忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
10 2024/11 14 2324 29 30 12

結婚してもルキアのとりあい

いよいよ、ルキアとの結婚式の日がやってきた。

一護は、朽木家の家紋の入った衣装で正装していた。

ルキアが、部屋に入ってくる。

広い1番隊の執務室で、婚礼をあげることになった。

白哉に付き添われて、白いウェディングドレスのルキアが、金糸銀糸の刺繍の麗しいウェディングベールをかぶりながら、やってくる。

美しかった。時を凍りつかせることができるなら、そうしたいと思ったほどだった。

やがて、ルキアは白哉から離れて、一護の隣にそっと立った。

この時のためにと、流魂街で最近やってきた元神父を雇い入れた。

「汝、朽木一護、あなたは病める時も健やかなる時も、朽木ルキアを伴侶とし、愛することを誓いますか?」

「誓います」

「汝、朽木ルキア、あなたは病める時も健やかなる時も、朽木一護を伴侶とし、愛することを誓いますか?」

「誓います」

結婚指輪を交換しあった。大前田の宝石店で買った、ピンクダイヤをあしらった指輪だった。

ルキアのウェディングヴェールを、そっとあげて、顔を露わにする。

「すげー綺麗だ、ルキア」

「ふふ、そういう一護もかっこいいぞ」

口づけを交わした。

「ひゅーひゅー」

「おめでとう」

「おめでとうございます」

全ての隊長副隊長が参加してくれた。

「ルキア、幸せに」

白哉は、この時ばかりは素直だった。

その後は祝賀会ということで、白哉が朽木家の料理人が作った料理を、立食会という形で振る舞った。酒も、高級酒を用意されてあった。

13番隊は、席官も訪れていて、仙太郎などは自分のことのように泣いていた。

ルキアは、ウェディングブーケをもっていた。

それを投げると、わざわざこの世界まできてくれた井上の手におちた。

「朽木さん、黒崎君とお幸せに!」

石田と茶虎もきていた。

「黒崎君が死んで、すごく悲しかったけど、死神として生きててくれて嬉しい」

井上は、泣きまくった。

自分の死後、現世にはいっていなかった。

死神として生きていると連絡を入れたのは最近だ。父親も双子の妹も、驚きながらも喜んでくれた。

井上は、動画を撮影していた。

一護の父親や双子の妹たちに見せるためだ。

一護は、笑ってルキアと並んで、酒を飲んだ。高級酒だけに、美味かった。

「ルキア、幸せになろうな?」

「ああ、一護」

二人は、キスをした。

「見せつけてくれるのう」

「夜一さんもきてたのか。浦原さんまで」

「いやー、黒崎さんが、まさか朽木さんになるなんて、思ってもみませんでした」

夜一の後ろから、砕蜂が顔をだして、夜一を式を挙げたいとだだをこねだしたが、夜一が頭をなでると、「ああ、夜一様・・・」といって、陶酔の世界に浸ってしまった。

やがて、式も終わり、二次回になった。場所は朽木邸。

朽木邸でも、御馳走と美酒が振る舞われる。入りきれなかった席官以外の平隊士も参加できるので、結婚式の時よりも人は多かった。

「さすがに、飲みすぎたか・・・・」

まだウェディングドレス姿のルキアの頬が朱くなっていた。

「大丈夫か、ルキア」

「少し、夜風に当たってくる」

「俺も行く」

二人きりになって、笑いあった。

「俺とお前が結婚するなんて、誰も思わなかっただろうな」

「そうであろうな。貴様は人間で死神ではなかったのだから。しかし、一度死んで死神になる死神代行など、聞いたこともない」

「まぁ、俺も18で死ぬなんて思ってなかったけど。あのまま現世にいたら、多分井上と結婚していた」

「私もだ。貴様が死神としてやってこなければ、多分恋次と結婚していたであろう」

お互い、あるべき運命を覆したのだ。

