貞子がやってくる 怖がりの朽木兄妹
結婚して半年が経った。夏は終わり、冬になっていた。
「一護、起きろおおおおお」
「ぬあああああ!?」
布団からごろごろと這いずりだす。まだ、夜だ。
「なんだよ、ルキア!」
尸魂界は、浦原が戻ってきて急激に現世と同じ文化を歩むようになってきた。
「貞子が、貞子が!」
「はぁ?」
一護とルキアの寝室にもテレビが置いてあった。テレビの他にDVDプレイヤーも置いてあった。
そのDVDプレイヤーに「リング」というホラームービーのDVDが入れられていた。
一護も見たことある。「リング」という現世ではちょっとしたブームになったホラームービーだ。
「貞子がくる!テレビから、長い黒髪をうねらせて、やってくるのだ!」
ルキアはカタカタと震えて、涙を浮かべていた。
「なんだよ、お前幽霊が怖いのか?」
「たわけ、本物の幽霊なぞ怖くない!魂葬すればいいだけだからな。ただ、作り物と分かっているとはいえ、貞子は・・・・」
「こんな夜中に、一人でそんな怖い映画見るからだろ。ほら、布団の中に入れよ。一緒に寝ようぜ。それなら、怖くないだろ?」
「一護・・・・・・」
ルキアは、滲ませていた涙をぬぐいながら、一護の布団に入った。そして、眠った。そして、一護を蹴り飛ばして爆睡した。
「寝相悪いやつだな」
また蹴り飛ばされてはごめんだと、もう1組布団をしいて、一護はその上で眠った。
朝になった。
「一護、貞子が夢の中にでてきた。テレビから這いずり出てきて、私の首を絞めるのだ!苦しくて花瓶で殴ると、血が飛び散って私の頬にかかるが冷たくて・・・・・」
カタカタ震えているルキアを抱き締める。
「ただの夢だ、忘れろ」
「一護・・・・・」
しばらく抱き締めていたら、ルキアも平気になったのか、いつもの元気な顔色に戻っていた。
「一護の傍におれば、貞子もこぬな」
「あれは作りものだから、元から出てこねーよ」
「分からぬぞ!この世界には虚もいるのだ。貞子のような虚が・・・・想像しただけで・・・うきゃあああああああ」
だめだこりゃ。
重症のルキアを引っ張って、食堂にいくと白哉が蒼い顔をしていた。
「貞子が・・・・・」
お前もかよ。
この兄妹は、揃ってリングの映画を夜に見たらしい。
ルキアも白哉も、自分の寝室で、深夜に。
「貞子の呪いがかからぬよう、塩をまかねば」
ばさっと、一護に向かって塩が巻かれた。
「白哉、俺に塩かけてどーすんだよ」
「そうだぞ、一護、貴様がこれは面白いというから、深夜に見ればもっと面白くなるというから見たのだぞ!」
「あー?それ、1週間以上前の俺の言葉だろう。今更見て、怖がっても、俺のせいじゃねぇよ」
「いや、貴様のせいだ。貴様がDVDぷれいやーなるものを購入してきて、DVDなるものを購入してきたのだ。全部貴様のせいだ!」
ルキアも、白哉と一緒になって塩をつかみ、一護にむかって投げた。
「お清めだ!清めぬと、貞子がくる!」
「貞子・・・なんという怨念。兄が買った映画は趣味が悪い」
リングのDVDをぽいっと放りなげられた。
「おい、乱暴に扱うなよ。見れなくなるだろ」
「このようなもの、もう二度と見ぬ」
白哉は、貞子が嫌いなのか、リング2があると言ったら、眉をしかめた。
「リング2だと・・・・見ねばなるまい」
なんで!?
