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わかめ大使でも日番谷隊長は受難

「ということで、これが日番谷隊長の分だ」

どさりと、わかめ大使を渡されて、日番谷は怒鳴った。

「こんな大量に食えるか!限度ってものを知れ!」

机から零れ落ちるわかめ大使の量に、日番谷の低い背がみえなくて、浮竹が日番谷を探す。

「あれ、日番谷隊長どこいったんだ?」

「わざとか?」

額に血管マークを浮かばせながら、日番谷はわかめ大使を一つ手に取ると、食べた。

「味は悪くねぇんだよな。問題は見た目か・・・・・」

前回、学院に白哉から贈られてきた大量のわかめ大使を寄付したのだが、浮竹は自分の分と日番谷の分と京楽の分を残していた。

大量に。

「おい、松本ーーーー!」

「はーいなんですか隊長・・・・って、このわかめ大使の群れ、どうしたんですか?」

応接間から顔を出した松本は、勝手にわかめ大使を食べた。

「んーおいしい。このお菓子、けっこう好きなんですよね」

松本は、1つのわかめ大使を手に取ると、何かの薬をかけた。それを浮竹に渡す。浮竹は、薬を盛られているとは知らず、そのわかめ大使を食べていく。

「おい松本・・・・さっき、浮竹がくっているわかめ大使に、何か薬いれたな?」

「気のせいです、隊長!」

「まぁいい・・・・。この数を俺らでは処理しきれねぇ。適当に他の隊長のところにいって差し入れとして、もっていってくれ」

「わっかりましたー」

松本は、持てる数を布で包むと、お菓子が大好きなやちるのいる11番隊に向けて、出発した。

結構減ったその量に、日番谷が安堵する。

「っておまえは、ここを自分お執務室と間違えてねーか?」

もっきゅもっきゅとわかめ大使を食べつつ、自分でいれたマイ湯呑にお茶を入れて、浮竹は一服していた。

「やあ、細かいことは気にしないでくれ日番谷隊長」

「浮竹、お前というやつは・・・・はっ!京楽がいない!?」

今頃気づく日番谷。

「なんて平和なんだ・・・・・」

キラキラ輝く日番谷の顔は、次の言葉でどん底に落ちた。

「僕は、今さっきここについたよ」

「京楽・・・なんで来やがる」

「そりゃ、愛しい浮竹がいるからね」

「ああ、このおっさんどもは!とっとと出ていけ!」

「いけないなぁ日番谷隊長。目上の者は、もっと敬うべきだよ」

「ぎゃあああああ」

プロレス技をかけられて、日番谷は思いっきり京楽の鳩尾に蹴りをいれた。

「君といい浮竹といい・・・・最近の子は、足癖が悪いねぇ」

「お前がいきなり攻撃してくるからだろう!」

京楽と距離をとる。

じりじりと詰め寄ってくる京楽に、どうしてやろうかと日番谷は、後ずさる。

「京楽」

「どうたんだい、浮竹?」

浮竹は、潤んだ瞳で京楽を見ていた。

「松本おおおおお!なんの薬盛りやがったーーー!」

叫んでも、今は松本はいない。・

「今すぐお前が欲しい」

はぁはぁと荒い息をついて、上気した薔薇色の頬で京楽を見上げる。

隊長羽織を脱ぎ捨てて、死覇装の襟元くつろげる。

「京楽・・・」

浮竹は、自分から京楽にキスをした。

舌が絡まりあう。

「浮竹、何か盛られたの?」

「分からない・・・・ただ体が熱くて疼く。なんとかしてくれ」

「浮竹・・・・・・!」

「だああああああああああ!蒼天に座せ氷輪丸!」

松本、戻ってきたら覚えやがれ。

そう想いながら、日番谷はいつものように執務室を半壊させるのであった。




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