さくらのあかやかしと共に30
京楽が、望んで浮竹の闇の部分である桜鬼を身に宿した。
忌み嫌われる桜鬼になって、少しでも浮竹の負担を軽くしてやりたかった。
「春水‥‥‥」
「ボクは後悔していないよ。桜鬼は君の一部でもある。愛しい」
「春」と混じりあったた京楽は、覚悟を決めて桜鬼を宿した。もう、普通の人間ではなく、あやかしであった。
「人間に戻りたいとは、思わないんだな?」
「うん。十四郎は、桜の王のままでいればいい」
「春水。愛してる」
「ボクも愛してるよ。ボクは十四郎の影だ。血なまぐさいことはボクが引き受ける」
浮竹は、そうまで愛してくれている京楽に涙を浮かべた。
「十四郎、泣かないで。これはボクと「春」が決めたことだから」
「俺のせいで、お前はあやかしになった。でも、お前を否定はしない。俺の闇を受け入れてくれて、ありがとう」
「十四郎」
京楽は、浮竹を抱き寄せて口づける。
あふれる涙を吸い取って、浮竹の頭を撫でた。
「桜鬼の姿から、元に戻らないとね」
京楽は、まるで浮竹のように桜の花びら吹いて、人間の姿に戻った。
「京楽、桜鬼の闇は深い。飲まれるなよ」
「うん。大丈夫。浮竹の一部であると愛し続けるなら、飲まれはしないよ」
「帰ったら、白哉にどう説明しよう」
「ありのままでいいんじゃないかな。ボクが浮竹の影になって、桜鬼になったことを、知らせればいい」
二人は、高級タワーマンションの自宅に戻った。
「浮竹、京楽は見つかったのか?」
白哉は、京楽から禍々しい力を感じて、目を見開いた。
「京楽‥‥‥兄は、あやかしに?」
「うん。浮竹の闇の部分である桜鬼になったんだよ」
「桜鬼は厄介だぞ?」
「慣れていくから、大丈夫」
白哉はため息をついた。
「浮竹を愛しすぎる故か」
「そうだね」
「私が、力の使い方を教えよう。浮竹は桜鬼であったから、その存在が当たり前すぎて、他の者に教えるなどできないであろう?」
「ああ、そうだな」
こうして、白哉に桜鬼としての、あやかしの力の使い方を、日々少しずつ教えてもらうことになるのであった。
『精霊の俺、元気か?』
京楽が桜鬼になってから1週間ほどして、術者の浮竹と夜刀神の京楽が、家を訪ねてきた。
『あやかしになっちゃったもう一人のボクは、どう?』
「白哉から力の使い方を教わって、桜鬼の力を制御できるようになっている」
『すごいね。普通、人間があやかしになると、その闇に飲まれちゃうんだけど。愛の力ってやつ?あれからもうやちゃった?』
からかってくる夜刀神を、浮竹はハリセンではたく。
コウモリ姿で術者の浮竹の頭の上にいたので、術者の浮竹もハリセンを食らう羽目になった。
『痛い』
「すまん。夜刀神を見ると、ついハリセンが」
『酷い!動物虐待反対!』
「おまえはこうもりでなく、夜刀神だろうが」
術者の浮竹は、夜刀神の巻き添えになるのはごめんだと、頭の上からソファーに夜刀神の体を移動させた。
『これなら、好きなだけハリセン食らわせてもいい』
『ちょっと、浮竹ぇぇぇえ!?』
京楽が涙声を出す。
そこへ、訓練を終えた京楽とそれに付き合っていた白哉が帰ってきた。
『やぁ、元人間のボク。力は制御できるようになった?』
夜刀神の首元に、手だけ桜鬼にさせた京楽が爪をつきつける。
「こんなかんじ」
『こわいからやめてええ。なんでみんなよってたかってボクをいじめるのさ』
「からかいがいがあるからだろう?」
浮竹は言葉を一緒にハリセンを一発。
『でもよかった。闇に飲み込まれなくて』
『そうだな。便利屋の京楽、すごいぞ』
「ボク、浮竹や白哉君みたいに、桜を使った術を使えるようになったの」
『すごいじゃないか。祓い屋としての力も増したことになるな』
術者の浮竹が、浮竹のほうを向いて何かを言おうとして、顔を赤くした。
「どうした?」
『キスマークついてる。いっぱい』
「!!!」
浮竹は鏡を見て、真っ赤になってから、京楽に手加減なしのハリセンを食らわせていると、京楽は桜鬼になって、桜になって散ってしまった。
マンションから出て、公園の浮竹の桜の木にワープしたのだ。
