それは愛
このもやもやとした感情が、何であるのかやっと分かった。
それは「恋心」
愛しているのだ、恋次を。
緋真だけを愛すると誓った白哉は揺れていた。
このまま、全てを恋次に与えて、恋次に包み込まれていいのだろうか?
なぁ、緋真。
そなたなら、どう思う?
このようになってしまった私を。
大戦も終結し、尸魂界はゆっくりとではあるが復興の道を辿っていた。
かつて、白哉は死にかけた。生きてるのが奇跡だという傷を負い、斬魄刀である千本桜も失ってしまった。
あの時の、恋次の顔が今でも時折ちらつく。
とても傷ついた目をしていた。
愛する者を失う時の目だった。
かつて、私が身罷った緋真を見る目だった。
仏壇に手をそえて、緋真の写真に向かって語る。
「緋真・・・・私は、もう一度幸せになっていいのであろうか?」
ずっとそうしていたら、外から恋次が白哉の名を呼んだ。
「緋真・・・許してくれ。私は当分そちら側にいけぬし、緋真そなたを残して・・・愛する者と、歩み出す」
一歩一歩を噛みしめるように、歩き出す。
「隊長、どうすたんですか。あんまりにも襲いので、迎えにきました」
「恋次・・・・」
白哉は、辛そうな顔をしていた。
「どうしたんですか、隊長!どこか具合でも悪いんですか!」
恋次を連れて、6番隊の執務室にいくと、何もなかったように一日が始まる。
でも、白哉は今まで雰囲気がどことなく違っていて・・・なんていうのか、空気が優しかった。
「隊長?カラムーチョでも食べますか?」
3時になり、一休憩いれる。
辛い味の好きな白哉は、現世の辛い菓子のカラムーチョに夢中であった。
茶をいれると、それを全部飲みほしてしまった白哉のために、また茶をいれた。
「恋次」
「はい」
「愛している」
「は?」
「もう言わぬ」
「ちょ、隊長!今なんつったあんた!」
長椅子に座っていた白哉を押し倒した。
夢中になって口づけを繰り返す。
「ああっ」
少し死覇装を乱させてしまった。
白哉は、熱の入った潤んだ瞳で、こちらを見てきた。
でも、こんな仕事の部屋で白哉を抱くことなどできぬので、我慢した。
「あんた、確かに俺のこと愛しているっていいましたよね?」
「知らぬ」
嘘をつく白夜の服ごしから体を触っていくと、白哉は戸惑った。
「やめよ」
「いやだ。あんたが、はっきり言ってくれないならここで抱く」
こんな場所で抱かれては困るので、仕方なしにもう一度口にする。
「恋次、愛している。今の私には、お前だけだ」
「おっしゃああああああ!」
恋次は、ガッツポーズをとった。
ずっと愛していると言わせようとしていた、雪解け水前の氷の白哉に、やっと言わせたのだ。
今の白哉は雪解け水。
恋次を愛していると告げて、自分の中にある感情にくぎりをつけた。
「今夜、抱いてもいいですか」
「ならぬ」
「どうしてですか」
「おとつい、抱いたばかりであろう」
「それでも、あんたを抱きたい」
「ならぬ。愛され続けてほしければ、限度を弁えよ」
愛されている。
今は、その言葉だけで十分だった。
白哉に舌が絡み合う深い口づけをして、お互い離れる。
なんか、こそばゆかった。
新婚さんのような気分だ。
恋次は、望んでいた白哉の全てを手に入れた。幸せの絶頂にいた。
大戦の時、一度白哉を失うかと思った。
恋次も満身創痍だったが、白哉の傷はそれよりはるかに深かった。零番隊の湯治がなければ、白哉はこうして意識をもっていることも、話すこともできなかったであろう。
「じゃあ隊長、今日は飲みに行きましょう」
「お前の馴染の店は、品性がない」
「まぁそういわずに。高級酒ばかりだと飽きるでしょう。たまには、安酒を浴びるほど飲むのもいいですよ」
ふっと。
微かに白哉が笑った。
時折、恋次にだけ見せる顔だった。
「今日だけだぞ」
「よっしゃ!」
居酒屋で、白哉を口説き落としてやろう。
愛する恋次は、そんなことを企んでいるなど知らずに、名もない感情に気づいたばかりの白哉は、恋次に誘われるままに居酒屋で飲み、酔いつぶれて寝てしまうのであった。
「あんた、安酒だと弱いのか・・・」
いつもは高級酒を飲んでもあまり酔わない白哉。
白哉の幸せそうな顔を見ていると、口説き落とせなかったこともどうでもよくなってきた。
「ありがとう、隊長。俺を選んでくれて・・・・・」
その桜色の唇は、酔いつぶれる前に「恋次、お前だけを愛している」
と言ってくれた。
今は、その言葉だけで十分だった。
それは「恋心」
愛しているのだ、恋次を。
緋真だけを愛すると誓った白哉は揺れていた。
このまま、全てを恋次に与えて、恋次に包み込まれていいのだろうか?
