オメガバース京浮シリーズ「愛する」
もう何度目か分からぬヒートが、浮竹を襲った。
京楽は、最初浮竹が春を売らされていた記憶が戻るのではないかと、浮竹を抱かなかった。
浮竹は、巣作りを始めていた。
春を売らされていた頃は、ちゃんとアフターピルを飲まされていたのか、身籠っていなかった。
Ωは、ヒート期間中はほぼ100%妊娠するが、ヒート期間以外でも子ができる確率が高い。
「京楽・・・熱い。苦しいんだ。なんとかしてくれ」
ヒートで苦しがっている浮竹に、京楽は触れるのを躊躇った。
本当に、花街で春を売らされていた頃のことを思い出さないでいてくれるのだろうか。
「好きだ、京楽。俺を、京楽で満たして・・・?」
小首を傾げて、迫ってくる浮竹の魅力に抗えなくて、ベッドで巣作りを始めたその場所で押し倒して、唇を奪っていた。
「京楽・・・大好きだ」
「僕も君が好きだよ、浮竹」
「ん・・ふ、ふ・・・あ・・・・」
まともにキスをするのも、1カ月以上ぶりかもしれない。
浮竹は、依然と全く変わっていなかった。
白い肌に少し長い白い髪。綺麗な顔に、翡翠色の瞳。
どこも、汚れてなんかいない。
体中にキスマークを残した。
「やん・・・・あっ」
首筋から鎖骨、胸に至るまでをいつもキスマークを残すのだが、腕とか足にもキスマークを残し、太ももの内側にも吸い付いた。
「あ・・・・そんなにキスマークつけるな・・・・外に出れなくなる・・」
「浮竹に触れられなかった1カ月分を取り返したくてね」
「んあ・・・・あ、あ・・・・・・・」
浮竹は、京楽が与えてくる快感に夢中になっていた。
「や、は・・・・・・・」
胸の先端を引っかき、つまんだり舌で転がすと、浮竹は甘い声をあげた。
「あ、あ・・・あ・・・」
浮竹の花茎に手をやり、しごくとアッという間に勃起した。
先走りの蜜をたらたらと零しているそこが愛しくて、口に含んだ。
「あ、うあ、や!」
浮竹が甲高い声をあげた。
全体をなめあげて手でしごきあげて、舌で先端をなめていると、口の中に薄い精液が弾ける。
京楽が抱いてこない間、浮竹は自慰をしていたのだ。それ気づいて、京楽は謝った。
「ごめんね。君の記憶が戻るんじゃないかと心配で、君がヒートを起こすまで抱けなかった。自慰してたんだね」
「あ・・・」
舌と舌を絡み合わせる。
「ん・・・・・ん、ふあっ」
甘く舌を噛んでやると、浮竹は京楽の背中に手を回してきた。
ああ。
こうやって、浮竹と睦み合うのは1カ月以上ぶりだ。
傷つけないようにしなければ。
蕾に手をやると、そこはくちゅりと濡れていた。
入口に円を描いて、一本の指を入れる。
中は熱くてトロトロだった。
ごくりと、京楽は唾を飲み込んだ。
「あ、きてくれ、春水。俺の中に」
浮竹の訴えをうけながらも、指を増やしていく。
くちゅくちゅと音がした。
「ンア・・・・指じゃ、届かない・・・・」
とろとろに溶けているそこを指でさらに解してから、京楽はゆっくりと自身を埋め込んだ。
「今日は、久しぶりだからゆっくりしよう」
「あ、激しくてもいいのに・・・・」
「ヒートはあと6日も続くでしょ」
「意地悪」
浮竹は、京楽を締め付けてやった。
「んっ・・・・ああもう、一回出すよ?」
「出せ。お前ので、満たしてくれ」
京楽は、浮竹の子宮口で射精した。びゅるびゅると勢いよく精液が胎の奥にたたきつけられる。
「んーーー!あ”あ”!」
首を左右に振り、涙を浮かべる。
少し長い白髪が、さらさらと零れ落ちた。
「あ”!」
子宮に入り込むほど深く穿つと、浮竹は掠れた悲鳴をあげた。
「だめだ、あ、あ・・・」
ずるりと引き抜き、前立腺をすりあげて浅く犯してやると、吐息に似た息を吐いた。
「ううん・・・・あっ、あっ・・・・・・」
前立腺をすりあげるように浅く犯されるのが好きかと思えば、子宮にまで届くくらいまで深く穿たれるのも好きみたいで、リズムをつけて両方を攻めた。
「んんん・・・あ、いく・・・。いっちゃう」
「いいよ、いって。僕はここにいるから。いつでも、君の傍にいるから」
「あ、大好きだ、春水」
「僕も大好きだよ、十四郎」
ゆっくりと交わったが、疲労感は結構あった。
勢いよく交じったほうが、疲れは出ないのかもしれない。
京楽は、浮竹と 何度も睦み合った。
「あ、あ、あ・・・・・・・」
もう何もでなくなった花茎を口淫する。
トントンとリズムをつけて、前立腺をすりあげてやると、浮竹は熱い息を吐いて涙をこぼした。
「あ、あ、もうやぁ・・・・・」
「まだ、いけるでしょ?ねぇ、十四郎」
接合部がぐちゅりと音を立てた。
京楽は、体勢を変えて、後ろから浮竹を貫いた。
一度引き抜かれて、グプンと音をたてて突きいれられて、その衝撃に浮竹は涙を零して掠れた悲鳴をあげる。
「ひああああ!」
「愛してるよ、十四郎」
「うあ”・・・あ、あ、・・・・俺も愛してる、春水・・・・・あ”あ”」
最深部に侵入されて、こぽこぽと精液を直接注がれて、浮竹の胎は京楽のもので満たされていた。
一晩中睦みあって、気が付いた時には太陽が昇っていた。
浮竹は、消去した記憶が蘇ることはなかった。
京楽に抱かれても記憶は混濁することなく、二人は運命の番として、互いに互いを必要としあっていた。
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