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エンシェントエルフとダークエルフ41

ブルンが進化した。

ある日突然体が光り、オパール色の色彩を放つ、背中に6枚の翼をもつセラフィムスライムになっていた。

「ブルン、それは最終進化だな?」

「くるるるーー」

「ええ、プルンに会いたい?そうだな、魔族との戦争も一段落したことだし、師匠の家に行くか」

「くるる」

「おい、京楽、師匠の家まで送ってくれ」

「あ、待って!僕も行くから!」

京楽の空間転移魔法で、浮竹と京楽とブルンは、師匠の剣士の京楽の家にやってきた。

ジリリリリン。

ベルを鳴らすと、眠たそうな顔の京楽が出迎えてくれた。

「師匠、寝不足か?」

『んー。戦後の報告とか、まぁ雑務』

『俺が書こうとすると怒るんだ』

『浮竹は、ぱぱっとやってしゅっとしたって書くから、意味不明で却下』

剣士の京楽の言葉に、精霊の浮竹がしょぼんとなる。

「師匠、俺が手伝いましょうか?」

『ああ、うん。手伝ってくれる?』

「僕も手伝うよ」

「くくるーーー」

「ぷぷううう」

奥の部屋では、セラフィムスライムに進化したブルンと、それを見て嬉しがっているプルンの姿があった。

「藍染は、やっつけたの?」

『ああ。妖刀で魂を喰ってやった』

「藍染も、邪神のくせに神になりたいとか思って戦争を起こすから、師匠に葬られるんだ」

『ほんとにね。魔王ヴェルはちょっとかわいそうだったね』

魔王ヴェルのこと、生き残った四天王のことなどを教えてもらった。

今は、一時的ではあるが、魔族と人間は休戦協定を結んだ。

いずれ、本格的なものになるだろう。

「師匠に、見てもらいたものがあるんだ」

エルフの浮竹が取り出したものは、巨大なドラゴンの牙であった。

「ブラックドラゴンを、討伐したんだ」

『おお、やるじゃない』

「討伐報酬が白金貨500枚、ドラゴンの素材が白金貨200枚になたった。ドラゴンキラーの称号を得た」

冒険者カードに、Sランク、ドラゴンキラーの称号が書かれてあった。

「これで、俺と京楽の夢が叶った。これからも、ドラゴンを倒しまくって・・・まぁ、ほどほどに。Bランク以上の依頼を引き受けて、冒険者活動をしていこうと思っている」

『うん、いいね。君たちをSランク試験に合格させたボクの目に、狂いはなかったってことだよ』

「で、サーモアにある120階層に出るヒドラなんだが、80階層のエンシェントドラゴンはなんとか倒せたんだが、ヒドラが回復力が強すぎて倒せないんだ」

『ああ、ヒドラは回復魔法を反転するかんじでかけると、回復しなくなるよ』

「そうだったのか。京楽、師匠の家を出たら、すぐ120階層に向かうぞ。今までクリアした階層はスキップして」

ダンジョンでは、一度攻略したマップをスキップできる機能があった。

空間転移魔法で、今攻略中の階層までいける仕組みになっていた。

師匠である剣士の京楽の雑務を片付けて、浮竹と京楽は、離れたがらないブルンをプルンと引き離して、ヒドラ退治に行くことにした。

『じゃあ、健闘を祈ってる』

『怪我しないようにな』

最後に、精霊の浮竹がそう言ってくれた。

「じゃあ、いってきます」

「くくるるうう」

うるうると涙ぐむブルンを連れて、京楽は空間転移魔法を使う。

「テレポート!」

ざっと場面は120階層の、ボスの扉の前だった。

「いくぞ、京楽」

「分かってるよ、浮竹」

「ぶるん、神ヒールをかけるのを、反対の形でかけてくれ」

「くくうる?」

試しに、浮竹に魔法をかけてみる。

「あいたたた、そ、それでOKだ」

ダメージもろにくっらたので、ブルンに神ヒールをかけてもらった。

「行くぞ!」

「うん!」

「くくる!」

「GYAOOOOOOOOO!!」

ヒドラだった。

8つの首があり、それぞれ別属性のブレスを吐いてくる。

「エターナルアイシクルフィールド!」

まずは氷の禁忌で、ヒドラの足から体までを凍り付かせる。

「今だ、ブルン!」

「くくるーーー!!」

ぱぁぁぁぁ。

ブルンの神魔法の反対の魔法は、ヒドラに大ダメージを与えて、再生ができなくなっていた。

「ダークフレア×5、ブラックホール×5!」

「クリエイトアークエンジェル、クリエイトロードオブサタン、三重詠唱【ワールドエンド】」

