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うなじ

髪に隠れて見えないからと、京楽は浮竹のうなじにキスマークをたくさん残していた。

ほとんど熱におぼれきっていた浮竹は、そのことに気づいていなかった。

春水、春水と目に涙をためながら求められた。

そんな浮竹がかわいくて、つい自分のものだという証を残したくなった。

うなじならいいだろうと考えていただのだが、連日の暑さで浮竹は髪を結いだした。

「浮竹、だめだよ髪を結っちゃ!」

「どうしてだ?」

「君は髪を結わないほうが似合ってるから」

「暑いんだ」

再び髪を結い上げようとする浮竹を抱き寄せて、額に触れるだけのキスをする。

「なんなんだ」

「その・・・ね。昨日君のうなじにいっぱいキスマーク残しちゃったから。髪を結うとそれが見えて、いろいろ困ると思って」

京楽の言葉に、浮竹が真っ赤になる。

「な、見えるかもしれない場所に痕を残すなとあれほど!」

「だって君があまりにもかわいいから」

「かわいいっていうな!」

浮竹はぽかぽかと京楽を殴る。

じゃれあっているようで、京楽はキスマーク残してよかったかもと思った。

浮竹は怒っているが、本気では怒っていない。

「君がかわいいからいけないんだよ」

「俺はかわいいんじゃなくてかっこいいんだ」

そう言い張る浮竹は、頬を赤くしてかわいかった。

「今度うなじにキスマーク残したら、禁欲2週間だ」

「そんなぁ」

そう言いながらも、浮竹はまたうなじにキスマークを残されて、禁欲2週間といっておいたのに、1週間もしないうちに京楽に押し倒されて抱かれてしまうのであった。

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