「白哉、お前怖いんじゃないのかよ!」
「怨念が、2まであるのあろう。全部見て、供養してやらねば、祟られる」
白哉もかわいいところがあるんだなと思ったら、思いっきり足を踏みつけられた。
「に、兄様、私も見ます。今日の夜、一護も一緒に3人で見ましょう。リング2を」
「おいルキア、あんなに怖がっていたのに平気かよ!」
「リング2を見ねば、貞子が祟ってくる!見終えて、供養して成仏させるのだ!」
「いや、ただの作り物で映画だから・・・・・」
結局、その日はそれぞれ6番隊と13番隊に仕事に出かけた。
お守りを、白哉もルキアも握りしめていた。
どんだけ怖かったのだろうかとも思うが、あれだけ怖がりながらリング2も見るという酔狂さに、少し呆れた。
死神の業務が終了し、朽木邸に戻り、湯浴みと夕餉をとった。
夜の10時になり、白哉の部屋のテレビでリング2を見だした。
「ひいいいいいい」
貞子の登場に、悲鳴をあげながらもルキアは食い入るように画面を見ていた。白哉のほうをみると、何か念仏のようなものを唱えながら見ていた。
リング2を見終えて、朽木家の兄妹は、互いを抱き締めあいながら、塩を一護にかけた。
「だからなんで俺なんだよ!」
「現世の怨霊はこわい・・・・・」
ルキアが、塩をまきながら、お守りを手に念仏を唱えだす。
「このDVDは、普通のリングのDVDと一緒に、高僧にお祓いをしてもらう」
いや、怖がり過ぎだろ。
白哉の言葉に、こう言う。
「ただの作りものだ。そんなに怖がる必要ねーよ」
「祟ってやる・・・・・」
「おい、今誰か何か言ったか?」
「何も言っていないぞ」
「私もだ」
急に、テレビの電源がついた。
ザーザーという画面に、長い黒髪の女が映る。
「冗談だろ」
「ひいいいい」
「南無阿弥陀仏」
べたべたと血の痕が、部屋の中に残った。
ぷつんと、テレビは消えた。
見ると、ルキアは気絶し、白哉も気絶しいた。
「おい、ちょっと、まじなのこれ!?俺置いて気絶しないでくれよ!この血の痕とかめっちゃこえーんだけど!」
一護も、念仏を唱えだした。
お守りを手に、DVDプレイヤーからリング2のDVDを出してパッケージに直そうとして、長い黒髪がパッケージに絡みついているのに気づいて、流石に一護も怖くなった。
3人そろって、次の日には高僧のいる寺までいって、リングとリング2のDVDにお祓いをしてもらい、寺に収めてもらった。
朽木邸に帰ると、日常が戻ってくる。
一護が湯あみをしようと湯殿にいくと、湯がなかった。
「白哉義兄様め・・・・・」
シャワーが出るようになったので、問題はなかったが、やはり湯船に浸からぬと12月なので凍えるように寒かった。
白哉が湯あみしている隙に、理髪店で集めた、長い黒髪を白哉の枕元に置いておいた。
十数分後、白哉の悲鳴が聞こえて、一護はうししししと一人ほくそ笑んだ。
結局、テレビに映った長い髪の女の正体も、部屋に残った血の手の痕も、パッケージについていた長い黒髪の原因も分からずじまいであったが、供養が効いたのか、それ以後奇怪な現象は起こることはなかった。
「一護、起きろおおおおお」
「ぬあああああ!?」
布団からごろごろと這いずりだす。まだ、夜だ。
「なんだよ、ルキア!」
尸魂界は、浦原が戻ってきて急激に現世と同じ文化を歩むようになってきた。
「貞子が、貞子が!」
「はぁ?」
一護とルキアの寝室にもテレビが置いてあった。テレビの他にDVDプレイヤーも置いてあった。
そのDVDプレイヤーに「リング」というホラームービーのDVDが入れられていた。
一護も見たことある。「リング」という現世ではちょっとしたブームになったホラームービーだ。
「貞子がくる!テレビから、長い黒髪をうねらせて、やってくるのだ!」
ルキアはカタカタと震えて、涙を浮かべていた。
「なんだよ、お前幽霊が怖いのか?」
「たわけ、本物の幽霊なぞ怖くない!魂葬すればいいだけだからな。ただ、作り物と分かっているとはいえ、貞子は・・・・」
「こんな夜中に、一人でそんな怖い映画見るからだろ。ほら、布団の中に入れよ。一緒に寝ようぜ。それなら、怖くないだろ?」
「一護・・・・・・」
ルキアは、滲ませていた涙をぬぐいながら、一護の布団に入った。そして、眠った。そして、一護を蹴り飛ばして爆睡した。
「寝相悪いやつだな」
また蹴り飛ばされてはごめんだと、もう1組布団をしいて、一護はその上で眠った。
朝になった。
「一護、貞子が夢の中にでてきた。テレビから這いずり出てきて、私の首を絞めるのだ!苦しくて花瓶で殴ると、血が飛び散って私の頬にかかるが冷たくて・・・・・」
カタカタ震えているルキアを抱き締める。
「ただの夢だ、忘れろ」
「一護・・・・・」
しばらく抱き締めていたら、ルキアも平気になったのか、いつもの元気な顔色に戻っていた。
「一護の傍におれば、貞子もこぬな」
「あれは作りものだから、元から出てこねーよ」
「分からぬぞ!この世界には虚もいるのだ。貞子のような虚が・・・・想像しただけで・・・うきゃあああああああ」
だめだこりゃ。
重症のルキアを引っ張って、食堂にいくと白哉が蒼い顔をしていた。
「貞子が・・・・・」
お前もかよ。
この兄妹は、揃ってリングの映画を夜に見たらしい。
ルキアも白哉も、自分の寝室で、深夜に。
「貞子の呪いがかからぬよう、塩をまかねば」
ばさっと、一護に向かって塩が巻かれた。
「白哉、俺に塩かけてどーすんだよ」
「そうだぞ、一護、貴様がこれは面白いというから、深夜に見ればもっと面白くなるというから見たのだぞ!」
「あー?それ、1週間以上前の俺の言葉だろう。今更見て、怖がっても、俺のせいじゃねぇよ」
「いや、貴様のせいだ。貴様がDVDぷれいやーなるものを購入してきて、DVDなるものを購入してきたのだ。全部貴様のせいだ!」
ルキアも、白哉と一緒になって塩をつかみ、一護にむかって投げた。
「お清めだ!清めぬと、貞子がくる!」
「貞子・・・なんという怨念。兄が買った映画は趣味が悪い」
リングのDVDをぽいっと放りなげられた。
「おい、乱暴に扱うなよ。見れなくなるだろ」
「このようなもの、もう二度と見ぬ」
白哉は、貞子が嫌いなのか、リング2があると言ったら、眉をしかめた。
「リング2だと・・・・見ねばなるまい」
なんで!?
