魔王と勇者と32
ひょんなことから、フェンリルの浮竹と浮竹を一日だけ交換することになった。京楽が言い出したのが原因だった。
魔神の京楽の元にいった浮竹は、つまれた洗濯物の山を見て固まる。
「俺は料理が少しできるくらいで、掃除洗濯はできないんだが」
『まぁものはためしでやってごらんよ』
魔神の京楽にそう言われて、とりあえず掃除をしてみるが、掃除する前とした後では、した後のほうがちらかっていた。
「え、エトナの光たちよ!」
浮竹は、エトナの力で人形を作りだし、それに掃除をさせる。
今度は綺麗に片付いた。
『ふふ、掃除洗濯苦手なんだね』
「魔王城にはメイドがたくさんいるから、仕事を奪うことになるから洗濯と掃除はあえてしていないんだ」
『へぇ、そうなの。で、そのエトナの力で洗濯もするの?』
「ああ。ルール違反か?」
『ううん。君の能力でやってるってことは、つまりは君がしているってことだから、合格だよ』
合格も不合格も最初からないのだが、浮竹はエトナの力を使って洗濯も終わらせて、夕飯作りにとりかかる。
「カレーでいいよな?」
『なんでもいいよ』
「カレーくらいなら、俺でも作れるから‥‥‥‥」
結果、ちょっとというかかなり辛いカレーができてしまったのだが、魔神の京楽は文句も言わずに全て平らげてしまった。
『疲れたでしょ。お風呂わかしてあるから、入って寝ていいよ』
「すまん。あんまり家事ができなくて。俺はメイドじゃないからまぁ仕方ないんだが」
『うん。ボクも、エトナの力をかりたとはいえここまでできるとは思ってなかったよ』
魔神の京楽は、そう言って浮竹の頭を撫でた。
「今頃、フェンリルの俺はどうしてるんだろうな?」
『多分、メイドさんたちの仕事奪ってるんじゃないかな』
「まぁ、メイドさんたちには休暇になって、たまにはいいか」
一方の魔王城では。
フェンリルの浮竹が、てきぱきと広い城を掃除して、メイドさんの仕事を奪っていた。
「フェンリルの浮竹、適当でいいからね?メイドさんたちもいるんだし」
『一度雇われたからには、完璧にこなしてみせるぞ?』
洗濯ものをして干すと、ベッドメイクをする。
『夕食を作りたい。厨房を借りる』
厨房にいたシェフたちは、愛らしいフェンリルの浮竹に追い出されて、途方にくれていた。
『今日はビーフシチューだ。京楽が好きなんだ』
完成したビーフシチューはとても美味だった。
「おいしかったよ。ありがとう」
『後片付けしてくるな?』
「うん。ああ、みんな、今日は休暇だと思って仕事しなくていいからね。フェンリルの浮竹が何から何までしてくれるから」
その言葉に、メイドもシェフも安堵する。
でかい風呂に湯をはって、京楽が入るとその後でフェンリルの浮竹も入った。
何気に泳いだ。
風呂の湯をぬき、風呂場を掃除しおえて、干していた洗濯物を取り入れてたたんで、その日は終了した。
「浮竹の部屋で寝るかい?」
『いいのか?勇者の俺の部屋で寝てみたい!』
「うん、かまわないよ」
浮竹の部屋は、何気にでっかいテディベアがあったり、けっこうかわいい部屋だった。
『ふふ、ベッドがふかふかで、勇者の俺の匂いがする』
その日は疲れていたのか、フェンリルの浮竹はすぐに寝てしまった。
次の日になって、魔神の京楽のいる古城に浮竹を交換しにいく。
『君のところの浮竹、けっこうやるね』
「え、そうなの。てっきり家事全然できないと思ってたんだけど」
『正確には本人がしたわけじゃないけど、エトナの力を使ってなんとかしていたよ』
「浮竹‥‥‥」
「知らん。フェンリルの俺、ご苦労様」
『えへへへへ、魔王の京楽の城ぴかぴかにしといたぞ』
浮竹は、フェンリルの浮竹の頭を撫でる。
フェンリルの浮竹は嬉し気に尻尾をぶんぶん振っていた。
「ねぇ、浮竹」
「知らん。俺を交換したくなるようなやつは、知らん」
「ごめんよおおおおお。ほんのでき心だったんだよ!フェンリルの君がどう家事をしているのか見たくて」
「見れたよかったな」
つーんとした態度の浮竹は、フェンリルの浮竹の頭をまた撫でる。
『昨日は、勇者の俺の部屋に泊めてもらったんだ』
「俺の部屋か?」
『おっきいくまのぬいぐるみとかあって、かわいい部屋だった』
「そうか」
浮竹は恥ずかしくて少し照れながら、フェンリルの浮竹の尻尾をもふる。
「仕方ない。帰るぞ京楽」
「機嫌なおしてくれたの?」
「つーん」
「ああ、浮竹まってよおおおお」
浮竹は京楽を置いて、転移魔法で魔王城に戻ってしまう。
『楽しかったかい、浮竹?』
『ん、ああ!メイドさんたちには、掃除の仕方とか教えておいた。勇者の俺の部屋にあったテディベアいいなぁ』
『同じもの、買ってあげるよ』
『ほんとか!?わーい』
魔神の京楽とフェンリルの浮竹の仲は変わらない。
一方、京楽は浮竹の機嫌を元に戻すまでに、半日かかるのであった。
