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オメガバース京浮シリーズ 「ヒート」

1回目のヒートから時間が経ち、浮竹は普通の院生生活を送っていた。

何かあるごとにΩだと影口を叩かれるが、その度に、親友である京楽が庇ってくれた。

京楽は、肺の病も持っている上に、病弱だった。

強いヒート抑制剤は体に負担をかける。

それでも、普通であるために抑制剤は欠かせない。

ある日、軽い肺の発作をおこしたと思ったら、真っ赤な鮮血を吐いた。

ごぽりと、また鮮血を吐き散らす浮竹の姿に、京楽が悲鳴をあげた。

「浮竹、しっかりして!今医務室に・・・・・ううん、4番隊のところに連れていくから!」

すでに瞬歩を覚えていた京楽は、浮竹を抱き上げて、救護詰所までくると、浮竹はすぐに入院となった。

「浮竹・・・・」

集中治療室に運ばれて、管で繋がれていく浮竹の姿に、京楽の心が痛んだ。

ああ、早く元気になって。

君の笑顔が見たいよ。

浮竹はそのまま3日ほど昏睡状態に陥って、意識を取り戻したのは発作を起こして4日目のことだった。

回道で手当てを受けて、一般病室に移された浮竹の傍に、京楽はいた。

「すまない・・・迷惑をかけた」

「君が死んでしまうのかと思った。怖かった」

浮竹の手を握って、京楽は点滴の管に繋がれた浮竹の細い腕を手でさする。

「早く元気になって、美味しいものたくさん食べよう。君、前々から思っていたけど、細すぎだよ」

「甘味屋にいきたいな・・・・・」

「いいね。退院したら、甘味屋に行こう。奢ってあげるから、好きなだけ食べるといい」

浮竹はヒート抑制剤を飲んでいなかったので、かすかなフェロモンが京楽を刺激するが、京楽はしっかりと浮竹に会うために、フェロモンに対する抑制剤を飲んでいたので、心配はなかった。

浮竹の点滴には、抑制剤の薬の代わりになる成分含まれている。

浮竹の体をふいてやったりして、京楽は浮竹の面倒を見た。

ある時、4番隊隊長である卯の花に、京楽は呼び出された。

「あなたが、京楽さん?」

「あ、はい」

「浮竹さんの飲んでいる抑制剤が、強すぎるようで、その薬のせいで今回の発作が重症なものになったんです。軽い抑制剤に変えますが、今後ヒートが発生する可能性が高くなります。山本総隊長より、浮竹さんの世話などは京楽さんに任せてあると言われてあります・・・・今後ヒートが起こった時は、なるべく二人で過ごすようにしてください」

