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奴隷竜とSランク冒険者30

海底にある地下Sランクダンジョンをクリアした。

報酬は、水を大量にだして、水圧で圧死させるウォータープレッシャーの魔法と、綺麗な細工がされたエメラルドのはめこまれた指輪だった。

鑑定すると、マジックアイテムで、一度行ったことのある場所にワープできると書いてあった。

浮竹は、その言葉を信じて指輪をつけてしまった。

パリンと、指輪が音を立てた。

長い時間放置されていたので、呪いがかけられていたのだ。

「は、外れない・・・・」

「大地母神の神殿にいこう。呪いを解呪してもらおう」

呪いの効果が、少しずつHPを削っていくという悪質なものだったため、浮竹は自分のアンチカースの魔法で解呪しようとしたが、失敗した。

ヒールをかけ続けて、HPが0になるのを防ぐ。

HPが0になれば、すなわち死だ。

呪いによる死は、蘇生の魔法リザレクションの奇跡がおこりにくい。

大地母神の神殿にいき、大金を払って大神官に見てもらったが、古代の呪いで解けないとのことで、浮竹と京楽は慌てた。

ヒールをかけ続けれる今はいい。ヒール程度の魔法なら、ずっとかけ続けれる。

でも、寝ている間もHPが削られていくので、これは厄介な呪いだと理解した二人は、ハイエルフの浮竹とダークネスドラゴンの京楽の元に行った。

「Sランクダンジョンの報酬の指輪が、呪われていたんだ。HPがずっと減り続けるという、古代の呪いで、大地母神の大神官でも解けなかった。なんとかならないか?」

「ボクが悪いんだよ。鑑定スキルで全てを見抜けなかった」

ハイエルフの浮竹は、浮竹の呪いの指輪を見て、中央大図書館に皆で移動すると、一冊の古い魔法書を出した。

『ハイネスアンチカースの魔法だ。覚えるといい。この魔法なら、どんな呪いでも解いてくれるはずだ』

「ありがたい。ユニークスキル「オボエルモノ」があるので、俺が覚える」

「ボクも覚える!浮竹に何かあった時、ボクも使えるようにしたい」

浮竹と京楽は、ハイネスアンチカースの魔法を覚えて、早速浮竹の指輪にかけた。

パリンと音がして、呪いは砕け散った。

『それにしても、少しずつHPが減るなんて、また嫌がらせのような呪いだな』

『その呪い、聞いたことあるけどね。確か、あいぜむだったか、あいぜあだったかの魔王が得意とする魔法に、特殊な呪いをかけれるのがあったはずだよ』

「藍染じゃないのか?」

『ああ、そんな名前だったね。興味ないから、覚えてなかったよ』

中央大図書館に一度侵入し、魔法書を盗んでいった魔王は、ダークネスドラゴンの京楽の記憶から名前がさっぱり覚えてもらえていなかった。

『藍染・・・・どこかにめもしないと、また忘れそうだ。どうでもいい奴だから』

ダークネスドラゴンの京楽は、メモ用紙に藍染と書いた。

「ダークネスドラゴンの王種に覚えてもらえない魔王・・・ちょっと笑える」

「モレ草もられた魔王として覚えればいいんじゃない?」

浮竹と京楽の言葉に、ダークネスドラゴンの京楽は手を叩いた。

『なるほど。モレ草をもられてもらした魔王としてなら、名前覚えれそうだよ』



「はっくしょい」

その頃、藍染はくしゃみをしていた。

「ふふ、誰かが私の偉業を口にしているのかな」

そんなことを言っていた。

ちなみに、この後の夕飯にまたモレ草をもられるのであった。




「ハイネスアンチカース、ハイネスアンチカース、ハイネスアンチカース」

浮竹は、今まで呪いがかかって、売れなかったマジックアイテムをかたっぱしから古代の解呪魔法で呪いをといていく。

「オリハルコンの剣とか・・・・・けっこう、金になりそうなものに特殊な呪いが多いんだよね」

京楽は、浮竹が解呪したマジックアイテムを、別のアイテムポケットに収納していく。

「今まで、呪いが解けなくて売れなかったマジックアイテムけっこうあるからな。解呪して売れば、けっこうな額になりそうだ」

浮竹は、臨時収入だと喜んだ。

『ダンジョンのマジックアイテムはたまに呪われてることあるからな。普通のアンチカースの魔法や神官で解ける呪いがほとんどだが、古代のマジックアイテムだと、ちょっと特殊な呪いがかかっていてもおかしくはないな』

ハイエルフの浮竹は、水の上を歩ける靴というのを見て、少し欲しがった。

『これ、もらえるか?』

「ああ、いいぞ。ハイエルフの俺には、いつも世話になっているからな」

「それ、売っても安そうだし、もっていってもいいよ」

浮竹と京楽の許可を得て、ハイエルフの浮竹は水の上を歩ける靴手に入れた。

『そんな靴もらって、どうするの?』

『海を歩ける魔法を作る基礎として、使おうかと』

『海の上歩けるって、なんかメリットある?』

『船から落ちても、溺れない』

『まぁ、確かにそうだね。でも、船乗りは魔法を使ったりしないから、海のフィールドがあるダンジョンで使いそうだね』

浮竹が、目をきらきらさせてハイエルフの浮竹を見つめる。

「魔法、今作れるのか?」

『うん』

「作る瞬間、見てみたい」

「ボクも」

二人の要望を受け取って、錬金術の鍋を取り出して、マンドレイクやらなんやらを放り込んで、最後に白い何も書いていない魔法書を取り出して、魔法を刻み込む。

『ほら、完成だ』

「マンドレイク・・・・」

「マンドレイクだね。あと竜の血と」

『竜の血はボクのものだよ』

ドラゴンの血は、その魔法に属するドラゴンの血が必要だった。大抵は、ダークネスドラゴンの京楽の血を代替えにしてまかなっている。

『どうだ、簡単だろう?』

ハイエルフの浮竹はそう言うが、魔法書をつくるだけの魔力はもっておらず、真似はできなかった。

「あの方法で魔法書って作れるのか。なんか、もっと仰々しい魔法陣とか描いて、瞑想して作るものだと思ってた」

「ボクは、魔力を筆にこめて、書いていくものだとばかり思っていたよ」

『まぁ、魔法陣が書かれた紙の上に、必要な道具を置いて作る方法もあるけどな』

「そっちのほうが、魔法書を作ってるってかんじするな」

浮竹がそう言う。

『ちなみに、魔法名はウォーターウォークだ。禁忌でもないから、気軽に覚えていいぞ』

「じゃあ、早速」

「ボクも」

浮竹と京楽は、ウォーターウォークの魔法を覚えて、近くの湖でためしに水の上を歩いて、はしゃぐのだった。





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