「白哉、お前怖いんじゃないのかよ!」
「怨念が、2まであるのあろう。全部見て、供養してやらねば、祟られる」
白哉もかわいいところがあるんだなと思ったら、思いっきり足を踏みつけられた。
「に、兄様、私も見ます。今日の夜、一護も一緒に3人で見ましょう。リング2を」
「おいルキア、あんなに怖がっていたのに平気かよ!」
「リング2を見ねば、貞子が祟ってくる!見終えて、供養して成仏させるのだ!」
「いや、ただの作り物で映画だから・・・・・」
結局、その日はそれぞれ6番隊と13番隊に仕事に出かけた。
お守りを、白哉もルキアも握りしめていた。
どんだけ怖かったのだろうかとも思うが、あれだけ怖がりながらリング2も見るという酔狂さに、少し呆れた。
死神の業務が終了し、朽木邸に戻り、湯浴みと夕餉をとった。
夜の10時になり、白哉の部屋のテレビでリング2を見だした。
「ひいいいいいい」
貞子の登場に、悲鳴をあげながらもルキアは食い入るように画面を見ていた。白哉のほうをみると、何か念仏のようなものを唱えながら見ていた。
リング2を見終えて、朽木家の兄妹は、互いを抱き締めあいながら、塩を一護にかけた。
「だからなんで俺なんだよ!」
「現世の怨霊はこわい・・・・・」
ルキアが、塩をまきながら、お守りを手に念仏を唱えだす。
「このDVDは、普通のリングのDVDと一緒に、高僧にお祓いをしてもらう」
いや、怖がり過ぎだろ。
白哉の言葉に、こう言う。
「ただの作りものだ。そんなに怖がる必要ねーよ」
「祟ってやる・・・・・」
「おい、今誰か何か言ったか?」
「何も言っていないぞ」
「私もだ」
急に、テレビの電源がついた。
ザーザーという画面に、長い黒髪の女が映る。
「冗談だろ」
「ひいいいい」
「南無阿弥陀仏」
べたべたと血の痕が、部屋の中に残った。
ぷつんと、テレビは消えた。
見ると、ルキアは気絶し、白哉も気絶しいた。
「おい、ちょっと、まじなのこれ!?俺置いて気絶しないでくれよ!この血の痕とかめっちゃこえーんだけど!」
一護も、念仏を唱えだした。
お守りを手に、DVDプレイヤーからリング2のDVDを出してパッケージに直そうとして、長い黒髪がパッケージに絡みついているのに気づいて、流石に一護も怖くなった。
3人そろって、次の日には高僧のいる寺までいって、リングとリング2のDVDにお祓いをしてもらい、寺に収めてもらった。
朽木邸に帰ると、日常が戻ってくる。
一護が湯あみをしようと湯殿にいくと、湯がなかった。
「白哉義兄様め・・・・・」
シャワーが出るようになったので、問題はなかったが、やはり湯船に浸からぬと12月なので凍えるように寒かった。
白哉が湯あみしている隙に、理髪店で集めた、長い黒髪を白哉の枕元に置いておいた。
十数分後、白哉の悲鳴が聞こえて、一護はうししししと一人ほくそ笑んだ。
結局、テレビに映った長い髪の女の正体も、部屋に残った血の手の痕も、パッケージについていた長い黒髪の原因も分からずじまいであったが、供養が効いたのか、それ以後奇怪な現象は起こることはなかった。
PR
- トラックバックURLはこちら