「京楽、飯抜きにしてやる」
『キスマークつけられるくらい、やちゃったってことだね?』
「ええい、お前は一言いつも余計に多い!」
夜刀神は、またハリセンを食らい、1時間ほどして京楽が帰ってくる。
「京楽、夕飯ぬきか禁欲1週間か、どっちか選べ」
「もちろん、夕飯抜きを選ぶね」
『ひゅーひゅー、お熱いねぇ』
からかってくる夜刀神がうっとうしくて、浮竹は術者の浮竹を見た。
『ほら、京楽そんなことばっかり言ってると、精霊の俺に嫌われるぞ?』
『桜の王とは腐れ縁だから、大丈夫』
「夕飯つくるけど、京楽ふたりはぬきな」
『ええええ。元人間のボクはともかく、ボクまで!?』
「ボクと一緒に、空腹になって、水かお茶でもいっぱい飲んで、空腹を紛らわせよう」
『そんなのヤダああああ』
「ボクには桜の術があるからね」
桜吹雪を出した後には、おはぎがあった。
『あ、ずるい!ボクの分も!』
京楽は桜鬼になって、桜の術を使いまくって、おはぎやら団子やらを出す。
「俺は、桜鬼の頃そんな使い方はしたことがないが」
「桜鬼の力、すごいよ。無から有を作れる」
「あんまり、俺たち以外には見せるなよ」
ずっと黙っていた白哉が。
「腹が減った」
そういうものだから、浮竹は急いでキッチンに行き、夕食の準備をする。
浮竹は、昔から白哉には甘い。
『白哉君には甘いよね、桜の王って。ハリセンとか食らったことなさそう』
「そうでもないぞ。情事にでくわしたときなど、ハリセンがうなる」
『白哉くんがいても、盛るの、あの二人』
「いつもは私が結界をはって、眠る」
『うわぁ、大変だねぇ』
「もう慣れた」
『精霊の俺って、やっぱりセックスとかいっぱいしてるんだな』
「まぁ、恋人同士であるからな」
白哉は、術者の浮竹と夜刀神にはそういうことがほとんどないのだと察知して、桜の花びらを散らせて、幻想的な風景を見せて、忘れさせるのであった。
「おはぎ、おいしい」
夕飯抜きを言い渡されたが、京楽は作りだしたおはぎで空腹を満たす。
ちゃっかり、こうもり姿で夜刀神もおはぎにかじりつくのであった。
忌み嫌われる桜鬼になって、少しでも浮竹の負担を軽くしてやりたかった。
「春水‥‥‥」
「ボクは後悔していないよ。桜鬼は君の一部でもある。愛しい」
「春」と混じりあったた京楽は、覚悟を決めて桜鬼を宿した。もう、普通の人間ではなく、あやかしであった。
「人間に戻りたいとは、思わないんだな?」
「うん。十四郎は、桜の王のままでいればいい」
「春水。愛してる」
「ボクも愛してるよ。ボクは十四郎の影だ。血なまぐさいことはボクが引き受ける」
浮竹は、そうまで愛してくれている京楽に涙を浮かべた。
「十四郎、泣かないで。これはボクと「春」が決めたことだから」
「俺のせいで、お前はあやかしになった。でも、お前を否定はしない。俺の闇を受け入れてくれて、ありがとう」
「十四郎」
京楽は、浮竹を抱き寄せて口づける。
あふれる涙を吸い取って、浮竹の頭を撫でた。
「桜鬼の姿から、元に戻らないとね」
京楽は、まるで浮竹のように桜の花びら吹いて、人間の姿に戻った。
「京楽、桜鬼の闇は深い。飲まれるなよ」
「うん。大丈夫。浮竹の一部であると愛し続けるなら、飲まれはしないよ」
「帰ったら、白哉にどう説明しよう」
「ありのままでいいんじゃないかな。ボクが浮竹の影になって、桜鬼になったことを、知らせればいい」
二人は、高級タワーマンションの自宅に戻った。
「浮竹、京楽は見つかったのか?」
白哉は、京楽から禍々しい力を感じて、目を見開いた。
「京楽‥‥‥兄は、あやかしに?」
「うん。浮竹の闇の部分である桜鬼になったんだよ」
「桜鬼は厄介だぞ?」
「慣れていくから、大丈夫」
白哉はため息をついた。
「浮竹を愛しすぎる故か」
「そうだね」
「私が、力の使い方を教えよう。浮竹は桜鬼であったから、その存在が当たり前すぎて、他の者に教えるなどできないであろう?」
「ああ、そうだな」
こうして、白哉に桜鬼としての、あやかしの力の使い方を、日々少しずつ教えてもらうことになるのであった。
『精霊の俺、元気か?』
