忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
02 2025/03 3 14 1516 17 18 19 20 21 2223 24 25 26 27 28 2930 31 04

院生時代の部屋26

「はぁ・・・・・・・・」

「どうしたの?生理?」

そう言った京楽の脛を蹴り上げて、浮竹はまた溜息を零した。

「はぁ・・・・・・・」

「ほんとにどうしたのさ」

「京楽」

「なんだい」

「この前、お前が見合いするって言った日に、俺が言ったことは全て忘れろ」

「えー無理。君と約束したもんね(*´з`)卒業してもずっと一緒にいるって」

「脳内から消えてしまええええ」

がくがくと京楽を長い間揺さぶっていると、首が締まったのか、京楽は蒼い顔で泡をふいていた。

そんな京楽をぺっと捨てて、また溜息をつく。

「あんなの、まるでプロポーズしてるみたいじゃないか・・・・・・」

今思いだしも恥ずかしい。

「はぁ・・・・よりによって京楽本人に言うなんて、本当にどうにかしている」

京楽は、周囲に想いが実ったと言いふらしているという。

まだ恋人になることを承知したわけではないけれど、共にいろと言った。半ば強制的な言葉であったが、京楽はそれを喜々として受けいれた。

気づけば季節も深まり、もう冬だった。

そして思いだす。

そういえば、今月は誕生日だったと。

いつも京楽からもらうのは、この前の年は翡翠の髪飾り、その前の年は翡翠の首飾り・・・・・あとは誕生日以外にも、とにかく翡翠ばっかりもたらっている気がする。

翡翠の石にもグレードがあり、京楽が贈ってくる翡翠は極上のもの。全部売りとばせば、屋敷が一件買えるだろう。

「おい、京楽」

「なんだい」

にょきっと復活した京楽は、想い人のためならきっとなんでもするだろう。

「今年誕生日祝いは、翡翠はなしで。金のかかったものもだめだ」

「えー」

「えーじゃない!毎年高価なものを贈られるこっちの身にもなってみろ。お返しが大変なんだからな!」

「お返しなんて、「浮竹」でいいよ」

京楽はベッドの上にたち、床に座っている京楽の脳天を蹴ってやった。

「きゅう」

目を回した京楽を無視する。


そして、今年も誕生日がやってきた。今年でいくつになるか忘れた。尸魂界の人間は、とにかく長い時間を生きる。
現世の人間の年齢でいうと、二十歳前後だろうか。

最も体が活性化する時期だ。今は3回生。6回生になり卒業したら、学院ともおさらばだ。

その日は、夜遅くまで浮竹のための祝宴が開かれた。友人の多い浮竹は、たくさんの贈り物をもらって嬉しそうだった。

京楽も皆にまじって飲んでいた。

酒宴場を貸し切ってくれたのも京楽だった。金持ちだからといっても、あまり任せきりにさせるのは申し訳なくて、浮竹は祝宴が終わると京楽を呼び出した。

「どうしたの?」

「今日は、その、ありがとう!」

背伸びして、口づける。その後、抱き締めた。

「うん。ありがとう」

そのまま自室に戻ると、京楽がこそこそとしだした。まだ0時は回っていなかった。

そういえば、今年はまだ京楽から誕生日プレゼントをもらっていない。今年の夏には、京楽に金もなかったので、一緒のベッドで眠り権利の券を1週間分あげたのを思い出す。

そんなものなら、いいと思ったのだが。

「ジャーン!ハッピーバースディ浮竹!今年の誕生日プレゼントは「僕」だよ!」

ご丁寧にラッピングリボンを巻いた半裸の京楽を、浮竹は蹴り上げた。すでにたっていた股間を。

「のああああああ!愛が痛いいいいいいいいい」

そのまま2発3発と蹴りをいれて、服をなんとかちゃんと着せて、ラッピングリボンでぐるぐる巻きにして、部屋の外に追い出した。

「私はすごい変態です」

とかかれた板を首からぶら下げた京楽は、次の日白目をむいた状態で発見された。

みんな、浮竹の親友の変態だと、京楽を見ては噂した。

京楽が意識を取り戻した時、たくさんの人に囲まれて笑われていた。

「浮竹、誕生日プレゼントの「僕」のどこが気に入らなかったんだい!」

ドアをあけて、浮竹が京楽に部屋に入る許可を与えた。、

「全部だ」

そう言って、浮竹は登校の準備をして一人で学院にいってしまった。

「一人じゃうごけないーー」

ラッピングリボンを通りかかった上級生に、お金を払ってとってもらい、午後から授業に参加する京楽の姿があったとかなかったとか。





拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(03/13)
(03/13)
(03/13)
(03/12)
(03/12)
"ココはカウンター設置場所"