そのきっかけは、一護の現世での死だった。

普通、死は悲しいはずであるが、尸魂界に魂魄としてやってきた一護は、霊圧を保ったまま死神化できた。

そのままでも十分であったが、死神として尸魂界でやっていくために、わざわざ真央霊術院まで通い、ルキアの副官となった。

「これからもよろしくな、ルキア。今日の夜、いいか?」

「何をだ?」

「抱いていいかって聞いてるんだよ」

「なななななな、い、いいぞ・・・・・恥ずかしい!今、死ぬほど恥ずかしい」

「照れたルキアもかわいいな」

ルキアを抱き上げた。

もうそろそろ、二次回もおしまいだった。

人もまばらになった朽木邸で、ルキアを降ろす。

「行こう、ルキア」

「ああ」

朽木邸に入り、与えられた寝室で、互いに衣装を脱がしあった。

「愛してる、一護」

「俺も愛してる、ルキア」

婚礼と同時に、睦みあうことも許可されていた。

二人は何度も口づけあいながら、体を重ねた。



「ふあー」

次の日、寝坊した。

だが、念のために1週間は休暇をとっておいたので、一護は眠たい目をこすりながら、ルキアを起こす。

「ルキア、起きろ、朝だぞ」

「ん~。一護、もうキスはいい・・・むにゃむにゃ」

「おい、ルキア」

「はっ!白玉餡蜜は!?」

「なんの夢みてたんだ、お前」

「夢か・・・・一護が、白玉餡蜜の中にいて、キスばかりしてくる夢を見た」

「欲求不満か?」

「たわけ!ちちちち、違う!」

そっとルキアの顎に手をかけて、口づける。

「一護!」

「いいじゃねぇか。俺たち、新婚さんなんだ。甘ったるい雰囲気があってもいいと思う」

「そ、それもそうだな」

互いに下着姿であることに気づいて、朱くなりながらいつもの死覇装を着る。他にも服はあったが、着慣れたこの服が一番しっくりときた。

「遅いぞ、二人とも」

白哉が、何故かいた。

「なんで白哉がいやがんだ」

「ルキアの結婚とその後を見守るために、数日の休暇をとったまで」

「くそー、ルキアといちゃいちゃラブラブの計画が!」

遅めの朝餉の支度がされた。

今回は、一護も普通にメニューだった。数日続いた猫まんまじゃなくて、一護も安心した。

「そうだ、兄様。兄様と一護と私の3人で、現世に新婚旅行にいきませんか」

「ルキア、新婚旅行に兄は普通誘わない!」

「え、でも私は常に兄様のお傍にいたい・・・・・」

「白哉ぬきで、新婚旅行に行こう!」

「待て」

ぎくり。

「私も行く」

「兄様!」

ルキアが目を輝かせた。義兄連れの新婚旅行ってどうなんだよ・・・・そう思いながらも、嬉しそうなルキアの顔を曇らせたくなくて、一護もその条件を飲んだ。

「わーったよ。白哉も連れて行けばいいんだろ」

「一護、よいのだな?」

「二言はねーよ」

白哉が、二人を微笑ましそうに見る。

そんな白哉を見たのははじめてで、一護はぽかんとしていた。

「白哉、熱でもあるのか?」

額に手を当てるが、平熱だった。

「兄は・・・まぁいい。ルキアとの新婚生活に、なるべく邪魔はすまい」

「だったら、新婚旅行になんでついてくるんだよ」

「それはこれとは別だ」

「納得いかねぇ・・・・」

ばちばちと、視線で火花を散らしあう二人。

「ルキアは渡さねぇ!」

「それはこちらの台詞だ!」

結婚式をあげても、白哉は白哉であった。ルキアの傍からいなくなることはないのだろう。

一護は、それでも一応は新婚旅行になるので、仕方なしに白哉も連れて、大阪にでも食道楽あたりにでもいこうかなと、考えるのだった。




拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(11/28)
(11/28)
(11/27)
(11/26)
(11/25)
"ココはカウンター設置場所"