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小説掲載プログ
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おかしな京楽と席替え

「はい、今日は席替えを行います」

えーという反対の声と、おーという賛成の声が入り混じった。

浮竹は思う。

ああ、これで京楽から少しが距離をとれると。

酔狂なことに、浮竹を好きだと言ってきた京楽。その好きだと言われた言葉に、はっきりとNOだと告げた。それなのに、京楽は毎日のように自分をアピールしてくる。

いい加減、疲れてきた。

「じゃあ、順番に番号を引いていってください」

今の京楽の籍は隣。これ以上最悪なことにはならないだろうと、クジのような番号を引いていく。

京楽は、最後のほうで番号を引いた。

「えー、黒板の通りです。出た番号に、席を変えてください」

荷物をもって、18と書かれた席に移動する。

見ると、京楽が隣だった。

「またかああああああ」

一人、そう叫んでしまって、クラス中の視線を集めた。

「僕と隣なんて、浮竹ついてるね。この幸せ者め」

いや、幸せなのはお前の脳内だろう。

浮竹は思った。

チャイムがなり、授業がはじまる。

(好きだよ)

そう書かれた紙を投げてよこされた。

(俺は普通だ。廓にでもいってこい。女抱いて来い。俺に干渉するな。どっか行け)

(またまたぁ。照れっちゃって、かわいいね)

(死ね)

(死ぬほど、浮竹のことが好きだよ。僕が死んじゃったら、寂しさで浮竹も死んじゃう)

(授業に集中しろ)

(浮竹に集中しとく。今日も髪がサラサラで綺麗だね。この前あげた翡翠の髪飾りで留めると、きっともっと似合う)

(あの髪飾りはお前に返しただろう)

(だから、寮の浮竹の部屋の荷物入れにいれといた)

(この大馬鹿野郎!)

(僕は浮竹バカなの)

(ああもういい、お前とこうやってやりとりするだけ、時間の無駄だ)

(そんなことないよ。人生をもっと楽しみなよ。僕と付き合えば、もっともっと人生が薔薇色になるよ)

(薔薇色のなのはお前の脳内だ)

(ばれた?いつも、浮竹のあられもない姿を想像している)

「ふざけるなーーーーーー!」

叫んで、立ち上がった。

教師が、びっくりしていた。

「浮竹くん?」

「先生、すみません脳内に薔薇が咲いた男を処分してきます」

がたっと、京楽が立あがる。

「僕の脳みその中、薔薇色なんだー」

ああ、またか。

教室中の死神がそう思った。

京楽が、浮竹に迫って、浮竹がそれを拒絶していると、クラス中の誰もが知っていた。

浮竹は、京楽の服の襟をつかんでずるずると引きずっていく。

少し遠く離れた場所で、「破道の4 白雷」

という声と、ピシャンという雷の落ちる音がした。



saide S


浮竹は、今日も美人だった。僕が惚れただけあって、才色兼備だ。ああ、そういえば今日席替えの日か。今は浮竹の隣だ。また隣になれたらいいなぁ。

番号を引いて、荷物も持って移動すると、浮竹が隣だった。

「僕と隣なんて、浮竹ついてるね。この幸せ者め」

そう言うと、浮竹はめっちゃ嫌そうな顔をした。そんな顔でもかわいいんだから、僕は心配になってしまう。

浮竹は男にも女にも持てる。女はいい。無理やり関係なんて築けないから。でも男は厄介だ。今まで何度、浮竹に想いを寄せる男を闇に葬ってきたことか。

紙をなげて、やりとりをした。

僕を拒絶するくせに、律儀に答えてくれる。

だから僕は君がすきなんだ。

(ばれた?いつも、浮竹のあられもない姿を想像している)

そう書いてよこすと、浮竹が切れた。

「ふざけるなーーーーーー!」

ああ、怒っても浮竹はかわいい。

思わず見とれてしまいそうになった。クラス中の視線が集まっている。嫌だなぁ。浮竹を見るのは僕の特権なのに。

「浮竹くん?」

「先生、すみません脳内に薔薇が咲いた男を処分してきます」

僕はたちあがった。ああ、浮竹と二人きりになれる。運がいいな。

「僕の脳みその中、薔薇色なんだー」

ああやっぱりと、クラス中の者が僕をみる。でも、そんな視線にも慣れている。

浮竹は僕だけのもの。

浮竹が怒るのも、僕だけ。

怒った浮竹は、僕の襟をつかんで引っ張っていく。ああ、浮竹からはいつも甘い花の香がして、今日ものその匂いを肺いっぱいに取り入れた。

浮竹、大好きだよ。

「お前は、少し痛い目を見ないと分からなようだな」

ご立腹らしい浮竹も、かわいかった。

「君がくれるなら、たとえ痛みでも快感になる」

「破道の4 白雷」

ばちばちばちっ。

雷が降ってきて、僕の意識はぷつんとだえた。


起きる、浮竹が心配そうに僕を見ていた。

「すまない、やり過ぎた」

ああもう。本当にかわいいんだから。

「もうちょっと、近づいて」

「なんだ」

ちゅっ。

唇にキスをすると、浮竹は真っ赤になって僕の頭をぽかりと思い切り叩いた。

その痛みさえも甘い。

浮竹とのキスは甘酸っぱかった。

もっともっと欲しい。

「浮竹、愛してるよ」

「少しだけ、考慮しておく」

「やった!」

僕と浮竹の仲に、今後進展ができるかもしれない。

僕は胸がどきどきしだすのだった。


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