「は、はい」

「年頃でしょうから、ヒートの抑え方は教えずともわかりますね?」

「はい・・・・」



浮竹は、退院した。

病欠していた間の補習などに参加して、前向きに生きている。

浮竹の知らない間に、浮竹のヒート抑制剤は弱いものに変わっていた。

「あいつ、いい匂いするな」

「泣かせたら、どんな顔するんだろう」

そんな言葉を吐く、男子生徒を京楽がギラリと睨みつける。

男子生徒たちは、京楽に恐怖を感じて、浮竹には近づかないようにしていた。

「君は・・・・僕の、ものだ」

1か月後、2回目のヒートが浮竹を襲った。

「京楽・・・・・」

教室に残り、ふらふらと歩いている。

「医務室に・・・ヒートが・・・・抑えられない。抑制剤飲まないと」

Ωのフェロモンに対する抑制剤を飲んでいたが、それでもぶわりと匂ってくるフェロモンの甘い香に、抗えなかった。

「浮竹、戻るよ」

「京楽?」

浮竹を抱き上げて、寮の部屋に戻ると、浮竹をベッドで寝かせて、京楽は浮竹に囁いた。

「好きだよ、浮竹」

「あ、俺も好きだ、京楽。抱いてくれ」

浮竹はヒートの熱に当てられていた。

リップ音をたてて、浮竹の頬にキスをすると、浮竹は京楽の唇に触れた。

「お前になら、抱かれてもいい」

「本当に、どうなっても知らないよ」

京楽は、衣服を脱ぎ捨てた。

浮竹は熱にうなされているようで、ぼーっとしていた。

「服、脱がせるよ」

「ああ・・・・」

衣服を脱がせると、白い肌が露わになった。

自分のものだという所有者の印を刻むように、首筋から鎖骨、胸にかけてキスマークを残した。

「あ・・・あ・・・」

浮竹が、京楽にしがみつく。

浮竹のものに触れると、先走りの蜜を出していた。

それを手でしごいて、同時につんと尖がった胸の先端をかじると、浮竹はびくんと体を反応させた。

「あ、あ!」

「きもちいい?」

「やっ・・・へん、変になる・・・」

浮竹のものは、完全にたちあがっていた。それに舌を這わせる。

「ひあ!」

熱い口内に蝕まれて、浮竹は京楽の髪を掴んだ。

「あ、だめだ京楽、そんなことしたら・・・・あああ、いってしまう」

「いっていいよ、浮竹」

「ああああ!」

熱を京楽の中に吐き出して、浮竹は少しの間意識を飛ばした。



「ん・・・・・・・」

「起きた?続きしても、大丈夫?」

「あ・・うん」

潤滑油に濡れた指が、体内に入ってくる。

「うあ・・・んん・・・・」

ずくりと、胎が疼いた。

浮竹のそこは、濡れていた。

男を受け入れるために。本来なら濡れるはずのない場所であったが、Ω故に濡れていた。

「濡れてるけど、一応潤滑油でも濡らすから」

「あ、早く!」

前戯などいらないのだとばかりに、浮竹が求めてくる。

それでも、フェロモンに当てられても京楽は浮竹に気持ちよくなって欲しくて、指で秘所にこりこりと刺激を与えた。

「あー、あ、あ!」

後ろをいじられながら、前もいじられて、浮竹は脳みそがぐずぐずになりそうになっていた。

「あ、頭真っ白になる・・・・あああ!」

京楽は、浮竹の胸の先端にを舌で転がしながら、片手は秘所の前立腺をいじって、もう片方の手で前を宥めた。

「ひああああ!」

前と後ろの両方でいってしまい、浮竹はぐったりとなる。

ぐったりとなった浮竹に、京楽が心配そうな声をかける。

「もうやめたほうがいい?」

「あ、だめだ春水・・・」

いつの間にか、下の名前で呼ばれていた。

「俺の子宮に、春水のものを出せ」

アフターピルは、念のために買ってある。

まだ学生だ。子を作るわけにはいかない。

「いれるよ」

「早く!」

ずくりと、浮竹の中に入ると、その締め付けと熱さにすぐにもっていかれそうになった。

「は・・・すごいね、君の中。うねって、吸い付いて・・・・・」

「あ、動いて・・・・春水で、俺を満たして」

「動くよ」

緩慢な動作で動き出すと、浮竹はとろんとした瞳で京楽に口づけた。

「全て・・・お前のものだ」

「うん。十四郎は、僕のもの・・・・・」

じゅぷりじゅぷりと音を立てて秘所を犯してやれば、浮竹は京楽にしがみついて、離れない。

「あー、あ、あ、あ!」

胎の奥を犯されて、狂ったように感じた。

「あ、もっと!もっと、お前をくれ!」

だんだんと、差し入れするスピードが早くなっていく。

ずぶずぶと、京楽のものを飲み込む秘所は、濡れて粟立っていた。

「あ、あ、あ!」

「出すよ」

「あ、いきたい。一緒に、いきたい・・・・・・」

「うん、一緒にいこう」

浮竹の最奥の子宮口に、熱をはじき出すのと、浮竹が自分の腹に白濁した熱を弾けるのが一緒だった。

「あー。あ、あ・・・・まだ、足りない・・・・」

浮竹の残念そうな声に、京楽が一度引き抜いた。どろりと、白濁した液体が溢れる。

京楽は、浮竹を抱きかかえた。騎乗位になって、浮竹を下から突き上げる。

「ううん・・あ、あ・・・あ、いい、いい、春水!」

京楽は、ふと動くのをやめた。

「あ、春水、どうして?やめないで、春水、春水」

「どうしてほしいか、言ってごらん?」

「あ、春水のもので犯してくれ。ごりごりって中をこすって、胎の奥の子宮に出してくれ!」

浮竹は、ヒートの熱にうなされながらもそう口走っていた。

京楽は、下から突き上げる。

浮竹は、少し長い白髪を宙に乱した。

「あ、あ、くる・・・・!あ、いっちゃう!」

「好きなだけいっていいよ、十四郎」

絶頂の余韻に浸っている浮竹を、後ろから犯してやると、浮竹は泣きだした。

「春水・・・・俺は、おかしくなったのか?こんなにいっぱいもらってるのに、まだ足りないんだ」

「おかしくなんてないよ。ヒートに当てられているだけだから。好きだよ、十四郎」

「あ、俺も好きだ、春水」


ヒートはなかなか収まらない。

京楽は、浮竹が求めるまま浮竹を抱いた。

そんなヒートが1週間も続いた。

寝て食べてお風呂に入る以外、ほとんど睦み合っていた。

寝ている時間が圧倒的に多かったのは、浮竹の体を心配した京楽が、肺の薬に眠剤をいれていたせいである。

ヒートが終わると、浮竹は申し訳なさそうに京楽に謝った。

「すまなかった京楽。お前しかいなかったとはいえ、お前は男なんて抱きたくなかっただろうに」

「そんなことないよ。浮竹がたまたま男だっただけで。ヒートを経験して抱いたせいもあるかもれしれないけど、きちんと告げておくよ。愛してる。将来、僕の番になって」

「京楽・・・・・・」

浮竹は、涙を零した。

京楽と、運命の番になりたい。

本気で、そう思った。


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