忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
02 2025/03 3 7 89 10 11 12 13 14 1516 17 18 19 20 21 2223 24 25 26 27 28 2930 31 04

日番谷隊長の受難Ⅵ

浮竹がいるだけで、まるでそこは陽だまりのようで。
太陽のようだと思った。ぽかぽかしていて、優しい気分になれる。

でも、いい加減にしてくれと日番谷は思った。

浮竹がぱったり来なくなったことが寂しくて、いつでも遊びに来いとは確かに言った。でも、できれば浮竹単体がよかった。
浮竹の隣には、べったりと京楽が寄り添っていた。

「聞いてくれ、日番谷隊長」

嫌な予感がしながらも、日番谷は愛用している茶飲みから、茶をすする。

「京楽が1週間に3回しようとするんだ。俺は1回でも十分なのに」

ブーーーー!

日番谷は、お茶を吹き出していた。

「な、なんの話をしてやがる」

「いや、体を重ね合わせるのって結構体力がいるだろう?」

「知るか!」

氷輪丸に手をかける。でも、自制した。

「そういことは、京楽に言いやがれ」

「何度も言った。なのに、週に3回は譲れないって・・・・」

「浮竹ぇ、僕は週3回でも少ないと思っているんだよ」

「京楽隊長の言う通りですよ浮竹隊長!愛しあってるなら、週3くらい当たり前じゃないですか」

「松本副隊長まで・・・・・」

「乱菊ちゃんの言う通りだよ、浮竹。僕たちは恋人同士なんだし、週に3回くらいしてもいいじゃないの」

「でも、もうそんなに若くないんだぞ」

「僕らはまだまだ現役じゃない」

京楽が、被っていた笠をくいっとあげて、浮竹の長い白髪をつかんで口づける。

「俺の体がもたない」

「君が臥せった時や体調の悪い時は1か月だって手を出さない時があるじゃないか。その時の分までと思えばいいよ」

「だからって1週間に3回はないだろ!せめて週2にしろ!」

「週2ならいいんだ。その言葉しっかりと受け止めたからね」

「え?」

ああ、浮竹は墓穴を掘ったな。

日番谷は思った。

「じゃあさっそく今日の夜から。来週までに、今日の夜をあわせ2回ね」

「え、え、え?」

まだ混乱している浮竹を残して、京楽は指でOKサインを出していた。それに応えているのは松本だった。

はめられやがった・・・・。

日番谷は言葉にしない。浮竹が哀れで、その頭を撫でた。

「日番谷隊長!」

かすかに涙をためながら、浮竹が抱き着いてくる。

ふわりと甘い花の香がした。

「浮竹は、何か香水でもつけているのか?」

「いや?何もつけていないが」

シャンプーか石鹸の匂いかと思ったが、不思議なことにそうではないらしい。

それが浮竹の香なんだと思った時には、花天狂骨が、日番谷の首筋を撫でていた。

「日番谷隊長・・・・・浮竹に手を出すのは、許さないよ」

「手なんてだしねぇ」

「じゃあその手はなに?」

日番谷の右手はいつの間にか浮竹の頬にそえられており、浮竹はそれにすり寄っていた。

「おい、浮竹!」

「日番谷隊長、助けてくれ・・・・・・」

「いや、無理だ」

はっきりそう言って、抱き着いてくる浮竹を、とんと肩を押して京楽のほうにやる。

「きゃー浮竹隊長と隊長のからみ写真、とっちゃった!」

「今すぐ消せ、松本」

「ぶー。いくら隊長の頼みでも聞けません」

そういって、携帯をいじって女性死神協会のメルアドに転送してしまった。

「松本おおおおおお!」

「きゃあああああああ!逃げるに決まってるわよ、こんな時は!」

松本が瞬歩で逃げ出した。

「週2なんてあんまりだ、京楽」

「もう無駄だよ。あんまり我儘いうなら、週3にするよ?」

「週2でいい・・・・・・・」

がくりと、肩を落とす浮竹をみる。

嬉しそうな京楽の瞳と、目が合う。

「日番谷隊長が、証人だからね」

「俺を巻き込むな」

「浮竹、大好きだよ・・・・」

「きょうら・・・・・ああっ」


「蒼天に座せ、氷輪丸ーーーーーーー!!!」

氷の龍は天高くまで昇っていった。

拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(03/06)
(03/05)
(03/04)
(03/04)
(03/02)
"ココはカウンター設置場所"