魔神の京楽の元にいった浮竹は、つまれた洗濯物の山を見て固まる。
「俺は料理が少しできるくらいで、掃除洗濯はできないんだが」
『まぁものはためしでやってごらんよ』
魔神の京楽にそう言われて、とりあえず掃除をしてみるが、掃除する前とした後では、した後のほうがちらかっていた。
「え、エトナの光たちよ!」
浮竹は、エトナの力で人形を作りだし、それに掃除をさせる。
今度は綺麗に片付いた。
『ふふ、掃除洗濯苦手なんだね』
「魔王城にはメイドがたくさんいるから、仕事を奪うことになるから洗濯と掃除はあえてしていないんだ」
『へぇ、そうなの。で、そのエトナの力で洗濯もするの?』
「ああ。ルール違反か?」
『ううん。君の能力でやってるってことは、つまりは君がしているってことだから、合格だよ』
合格も不合格も最初からないのだが、浮竹はエトナの力を使って洗濯も終わらせて、夕飯作りにとりかかる。
「カレーでいいよな?」
『なんでもいいよ』
「カレーくらいなら、俺でも作れるから‥‥‥‥」
結果、ちょっとというかかなり辛いカレーができてしまったのだが、魔神の京楽は文句も言わずに全て平らげてしまった。
『疲れたでしょ。お風呂わかしてあるから、入って寝ていいよ』
「すまん。あんまり家事ができなくて。俺はメイドじゃないからまぁ仕方ないんだが」
『うん。ボクも、エトナの力をかりたとはいえここまでできるとは思ってなかったよ』
魔神の京楽は、そう言って浮竹の頭を撫でた。
「今頃、フェンリルの俺はどうしてるんだろうな?」
『多分、メイドさんたちの仕事奪ってるんじゃないかな』
「まぁ、メイドさんたちには休暇になって、たまにはいいか」
一方の魔王城では。
フェンリルの浮竹が、てきぱきと広い城を掃除して、メイドさんの仕事を奪っていた。
「フェンリルの浮竹、適当でいいからね?メイドさんたちもいるんだし」
『一度雇われたからには、完璧にこなしてみせるぞ?』
洗濯ものをして干すと、ベッドメイクをする。
『夕食を作りたい。厨房を借りる』
厨房にいたシェフたちは、愛らしいフェンリルの浮竹に追い出されて、途方にくれていた。
『今日はビーフシチューだ。京楽が好きなんだ』
完成したビーフシチューはとても美味だった。
「おいしかったよ。ありがとう」
『後片付けしてくるな?』
「うん。ああ、みんな、今日は休暇だと思って仕事しなくていいからね。フェンリルの浮竹が何から何までしてくれるから」
その言葉に、メイドもシェフも安堵する。
でかい風呂に湯をはって、京楽が入るとその後でフェンリルの浮竹も入った。
何気に泳いだ。
風呂の湯をぬき、風呂場を掃除しおえて、干していた洗濯物を取り入れてたたんで、その日は終了した。
「浮竹の部屋で寝るかい?」
『いいのか?勇者の俺の部屋で寝てみたい!』
「うん、かまわないよ」
浮竹の部屋は、何気にでっかいテディベアがあったり、けっこうかわいい部屋だった。
『ふふ、ベッドがふかふかで、勇者の俺の匂いがする』
その日は疲れていたのか、フェンリルの浮竹はすぐに寝てしまった。
次の日になって、魔神の京楽のいる古城に浮竹を交換しにいく。
『君のところの浮竹、けっこうやるね』
「え、そうなの。てっきり家事全然できないと思ってたんだけど」
『正確には本人がしたわけじゃないけど、エトナの力を使ってなんとかしていたよ』
「浮竹‥‥‥」
「知らん。フェンリルの俺、ご苦労様」
『えへへへへ、魔王の京楽の城ぴかぴかにしといたぞ』
浮竹は、フェンリルの浮竹の頭を撫でる。
フェンリルの浮竹は嬉し気に尻尾をぶんぶん振っていた。
「ねぇ、浮竹」
「知らん。俺を交換したくなるようなやつは、知らん」
「ごめんよおおおおお。ほんのでき心だったんだよ!フェンリルの君がどう家事をしているのか見たくて」
「見れたよかったな」
つーんとした態度の浮竹は、フェンリルの浮竹の頭をまた撫でる。
『昨日は、勇者の俺の部屋に泊めてもらったんだ』
「俺の部屋か?」
『おっきいくまのぬいぐるみとかあって、かわいい部屋だった』
「そうか」
浮竹は恥ずかしくて少し照れながら、フェンリルの浮竹の尻尾をもふる。
「仕方ない。帰るぞ京楽」
「機嫌なおしてくれたの?」
「つーん」
「ああ、浮竹まってよおおおお」
浮竹は京楽を置いて、転移魔法で魔王城に戻ってしまう。
『楽しかったかい、浮竹?』
『ん、ああ!メイドさんたちには、掃除の仕方とか教えておいた。勇者の俺の部屋にあったテディベアいいなぁ』
『同じもの、買ってあげるよ』
『ほんとか!?わーい』
魔神の京楽とフェンリルの浮竹の仲は変わらない。
一方、京楽は浮竹の機嫌を元に戻すまでに、半日かかるのであった。
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