飲み会
「もう、11月だな」
「そうだねぇ」
「もう少ししたら、クリスマスか」
「お、サンタになる?」
雨乾堂で、こたつでぬくぬくしていた二人は、みかんを食べながら、今後の計画について話あっていた。
「今年は京楽がサンタになれ。お前にサンタ服を作らせると、ふりふりのふわふわで嫌だ」
「いいじゃない、ふりふりのふわふわ。似合うよ」
「年を考えろ、年を」
「年なんて、考えだしたら何も着れなくなるよ?」
「少なくとも、ふりふりのふわふわを着る年齢ではない」
こたつがあったかくて、ついついそこから出ることができないでいた。
「こんな時に海燕がいればな・・・・・・」
「そうだね」
海燕が逝ってしまい、もう50年は経つだろうか。
少し悲しいきもちになって、浮竹は次のみかんに手を伸ばした。
「みかん、食べすぎじゃない?もう5つも食べてるでしょ」
「そっちだって、さっきので4個目だぞ。似たり寄ったりだ」
こたつは暖かくていいが、出れなくなってしまうのが難だった。
「12月は・・・僕がサンタになるか。だから、浮竹もサンタになってよ」
「ふりふりじゃなかったら、着てもいい。ふわふわは許す」
院生時代は、ふりふりふわふわのサンタ服をよく着せられていたが、あの頃は若かったし、見た目も中性的だったので、何とか見れたが今の年でふりふりのふわふわはきついものがあると、浮竹は思った。
「浮竹なら、今でもふりふりふわふわでもいけると思うんだけどなぁ」
「丈が長くてズボンもついているなら、ふりふりでも許す」
「えー」
「えーじゃない。去年は着なかったけどあのふりふりのスカートにニーソックス・・・まるっきり、お前の趣味全開じゃないか」
「浮竹なら似合うと思うんだけどなぁ」
「まず、俺が嫌だ。着たくない。いっそお前がきろ。ふりふりのふわふわで」
「ええっ!僕のふりふりのスカートにニーソックス姿をみたいの?」
「うわ、想像するだけできつい・・・・・」
なんとかこたつからぬけて、みかんが大量に入っている段ボール箱から、10個ほどみかんを籠の中にいれると、こたつの中に戻る。
「はぁ・・・こたつ。冬に、人間はいいものを思いつくものだ」
また、みかんを食べたす京楽と浮竹。ごみ箱は、みかんの皮だらけになっていた。
故郷からみかんが3つ分も段ボールで送ってこられて、どうしようかと思っていたが、この調子なら食べつくしてしまいそうだ。
「はぁ・・・・ここは、こたつがあっていいよね。僕も、執務室にこたつを設置しようとしたら、七緒ちゃんにダメだってとりあげられちゃった」
「隊首室に設置すればいいんじゃないか?」
「隊首室で寝泊まりしないからねぇ。雨乾堂に泊まらない日は、自分の屋敷に戻ってるし」
「屋敷には、こたつはあるんだろう?」
「勿論さ。みかんはないけど」
こうやって、ぬくぬくと過ごすにも相手が必要だ。一人だと、こたつに入っていても1時間もしないで出てしまう。
こたつで寝ると寝汗を大量にかくので、布団で眠るようにしている。
「そもそも、雨乾堂にこたつをもちこんだの誰なの?」
「ん?白哉だが、それがどうかしたのか?」
「朽木隊長か・・・見えないとこで、けっこう浮竹の世話焼いてるよね」
「そうか?お返しに、酒を大量に送ったんだが、飲んでくれただろうか」
結構高めな酒を用意して送ったのだが。
「さぁ、どうだろう。朽木隊長は、酒豪ではないし、飲む姿もあんまり見かけないし、飲み屋に誘ってもこないからねぇ」
「あれ、誘われたことないのか?高級店の居酒屋に何度が誘われて、一緒に飲んだことがあるぞ」
「僕は誘われなかったよ。浮竹との、個人の親しさの差だね」
「よし、今度は朽木隊長も誘って、高級店で飲もう」
「お、いいな。無論感情は京楽もちな」
「はいはい・・・・・・」
浮竹の給料では、仕送りと薬代で、高級店なんていけないのだ。
数日が経ち、浮竹が白哉を飲みに誘った。
高級店の居酒屋の名前をいうと、飲みにいくと約束してくれた。
すでに、京楽が飲んでいた。
「2名様入りまーす」
「あ、こっちこっち」
京楽の隣に浮竹が座り、浮竹の隣に白哉が座った。
「まぁ、好きなお酒飲んでよ。お金は僕が払うから。それとも、今飲んでる僕の酒、一緒に飲むかい?」
「兄の飲む酒は強いからな・・・・すまぬ、この酒を一人分。それからつまみはこれを」
つまみは、キムチだった。
辛い物好きな、白哉らしいといえばそうだが、さすがに辛過ぎないかと思った。
つまみが出された。
