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君と過ごした最後の日

あと1日だからと。

そう言って、君は僕を雨乾堂にあげてくれた。

明日には神掛を行う。

君はそう強く決めていた。

きっとではなく、100%死ぬだろう。

それでも、君は死神の矜持をもって、挑むだろう。


僕はその日1日中、ただ何もせずに君を抱きしめていた。

「今日の1日は、お前にくれてやる」

「じゃあ、抱かせて」

「いいぞ。先に風呂に入るか?」

「ううん、そっちの抱くじゃない。ただ、君をこうして抱きしめてたいんだ」

ぎゅっと力をこめて君を抱きしめると、君は困ったように微笑んだ。

君もまた、力強く僕を抱きしめてくれた。

君の体温は少し高くて、熱があるのではないかと思えば、案の定少し熱があるようだった。

でも、君の命は明日には果てるから。

僕は君を離さない。

時間が経ち、いつの間にか抱きしめ合ったまま寝てしまったようだった。

「お別れだ。長生きしろよ」

そういって、君のぬくもりが去っていく。

君は、とても綺麗な顔で微笑んだ。

「後追いなんてするなよ!」

分かってるよ。

僕は、総隊長なんだから。



君の最期を見届ける。

君は見事に本懐を成し遂げて果てた。

冷たくなっていく君の体を抱きしめる。

涙が零れた。


ねぇ。

君の墓は、雨乾堂を取り壊して作ろうと思うんだ。

あそこは、君の居場所だから。


「愛してるよ・・・・・」


唇に唇でふれると、血の味がした。

君を抱き上げる。


さぁ、まだ戦いは終わっていない。

君のためにも、僕も尸魂界を守らないと。


ねぇ。

本当は、君を失いたくなくて、神掛をさせたくなかった言ったら、君は笑うかな?それとも、悲しむかな?

君を失いたくなかった。

君に置いていかれたくなかった。


でも、もうどうしようもない。

ただ誓えるのは、君の分まで生きようという願い。

君の最後の微笑みを、僕は永遠に忘れないだろう。

君の名は、浮竹十四郎。

京楽春水、総隊長である僕が唯一愛した人。









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