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え、生きてる?5

虚圏にいた頃は、京楽がちょくちょく会いにきてくれたから、寂しくはなかった。

むしろ、霊王宮に居た頃のほうが、寂しかった。

こちら側からでは京楽のことは見えるのに、会えない。

京楽は、言葉通り浮竹を拉致した。

現世ではなく、あえて虚圏という誰もが思いつかない世界に匿った。

「朝だよ、浮竹」

「んー、あと10分・・・・・」

「出勤の時間だよ?」

「わあああ、それを早く行ってくれ!飯は一番隊隊舎についたら、簡単なのを食べる」

「そう言うだろうと思って、おむすび作ってもらっておいたよ」

「ありがとう、助かる」

真新しい死覇装に袖を通して、浮竹は京楽の補佐として、今日も京楽の隣にいる。

「さぁ、今日もばりばり仕事するぞ」

「ほどほどにね・・・・君が手伝ってくれるるようになってから、書類の仕事が増えて増えて、君がいなかった間苦労したよ」

浮竹は、桜の咲きはじめた京楽の館を出て、小走りに歩く。

それから、京楽に振り向いた。

「俺を、あの鳥かごから助けてくれてありがとう」

「どういたしまして」

「俺には、まだ霊王の残滓が残っている。多分、一生消えない。それでも、傍にいてくれるか?」

「もちろんだよ。君の傍で、君と同じ時間を生きて、死んでいく」

「死ぬのは、千年以上先かもな!」

浮竹は朗らかに笑い、京楽と手を繋いで歩きだす。

霊王には、新しい流魂街出身の子がなった。

悪いことをしたと思っているが、流魂街での暮らしよりは、霊王としての暮らしのほうがましだろう。

「きゃあ、元霊王様よ」

「すてき。元霊王様と、その旦那様の総隊長よ」

仲を隠さなかったので、浮竹と京楽は瀞霊廷でも有名なカップルになっていた。

元霊王だからと、浮竹に懸想するバカがいれば、京楽が記憶いじったりして、ライバルが出ないようにした。

「春の天気は、心地いいな」

「春でも、まだ寒いでしょ。ほら、隊長羽織かしてあげるから」

「ありがとう」

浮竹と、京楽は、ゆっくりと歩んでいく。

霊王として蘇りを果たして、それを放棄しても、命は奪われなかった。

霊王の残滓が、残念だ残念だと泣くが、浮竹は無視する。



仕事もおわり、帰って食事も湯浴みも終わり、夜になった。

「その、いいかい?」

「今更聞くな」

「じゃあ、抱くね」

京楽は、何千回と抱いてきた浮竹の肌を吸い上げる。

衣服を脱がして、浮竹のものを口に含むと、浮竹は京楽の黒い意外と柔らかな髪を掴む。

「あ、もうだめだ。いっちゃう」

「いいよ。僕の口の中に出して」

「ああああ!!」

びくんと浮竹の体が反応して、浮竹は精液を京楽の口の中に吐き出していた。

「あ、だめえええぇぇ」

京楽は、浮竹のものをしゃぶりながら、ローションにまみれた指を蕾にいれて、浮竹のいい場所をこりこりと指で刺激してやった。

「ひああああ!」

浮竹は、中いきと射精を同時にして、息を乱した。

「あ、春水、来い」

「うん」

浮竹は、唇を舐めて、自分から足を開く。

京楽は、そそり立つもので、浮竹を貫いた。

「あああ、奥まで、きてる!ひゃん」

「ふふ、奥、好きでしょ?」

「やああ、奥、ごりごりしないでえええ」

京楽は、浮竹の言葉通り、奥に入らず浅い位置で挿入を繰り返す。

「やああ、もっと、もっと欲しい。奥に、奥にちょうだい!」

「十四郎、かわいい」

「やああん」

浮竹は、京楽の肩に噛みついた。

「いたたたた」

「意地悪するな」

「分かってるよ」

奥をごりっと抉ると、浮竹ば背を弓なりにそらせて、オーガズムでいっていた。

「あ、あ、波が、またくるう。ああああ!!」

胎の最奥で出された京楽の白濁した液体を、浮竹は自分の体で受け止める。

「ひゃあああん、孕む、子供できちゃう!」

「子供、たくさんほしいね。涅隊長に頼んだら、ほんとにできちゃいそう」

「やあああ、子供なんてできたら、京楽をとられる」

浮竹は甘い啼き声をあげながら、京楽のものを締め付ける。

「君の中は、いつも熱くてて気持ちいい」

「あ、あ、もっときもちよくなって、俺もきもちよくしてくれ」

体位を変えて、背後から貫いた。

「あああああ!」

浮竹は、前より更に長くなった白髪を乱す。

「ねぇ、浮竹、髪切らないの?」

「願掛けだ。お前と1年一緒に過ごせたら、切る」

「もう、あと半年だね」

「んああああ!」

京楽の逞しいものに貫かれて、浮竹は中いきと同時に射精していた。

「やああああ、止まらない」

ぷしゅわああと、潮をふいてしまった。

「エロ・・・・ご褒美に、たくさん子種あげるね?」

「あ、ちょうだい、春水のザーメン、俺の胎に」

浮竹は、目をトロンとさせて、正常位に戻ると、京楽の背に手を回し、背中をひっかいた。

「いたたたた」

「マーキング」

くすりと、浮竹が笑う。

妖艶で、とても美しかった。



「今日は休む」

「そうだね。ちょっと無理させすぎちゃったね」

珍しく仕事を休むと言い出した浮竹に、ならばと京楽も、最近休暇をとっていなかったので、休むことにした。

「囲碁をしないか」

「いいよ」

「その後は花札、カルタ、将棋、麻雀・・・・・・」

「したいこと、いっぱいあるね」

「霊王宮に居た頃は暇で、侍女とそんな遊びばかりしていたら、クセになってしまった」

「ボクは、君ともう離れない。逝く時は、一緒だよ」

「俺は、霊王のなりそこないだ。長く生きるかもしれないから、その辺は涅隊長と相談する。一緒の時を、生きたいから」

浮竹は、京楽を見つめた。

京楽は、懐から指輪を取り出した。

「何、これ」

「エンゲージリング・・・・のつもり」

「ふふ・・・京楽が、どんな顔してこれを買ったのか想像できて、笑える」

京楽は、浮竹の指に指輪をはめた。

「ボクの分は、君がはめて?」

「ああ」

指輪を交換し合い、キスをした。

結婚式を挙げるつもりはなかったけれど、籍はいれるつもりだった。

苗字は変わらないが。

「永久(とこしえ)の愛を君に」

「永久の愛を、お前に」

二人は、二人で一つ。

支え合いながら、生きていく。

いつか、寿命がきて死ぬまで。

比翼の鳥のように、お互いを支え合いながら、生きていくのであった。




                fin

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