おそるおそる、浮竹がきむちを口にしてみる。
「これは辛いな!」
甘い果実酒をごくごくあおって、口直しをするほどの辛さだった。
「私は、これくらいなら平気だ」
「白哉は昔から辛いものが好きだからなぁ」
「浮竹は、甘いものが好きであろう」
「ああ」
「つまみは、これなどどうだ」
「お、よさそうだな。すみません、これ1つ」
3人は、深夜まで飲み明かした。
「あははははは、世界が廻ってるー」
「世界は平らだ・・・・・・・」
「あーどうしよ」
尸魂界に、タクシーがあればいいのにと、京楽は思った。
二人の酔っぱらいができあがった。しかも、二人とも見目がよく麗しい。隊長であるから大丈夫だとは思うが、不埒な輩に絡まれる可能性もある。
「とりあえず・・・浮竹も連れて、朽木邸にいくか」
「世界は平らだ・・・・・」
そればかりを繰り返す白哉を、朽木邸に送り届けた。
「に、兄様!こんなに酔っぱらって、しっかりしてください」
義妹のルキアが、白哉を介抱していた。ルキアに任せれば安心だろう。
「次は浮竹か・・・・・」
雨乾堂まで送り届けると、髪をひっぱられた。
「痛い、痛いから!」
「あはははは、お星さまがいっぱーい」
「ああもう、流石にこんな時間に清音ちゃんも仙太郎君もいないか・・・・・」
布団をしいて、酔っぱらった浮竹を寝かせた。
「あはははは。京楽のばーかばーかばーか」
ひげをひっぱってくる手を退けると、きょとんとした顔になった。
「こたつ星人め!みかんを食らえ!」
ぽいぽいと、段ボール箱に入っていたみかんを投げつけられて、そのまま京楽は退散した。
「こたつ星人ってなに・・・・・・」
浮竹は、酔うと笑い上戸になったりする。
かわいかったが、手を出すわけにもいかないし、介抱する前に多分寝る。
10分ほどしてから、雨乾堂の中を覗いてみると、浮竹は寝ていた。
「あーあ、こんなに脱ぎ散らかして」
足袋やら隊長羽織をぬぎちらかしていた。
布団にちゃんと寝かせて、毛布と布団をかける。
さらりとした白い髪を一房手に取って、口づける。
「おやすみ」
二人の酔っ払いは、幸せな夢をみながら、次の日には二日酔いを抱えるのであった。
「そうだねぇ」
「もう少ししたら、クリスマスか」
「お、サンタになる?」
雨乾堂で、こたつでぬくぬくしていた二人は、みかんを食べながら、今後の計画について話あっていた。
「今年は京楽がサンタになれ。お前にサンタ服を作らせると、ふりふりのふわふわで嫌だ」
「いいじゃない、ふりふりのふわふわ。似合うよ」
「年を考えろ、年を」
「年なんて、考えだしたら何も着れなくなるよ?」
「少なくとも、ふりふりのふわふわを着る年齢ではない」
こたつがあったかくて、ついついそこから出ることができないでいた。
「こんな時に海燕がいればな・・・・・・」
「そうだね」
海燕が逝ってしまい、もう50年は経つだろうか。
少し悲しいきもちになって、浮竹は次のみかんに手を伸ばした。
「みかん、食べすぎじゃない?もう5つも食べてるでしょ」
「そっちだって、さっきので4個目だぞ。似たり寄ったりだ」
こたつは暖かくていいが、出れなくなってしまうのが難だった。
「12月は・・・僕がサンタになるか。だから、浮竹もサンタになってよ」
「ふりふりじゃなかったら、着てもいい。ふわふわは許す」
院生時代は、ふりふりふわふわのサンタ服をよく着せられていたが、あの頃は若かったし、見た目も中性的だったので、何とか見れたが今の年でふりふりのふわふわはきついものがあると、浮竹は思った。
「浮竹なら、今でもふりふりふわふわでもいけると思うんだけどなぁ」
「丈が長くてズボンもついているなら、ふりふりでも許す」
「えー」
「えーじゃない。去年は着なかったけどあのふりふりのスカートにニーソックス・・・まるっきり、お前の趣味全開じゃないか」
「浮竹なら似合うと思うんだけどなぁ」
「まず、俺が嫌だ。着たくない。いっそお前がきろ。ふりふりのふわふわで」
「ええっ!僕のふりふりのスカートにニーソックス姿をみたいの?」
「うわ、想像するだけできつい・・・・・」
なんとかこたつからぬけて、みかんが大量に入っている段ボール箱から、10個ほどみかんを籠の中にいれると、こたつの中に戻る。
「はぁ・・・こたつ。冬に、人間はいいものを思いつくものだ」
また、みかんを食べたす京楽と浮竹。ごみ箱は、みかんの皮だらけになっていた。