なぁ、緋真。
そなたなら、どう思う?
このようになってしまった私を。
大戦も終結し、尸魂界はゆっくりとではあるが復興の道を辿っていた。
かつて、白哉は死にかけた。生きてるのが奇跡だという傷を負い、斬魄刀である千本桜も失ってしまった。
あの時の、恋次の顔が今でも時折ちらつく。
とても傷ついた目をしていた。
愛する者を失う時の目だった。
かつて、私が身罷った緋真を見る目だった。
仏壇に手をそえて、緋真の写真に向かって語る。
「緋真・・・・私は、もう一度幸せになっていいのであろうか?」
ずっとそうしていたら、外から恋次が白哉の名を呼んだ。
「緋真・・・許してくれ。私は当分そちら側にいけぬし、緋真そなたを残して・・・愛する者と、歩み出す」
一歩一歩を噛みしめるように、歩き出す。
「隊長、どうすたんですか。あんまりにも襲いので、迎えにきました」
「恋次・・・・」
白哉は、辛そうな顔をしていた。
「どうしたんですか、隊長!どこか具合でも悪いんですか!」
恋次を連れて、6番隊の執務室にいくと、何もなかったように一日が始まる。
でも、白哉は今まで雰囲気がどことなく違っていて・・・なんていうのか、空気が優しかった。
「隊長?カラムーチョでも食べますか?」
3時になり、一休憩いれる。
辛い味の好きな白哉は、現世の辛い菓子のカラムーチョに夢中であった。
茶をいれると、それを全部飲みほしてしまった白哉のために、また茶をいれた。
「恋次」
「はい」
「愛している」
「は?」
「もう言わぬ」
「ちょ、隊長!今なんつったあんた!」
長椅子に座っていた白哉を押し倒した。
夢中になって口づけを繰り返す。
「ああっ」
少し死覇装を乱させてしまった。
白哉は、熱の入った潤んだ瞳で、こちらを見てきた。
でも、こんな仕事の部屋で白哉を抱くことなどできぬので、我慢した。
「あんた、確かに俺のこと愛しているっていいましたよね?」
「知らぬ」
嘘をつく白夜の服ごしから体を触っていくと、白哉は戸惑った。
「やめよ」
「いやだ。あんたが、はっきり言ってくれないならここで抱く」
こんな場所で抱かれては困るので、仕方なしにもう一度口にする。
「恋次、愛している。今の私には、お前だけだ」
「おっしゃああああああ!」
恋次は、ガッツポーズをとった。
ずっと愛していると言わせようとしていた、雪解け水前の氷の白哉に、やっと言わせたのだ。
今の白哉は雪解け水。
恋次を愛していると告げて、自分の中にある感情にくぎりをつけた。
「今夜、抱いてもいいですか」
「ならぬ」
「どうしてですか」
「おとつい、抱いたばかりであろう」
「それでも、あんたを抱きたい」
「ならぬ。愛され続けてほしければ、限度を弁えよ」
愛されている。
今は、その言葉だけで十分だった。
白哉に舌が絡み合う深い口づけをして、お互い離れる。
なんか、こそばゆかった。
新婚さんのような気分だ。
恋次は、望んでいた白哉の全てを手に入れた。幸せの絶頂にいた。
大戦の時、一度白哉を失うかと思った。
恋次も満身創痍だったが、白哉の傷はそれよりはるかに深かった。零番隊の湯治がなければ、白哉はこうして意識をもっていることも、話すこともできなかったであろう。
「じゃあ隊長、今日は飲みに行きましょう」
「お前の馴染の店は、品性がない」
「まぁそういわずに。高級酒ばかりだと飽きるでしょう。たまには、安酒を浴びるほど飲むのもいいですよ」
ふっと。
微かに白哉が笑った。
時折、恋次にだけ見せる顔だった。
「今日だけだぞ」
「よっしゃ!」
居酒屋で、白哉を口説き落としてやろう。
愛する恋次は、そんなことを企んでいるなど知らずに、名もない感情に気づいたばかりの白哉は、恋次に誘われるままに居酒屋で飲み、酔いつぶれて寝てしまうのであった。
「あんた、安酒だと弱いのか・・・」
いつもは高級酒を飲んでもあまり酔わない白哉。
白哉の幸せそうな顔を見ていると、口説き落とせなかったこともどうでもよくなってきた。
「ありがとう、隊長。俺を選んでくれて・・・・・」
その桜色の唇は、酔いつぶれる前に「恋次、お前だけを愛している」
と言ってくれた。
今は、その言葉だけで十分だった。
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