「GYAOOOOOOOOOOO!!」

ヒドラの首が5つ消し飛んだ。

何とか再生を試みるが、ヒドラは再生できず、暴れまわった。

「ホーリーエンチャント」

浮竹がミスリル銀の魔剣に、聖属性をエンチャントする。

「エアウィング!」

京楽が、浮竹の体に風の魔法で加速をかけた。

「グラビティ・ゼロ×5!」

「GUGYAAAA!!!」

重量の嵐でぺちゃんこになっているヒドラの中央にある、心臓に値する核を、浮竹は剣で粉々にした。

「GUAAAAAAAAAAA!」

ずどおおおおん。

巨大な音を立てて、ヒドラは倒れた。

「グッジョブ、浮竹」

「グッジョブ、京楽」

「くくるー」

「ブルンもお疲れさま」

ヒドラの魔石は、今までのどの魔石よりも巨大で、魔力密度が高かった。

ヒドラはドラゴンの素材になるようなものを含んでいるので、死体はアイテムポケットにいれる。ちなみに、80階層に出るエンシェントドラゴンもまだアイテムポケットの中だ。

財宝の間にいくと、金銀財宝、魔力付与されたミスリル銀、ミスリル製の武器防具、ドラゴン素材の武器防具、古代の遺物、魔道具、魔導書などがあった。

浮竹が一番に気になったのは、記載されている魔法が全て禁忌という魔本だった。

とりあえず、全部アイテムポケットに収納した。

冒険者ギルドの解体工房にヒドラの体を出すと、公式記録ではここ20年出回っていないそうだった。

損傷が激しかったため、白金貨50枚の買取額だった。

ちなみに、魔石は白金貨10枚で売れた。

討伐報酬はないが、サーモアSランクダンジョンの踏破者として、名前がギルドで刻まれることとなった。

「あはん、うっきーちゃん、春ちゃん、あたしはいずれあなたたちがこうなることを予想していたのよん。ああん、体のあそこが熱いわ!熱くて仕方ないの!」

「エターナルアイシクルワールド」

浮竹は、オカマのギルドマスターを氷像にした。

「ぐふふふふ。あたしがこの程度で」

「エターナルフェニックス」

「ぐふ、あたしがこの」

「エターナルフェンリル」

「ぐふ、あたし」

「ゴッドブレスサンダー」

「もぎゃあああああああ!!!」

「やったぞ。あいつ、ついにやった。あのオカマのギルドマスターを倒しやがった!」

冒険者たちには、サーモアのSランクダンジョン踏破よりも、キャサリンというセクハラを同性にしてくるオカマのマスターを倒したことのほうが意味が大きいようであった。

「今日は僕と浮竹のおごりだよ!好きなだけ飲んで食べてって!」

「そうこなくちゃ!よっ、Sランク冒険者の鏡!」

はじめは、12歳に外見年齢が届いた80歳の頃、冒険者登録をした。

Fランクから始まった。

幽閉されている京楽を誘い、一緒にエルフの森を飛び出して、冒険者ギルドで依頼を受けて、すごいスローペースだったが、月に2回ほどしかできなかったが、依頼を引き受けて、成人してエルフの森を本当に飛び出した時は、Bランク冒険者になっていた。

ブルンを拾い、他にも使い魔やらもできて、楽しかった。

ドラゴン討伐を夢見て、ファイアドラゴンに挑戦して破れた。

全ての始まりは、エンシェントエルフの族長である、浮竹の父親がダークエルフの京楽を拾ったことから始まった。

京楽は、殺されさえしなかったが、牢屋に入れられた。

その牢屋から抜け出す道を、浮竹は知っており、よく二人で抜け出した。

そのことを、牢屋の見張り番は内緒にしてくれていた。

世界はこんなにも美しく、こんなにも広く、そしてとても強いモンスターで満ち溢れていた。

BランクからAランクへ昇格し、2年後に迎えていたSランク昇格試験では、師匠である剣士の京楽との闘いもあった。

なんとかSランクに昇格はしたが、まだまだ力不足で、災害ドラゴンと言われる、ファイアドラゴンの討伐はできなかった。

だが、今ではドラゴンスレイヤーとなり、ドラゴンキラーの称号を手に入れて、ファイアドラゴンでも倒せそうだった。

長い長い旅は、これからも続いていく。

Sランクになり、ドラゴンを退治できたからといって、それで終わりではないのだ。世界はまだ広い。

見知らぬ世界を見て、ダンジョンを踏破していくためにも、浮竹と京楽とブルンの旅は続くのであった。



                  fin

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