故郷からみかんが3つ分も段ボールで送ってこられて、どうしようかと思っていたが、この調子なら食べつくしてしまいそうだ。
「はぁ・・・・ここは、こたつがあっていいよね。僕も、執務室にこたつを設置しようとしたら、七緒ちゃんにダメだってとりあげられちゃった」
「隊首室に設置すればいいんじゃないか?」
「隊首室で寝泊まりしないからねぇ。雨乾堂に泊まらない日は、自分の屋敷に戻ってるし」
「屋敷には、こたつはあるんだろう?」
「勿論さ。みかんはないけど」
こうやって、ぬくぬくと過ごすにも相手が必要だ。一人だと、こたつに入っていても1時間もしないで出てしまう。
こたつで寝ると寝汗を大量にかくので、布団で眠るようにしている。
「そもそも、雨乾堂にこたつをもちこんだの誰なの?」
「ん?白哉だが、それがどうかしたのか?」
「朽木隊長か・・・見えないとこで、けっこう浮竹の世話焼いてるよね」
「そうか?お返しに、酒を大量に送ったんだが、飲んでくれただろうか」
結構高めな酒を用意して送ったのだが。
「さぁ、どうだろう。朽木隊長は、酒豪ではないし、飲む姿もあんまり見かけないし、飲み屋に誘ってもこないからねぇ」
「あれ、誘われたことないのか?高級店の居酒屋に何度が誘われて、一緒に飲んだことがあるぞ」
「僕は誘われなかったよ。浮竹との、個人の親しさの差だね」
「よし、今度は朽木隊長も誘って、高級店で飲もう」
「お、いいな。無論感情は京楽もちな」
「はいはい・・・・・・」
浮竹の給料では、仕送りと薬代で、高級店なんていけないのだ。
数日が経ち、浮竹が白哉を飲みに誘った。
高級店の居酒屋の名前をいうと、飲みにいくと約束してくれた。
すでに、京楽が飲んでいた。
「2名様入りまーす」
「あ、こっちこっち」
京楽の隣に浮竹が座り、浮竹の隣に白哉が座った。
「まぁ、好きなお酒飲んでよ。お金は僕が払うから。それとも、今飲んでる僕の酒、一緒に飲むかい?」
「兄の飲む酒は強いからな・・・・すまぬ、この酒を一人分。それからつまみはこれを」
つまみは、キムチだった。
辛い物好きな、白哉らしいといえばそうだが、さすがに辛過ぎないかと思った。
つまみが出された。
おそるおそる、浮竹がきむちを口にしてみる。
「これは辛いな!」
甘い果実酒をごくごくあおって、口直しをするほどの辛さだった。
「私は、これくらいなら平気だ」
「白哉は昔から辛いものが好きだからなぁ」
「浮竹は、甘いものが好きであろう」
「ああ」
「つまみは、これなどどうだ」
「お、よさそうだな。すみません、これ1つ」
3人は、深夜まで飲み明かした。
「あははははは、世界が廻ってるー」
「世界は平らだ・・・・・・・」
「あーどうしよ」
尸魂界に、タクシーがあればいいのにと、京楽は思った。
二人の酔っぱらいができあがった。しかも、二人とも見目がよく麗しい。隊長であるから大丈夫だとは思うが、不埒な輩に絡まれる可能性もある。
「とりあえず・・・浮竹も連れて、朽木邸にいくか」
「世界は平らだ・・・・・」
そればかりを繰り返す白哉を、朽木邸に送り届けた。
「に、兄様!こんなに酔っぱらって、しっかりしてください」
義妹のルキアが、白哉を介抱していた。ルキアに任せれば安心だろう。
「次は浮竹か・・・・・」
雨乾堂まで送り届けると、髪をひっぱられた。
「痛い、痛いから!」
「あはははは、お星さまがいっぱーい」
「ああもう、流石にこんな時間に清音ちゃんも仙太郎君もいないか・・・・・」
布団をしいて、酔っぱらった浮竹を寝かせた。
「あはははは。京楽のばーかばーかばーか」
ひげをひっぱってくる手を退けると、きょとんとした顔になった。
「こたつ星人め!みかんを食らえ!」
ぽいぽいと、段ボール箱に入っていたみかんを投げつけられて、そのまま京楽は退散した。
「こたつ星人ってなに・・・・・・」
浮竹は、酔うと笑い上戸になったりする。
かわいかったが、手を出すわけにもいかないし、介抱する前に多分寝る。
10分ほどしてから、雨乾堂の中を覗いてみると、浮竹は寝ていた。
「あーあ、こんなに脱ぎ散らかして」
足袋やら隊長羽織をぬぎちらかしていた。
布団にちゃんと寝かせて、毛布と布団をかける。
さらりとした白い髪を一房手に取って、口づける。
「おやすみ」
二人の酔っ払いは、幸せな夢をみながら、次の日には二日酔いを抱えるのであった。
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