京楽が桜鬼になってから1週間ほどして、術者の浮竹と夜刀神の京楽が、家を訪ねてきた。
『あやかしになっちゃったもう一人のボクは、どう?』
「白哉から力の使い方を教わって、桜鬼の力を制御できるようになっている」
『すごいね。普通、人間があやかしになると、その闇に飲まれちゃうんだけど。愛の力ってやつ?あれからもうやちゃった?』
からかってくる夜刀神を、浮竹はハリセンではたく。
コウモリ姿で術者の浮竹の頭の上にいたので、術者の浮竹もハリセンを食らう羽目になった。
『痛い』
「すまん。夜刀神を見ると、ついハリセンが」
『酷い!動物虐待反対!』
「おまえはこうもりでなく、夜刀神だろうが」
術者の浮竹は、夜刀神の巻き添えになるのはごめんだと、頭の上からソファーに夜刀神の体を移動させた。
『これなら、好きなだけハリセン食らわせてもいい』
『ちょっと、浮竹ぇぇぇえ!?』
京楽が涙声を出す。
そこへ、訓練を終えた京楽とそれに付き合っていた白哉が帰ってきた。
『やぁ、元人間のボク。力は制御できるようになった?』
夜刀神の首元に、手だけ桜鬼にさせた京楽が爪をつきつける。
「こんなかんじ」
『こわいからやめてええ。なんでみんなよってたかってボクをいじめるのさ』
「からかいがいがあるからだろう?」
浮竹は言葉を一緒にハリセンを一発。
『でもよかった。闇に飲み込まれなくて』
『そうだな。便利屋の京楽、すごいぞ』
「ボク、浮竹や白哉君みたいに、桜を使った術を使えるようになったの」
『すごいじゃないか。祓い屋としての力も増したことになるな』
術者の浮竹が、浮竹のほうを向いて何かを言おうとして、顔を赤くした。
「どうした?」
『キスマークついてる。いっぱい』
「!!!」
浮竹は鏡を見て、真っ赤になってから、京楽に手加減なしのハリセンを食らわせていると、京楽は桜鬼になって、桜になって散ってしまった。
マンションから出て、公園の浮竹の桜の木にワープしたのだ。
「京楽、飯抜きにしてやる」
『キスマークつけられるくらい、やちゃったってことだね?』
「ええい、お前は一言いつも余計に多い!」
夜刀神は、またハリセンを食らい、1時間ほどして京楽が帰ってくる。
「京楽、夕飯ぬきか禁欲1週間か、どっちか選べ」
「もちろん、夕飯抜きを選ぶね」
『ひゅーひゅー、お熱いねぇ』
からかってくる夜刀神がうっとうしくて、浮竹は術者の浮竹を見た。
『ほら、京楽そんなことばっかり言ってると、精霊の俺に嫌われるぞ?』
『桜の王とは腐れ縁だから、大丈夫』
「夕飯つくるけど、京楽ふたりはぬきな」
『ええええ。元人間のボクはともかく、ボクまで!?』
「ボクと一緒に、空腹になって、水かお茶でもいっぱい飲んで、空腹を紛らわせよう」
『そんなのヤダああああ』
「ボクには桜の術があるからね」
桜吹雪を出した後には、おはぎがあった。
『あ、ずるい!ボクの分も!』
京楽は桜鬼になって、桜の術を使いまくって、おはぎやら団子やらを出す。
「俺は、桜鬼の頃そんな使い方はしたことがないが」
「桜鬼の力、すごいよ。無から有を作れる」
「あんまり、俺たち以外には見せるなよ」
ずっと黙っていた白哉が。
「腹が減った」
そういうものだから、浮竹は急いでキッチンに行き、夕食の準備をする。
浮竹は、昔から白哉には甘い。
『白哉君には甘いよね、桜の王って。ハリセンとか食らったことなさそう』
「そうでもないぞ。情事にでくわしたときなど、ハリセンがうなる」
『白哉くんがいても、盛るの、あの二人』
「いつもは私が結界をはって、眠る」
『うわぁ、大変だねぇ』
「もう慣れた」
『精霊の俺って、やっぱりセックスとかいっぱいしてるんだな』
「まぁ、恋人同士であるからな」
白哉は、術者の浮竹と夜刀神にはそういうことがほとんどないのだと察知して、桜の花びらを散らせて、幻想的な風景を見せて、忘れさせるのであった。
「おはぎ、おいしい」
夕飯抜きを言い渡されたが、京楽は作りだしたおはぎで空腹を満たす。
ちゃっかり、こうもり姿で夜刀神もおはぎにかじりつくのであった。
PR
- トラックバックURLはこちら