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小説掲載プログ
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終章

ルキアは、男児を出産した。

一勇と名付けられた。

「ああ、一勇よしよし」

泣きじゃくる赤子を、あやすルキア。子をまた成したのに、少し胸は大きくなったが、細い体がは相変わらずだった。

苺花が、一勇をのぞきこむ。

「この子、私の弟なの?」

「そうだぞ、苺花」

「あんまり私に似てなーい」

「父親が違うからな」

「四楓院の父様も優しかったけど、今の父様も好きー」

その言葉に、一護がでれる。

「苺花、いい子だな。飴ちゃんあげるぞ」

「わーい」

苺花は、5歳になっていた。実の父ではないが、一護によく懐いた。

「苺花を、死神にするための初等部に通わせようと思うのだが、どう思う?」

「いや、いいんじゃねーか?俺たちが仕事中、女中とかに面倒見てもらってるのが現状だし・・・初等部にいって、読み書きも計算もできるけど、同い年の友人を作るいいチャンスだろ」

「そうなのだ。このままでは、苺花に同い年くらいの友人ができるのは、真央霊術院になってからになってしまう。幼いうちから、友達がいないのは悲しいからな。まぁ、女中の子らと遊ばせてやっているが」

こうして、苺花は初等部に通うことになった。

一勇を、仕事中は、雇った乳母に世話をさせた。

ルキアは、13番隊の隊長になっていた。一護は、副隊長だ。力の順であれば、一護が隊長であろうが、隊長としての職務などがわかっていないため、副官の座についた。

真央霊術院を卒業せず護廷13隊入りした、珍しい例となった。更木剣八とは違うが、それと似たようなもので、力をもっていると周囲に認知された。

「ルキア、好きだぜ・・・」

「私も好きだ、一護・・・・」

その年の夏、一護とルキアは、遅いが式を挙げた。

一護たっての望みで、和風も洋風も、どちらも取り入れた式になった。

始めは白無垢で。次に化粧直しをしてウェディングドレスを。

ルキアの指には、エンゲージリングが光っていたが、ちゃんとしたダイヤモンドをあしらった、結婚指輪を一護は自分の給料で用意した。

ルキアと指輪を交換しあい、誓いの台詞を口にして、キスをした。

式には、恋次や一角、弓親といった親しい死神から、大戦を経て新しく隊長副隊長に就任した者たちも出席してくれた。

朽木家での披露宴だったので、豪華な食事と酒が振る舞われた。

「苺花ちゃんお母さん綺麗~」

苺花の友達も数人きてくれていた。

流石に子供なので、2次会まではいけなかったが。

ルキアと一護は、幸せだった。

子にも恵まれて、幸せを噛みしめていた。

一度、その関係は粉々に崩れた。だが、また築き上げられた。

「一護、ブーケを投げるぞ」

「うむ、苺花、受け取れるなら受け取れ」

投げたブーケは、七緒の手に落ちた。

「あれぇ、七緒ちゃん、七緒ちゃんもそろそろ実を固めないとってことかなぁ」

総隊長である京楽が、苦笑を零した。

「まず、総隊長であるあなたが身を固めてください。この前も、縁談ほうりだして!」

「いやぁ、浮竹に悪いからね。あの子と約束してたんだ。結婚するなら、一緒に式をそれぞれ挙げようって」

今は亡き、13番隊隊長浮竹十四郎の存在を、知らぬ者ももうでてきた。

苺花のような、大戦後に生まれた命には、歴史として教えられるだけだ。

「ルキア、今俺はすでに幸せだけど、もっと幸せになろうな」

「ああ。貴様と、いつまでも一緒だ。勿論、苺花と一勇も」

一護は、ルキアとの間にさらに二人の子をもうけることになる。

それは、遠い未来のお話。



          隠していた想い

            fin



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