクラスで、座学だけでなく、鬼道、剣の腕も申し分ない。

二人は、席が隣になってから、よく他愛もないやりとりをしていた。

それでも、座学の成績は常に優秀なのだ。

授業を真面目に受けていないように見えて、ちゃんと受けていた。

「次の箇所を・・・・京楽君、解いてみなさい」

難しめの算術だった。

京楽はあっという間に答えを書いてしまう。

「うむ、正解だ」

二人とも、期末テストの前になると慌てて勉強をしだすタイプではない。毎日の授業をちゃんと受けて、復習をして頭に叩き込むタイプだった。

寮から帰って、昼飯から寝るまでの間、けっこうな時間があったが、その時間の一部を使ってお互いに復習をしていた。

どちらかが間違うと、どちらかが訂正し、どちからが分からなくなると、どちらかが教えた。

二人そろって間違えたり、分からなくなることがないのが、不思議だった。

やがて鐘がなり、座学はおわった。

次は鬼道の授業だった。

二人とも、的に詠唱を省略した鬼道を見事にあてて、その威力高さに教師もぽかんとしていた。

本当にもったいないと思う。3回生として燻らせるには、勿体ない。

早く卒業させて、護廷13隊に入れてやりたい。

そう山本総隊長に進言した教師が数人いるが、きちんと6回生まで習わせてから護廷13隊にいれると、頑なだった。

1限につき、授業時間は1時間30分。

昼を挟んだ3限目は、瞬歩の授業だった。

京楽が手本を見せるが、みんなその動きについていけず、ばてていた。

唯一、浮竹だけが、京楽の速さに反応し、瞬歩をしていた。

「本当に、お前たちは勿体ないなぁ。早く、護廷13隊に入れてやりたい」

「嫌だな、先生、まだ3回生ですよ。あと3年もあります」

「そうそう、卒業まであと3年・・・・・うふふ、その間に浮竹の心をわしづかみにして見せるよ」

「そう思うのなら、朝っぱらから裸で踊るのをまずは止めろ」

「じゃあ、今度からパンツをはいて踊るよ」

「それならよし」

教師にも、この二人の関係はよく分からない。できていそうで、できていない。浮竹が被害を被っても、肝心の浮竹が嫌だと訴えてこないのだ。

「お前たちの関係は、本当に不思議だな」

「やめてください先生、こいつとセットにしないでください」

「先生、セットで考えてOKだよ。ぜひともそうするべきだ」

二人とも、ちぐはぐな答えをする。

でも、喧嘩をしないのだ。

まぁ、京楽の変態に浮竹が切れて、浮竹が蹴ったり、鬼道を使ったりするのは、教師一同見て見ぬふりをしている。

山本総隊長から、二人の仲に口出しは厳禁と言われていた。

4限まで授業を終えて、帰り道に見事に紅梅があって、それに見惚れていると、花を一輪つんで、京楽が浮竹の髪に飾った。

「ああ、やっぱり君の白い髪には濃い紅色が映えるね」

「花がかわいそうだろう」

そう言いながらも、浮竹は満更でもなさそうだった。

それを見ていた、他のクラスの生徒がいう。

「あの二人のセットって、優秀だけどたまにバカだよな」

よく、二人で痴話げんかのようなことを学院でも起こしていた。

「不思議な二人だね・・・」

そんなことを思われいるとは二人は露知らず、いつも通り漫才のようにどつきあっているのだた。



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