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うなじ2

「隊長、うなじのとこキスマークいっぱい残ってますよ」

暑いから髪を結い上げると、海燕にそういわれた。

「あのエロ魔人が・・・・!」

浮竹と京楽の仲を知っている海燕は、特別何かを注意するわけでもなかった。でも、その姿で外に出られてはたまらないと、浮竹の結った髪を元に戻す。

「外出るなら、髪は結わないでくださいね。普通に背中に流していたら見えないですから」

「海燕・・・あいつ、どうにかならないか?見えるかもしれない場所にキスマーク残すなって言ってるのに、残すんだ」

「隊長の手に余るのを、俺がどうにかできるわけないじゃないですか」

それもそうだなと、浮竹はため息をついた。

「浮竹、遊びにきたよ」

「京楽、お前はまたうなじにキスマーク残したな!うりゃ!」

浮竹からラリアットをくらって、京楽は畳の上に転がった。

「あははは、ばれちゃった?」

京楽は、反省のかけらもなく笑っていた。

「お前は、何度見えるかもしれない場所にキスマーク残すなといえば、分かるんだ」

「だって、うなじはいつも髪で隠れるじゃない」

「この暑い季節、この長い髪は結うんだ。いっそ切ってしまおうか」

その言葉に、京楽が浮竹の手を握る。

「だめだよ、浮竹。せっかくここまで伸ばして綺麗に保ってるのに、髪を切るなんて。伸びた分は僕が切ってあげるから、髪は他のやつにさらわせないで」

「京楽・・・・」

「はいはい、ラブシーンなら他所でやってくださいね」

海燕が、そう声をかけてくる。

「キスマークはね、僕の君への愛の証なの」

「愛の証・・・」

ああ、だめだ。

隊長、言いくるめられてる。

海燕は京楽の頭をハリセンで叩いた。

「愛の証でキスマークとか、俺も隊長のキスマークが他にばれないか冷や冷やするんだから、ほどほどにしておいてくださいね」

「海燕君、ひどいなぁ」

「自業自得ですよ」

「浮竹、海燕君がいじめる」

京楽は、浮竹の後ろに隠れた。

「海燕、だめだぞ仲良くしないと」

すっかりほだされた浮竹の頭を、海燕はハリセンでスパンと叩いた。

「あんた、キスマークのこと怒ってたでしょう!その怒りはどこにいったんですか!」

「はっ、そうだった!おい京楽!」

「うなじがだめなら、鎖骨ならいいよね」

「んあっ・・・・」

浮竹の死覇装を少し脱がして、浮竹の鎖骨にキスマークを残す京楽に、海燕がスパンとハリセンで叩いた。

「朝っぱらから盛るな!」

「えー。キスマークを残すくらいいいじゃない」

「あんたの場合、それだけじゃ終わらないから言ってるんです!」

「んっ」

海燕を無視して、京楽は浮竹に口づける。

「あんたねぇ」

海燕は、ハリセンを構えた。

「朝から、盛るなと、言ってるんです」

バシバシバシと、ハリセンで頭をはたかれて、京楽は降参した。

「もう、分かったよ。続きは今日の晩に・・・ね、浮竹、いいでしょ?」

浮竹は、キスの余韻でぼーっとしていたが、京楽の言葉に頷いた。

「あ、ああ。いいぞ」

「隊長も、いやならちゃんと断ってくださいよ」

「浮竹が嫌がるわけないじゃない。僕との愛を邪魔しないでよ」

「あんたはいっぺん、禁欲1カ月くらい経験すべきです」

「1カ月も禁欲してたら、しおしおになっちゃうよ!」

「しおしおになったらどうですか」

「海燕君酷い!こんなにも君を好きなのに!」

海燕はさぶいぼが立つのは自分でもわかった。

「新しい嫌がらせか・・・・」

「ふふふ」

「京楽、海燕はやらないぞ。海燕は俺の副官なんだからな!」

「あーはいはい。茶でもいれるので、飲んでください」

海燕は茶を3人分いれて、おはぎを出した。

浮竹は、おはぎの虜になっていて、もう先ほどのやりとりをすっかり忘れていた。

海燕も、おはぎが好きだ。もともと浮竹が好きで一緒に食べる機会が増えたせいで、好きになってしまった。

「隊長を泣かせないでくださいね」

海燕は、おはぎを食べている京楽に釘をさす。

「褥では泣かせるけどね」

「あんたは・・・・」

セクハラまがいの発言に、ハリセンで頭をスパンと叩いた。

「海燕君、上司をハリセンで叩くのはどうかと思うよ」

「あんたと隊長は、ハリセンで叩いていいって山本総隊長から許可もらってるんで」

「ええ山じいから!?山じい、酷い!」

許可証を見せると、京楽は海燕のハリセンを奪おうとしたので、海燕は逃げる。

「ハリセン奪っても、予備はたくさん家にありますから!」

「むきーーーー」

やけになた京楽と、雨乾堂で追いかけっこをする。

浮竹は茶をすすりながら。

「平和だな」

そう言って、京楽と海燕に。

「「どこが(ですか)」」

と突っ込まれるのであった。

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