忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
10 2024/11 14 2324 26 27 28 29 30 12

オメガバース京浮後編

3カ月に一度のヒートを、京楽と過ごしながら、浮竹は巣作りをはじめていた。

ぽいぽいと京楽の服を出してきては、重ねる。

元々院生の服といくつかの着物くらいしかなかったので、浮竹の巣作りは浮竹が満足する量の衣服を得られなかったが、それでも巣を作って、そこで京楽の着ていた院生の服を抱きしめて、匂いをかいで安心し、京楽と睦みあった。

「巣、作ったんだね」

「ああ。京楽・・・・お前の子種がほしい」

そういって、浮竹は京楽にキスをした。

京楽は浮竹を抱き上げて、巣を少し移動させて、ベッドの上にやってきた。

「あ、あ、あ・・・・・」

首筋に噛みつき、噛まれた痕をまた残す。

「京楽、京楽・・・・」

浮竹は、京楽を求めた。

運命の番である。もう、京楽以外、何も見えないでいる。

「んっ」

衣服をぬがされて、首筋から鎖骨にかけてキスマークを残す。

「あ・・・・」

胸の先端を舐められると、それだけで秘所はとろとろと蜜を零した。

「もう、濡れてるね」

「あ、京楽、早く!」

浮竹はせがんだ。それに、京楽が応える。

秘所を解すことなく、そのまま突きいれた。

「あー、あ、あ、あ!」

胎の奥の子宮口がぱくぱくと口をあける。

前立腺をすりあげられると、浮竹は簡単にいってしまった。

「あ、春水・・・・・俺を満たせ。俺を犯せ」

浮竹は、ぺろりと自分の唇を舐めた。

「あ、んあ、あ、あ!」

刻まれるリズムと一緒に、白い髪が乱れて流れる。

「奥に出すよ。君のご希望通り、いっぱい注いであげる」

びゅるびゅると京楽が吐き出す精液を子宮で受け取って、その熱の熱さと快感に頭が真っ白になる。

「あ、あ、いってるのに、まだ、あ、だめだ春水、今は」

浮竹は射精しながら犯された。

「あああ!」

京楽はずちゅりずちゅりと音をたてて、浮竹の中に出し入れを繰り返す。

「ん!・・・・ふあ、あ、あ」

浮竹と口づけると、京楽の舌が浮竹の舌を追いかける。

「ふあ・・・・・」

互いのまじりあった唾液を飲み込みながら、京楽は子宮口まで入ってきた。

「あ、深・・・・・ああ、あ!」

「また出すよ。受け止めてね」

「ああああ!」

京楽のものを受け止めて、浮竹は涙を流した。

きもちいい。満たされていく。


浮竹はヒート抑制剤を飲んでいるが、肺を病んでいるためにヒート抑制剤と肺の薬があまり相性がよろしくないようで、最近はヒート抑制剤も少なめにしていた。

もう、浮竹は京楽と運命の番になっている。

浮竹が他のαにフェロモンを出すことはなくなっていたし、αである京楽も浮竹のフェロモンにだけ反応した。

ある日、見合いを受けろといわれて、すでに運命の番がいて、その人以外と結婚も子供ももうけるつもりはないと、両親に言い切った。

どこの馬とも知れぬΩを番にしたことを、両親は嘆き、そして怒った。

Ωが女性ではなく、男性の下級貴族の長男であると知った時、京楽の両親は、京楽と浮竹を引き離そうとした。

だが、もう卒業も間近で、死神として卍解まで習得し、Ωであるにも関わらず、将来隊長になることが有望視されている浮竹に手を出すことは、なかなかできなかった。

ただ、別れないとお前の家族がどうなるか分からないと脅されて、さすがの浮竹も京楽に相談した。

結果、京楽は両親を説得し、浮竹の存在は公認のものとなった。

浮竹は京楽の子を身ごもることができたが、子供は産まなかった。

一度に身ごもり、流産したことで子ができない体になってしまったのだ。

それでも、京楽は他に恋人は作らずに、浮竹だけを伴侶とした。

それから、時が経った。


------------------------------


「今年のヒートは、なかなかこなかったわりには、長いな」

もう、ここ半年ほどヒートは訪れていなかったのだが、かわりに遅めにやってきたヒートは2週間は続いた。

もう院生の若いころではあるまいにと思いながらも、2週間のヒートに京楽は付き合ってくれた。

「正直、もうヒートはいらんのだがな」

「僕はほしいね。浮竹が僕を欲してくれるから」

「ばか・・・・」

顔を真っ赤にさせて、浮竹は京楽の胸に顔を埋めた。

「お前・・・子供はできないが、いいのか?」

「別に、子供がほしくて君を運命の番にしたわけじゃないよ」

「ああ、分かっている」

ただ、愛していたから。

Ωやαであることも関係なく。

「それより、いい加減眠ろう。昨日から眠っていない。やって飯たべて、風呂でもやって、やりまくっただけで眠っていないから、眠いでしょ」

「ああ・・・・凄い眠い」

「僕も限界だよ。一緒に寝よう」

京楽は、浮竹がヒートになると別館の館に閉じこもるようになっていた。今もヒートがきているので、館に移った。

大きな広い部屋に、布団を2つ敷いて、そのうえで二人は眠った。

京楽は浮竹の布団の中に入ってきて、よく眠る浮竹の隣で、その長い白髪に口づけながら、
眠りについた。

ヒートはそれから1週間は続いた。

それから、奇跡が訪れた。

子供ができない体になっていた浮竹が、妊娠したのだ。

京楽は喜んだ。

そして、流産しないように二人で気をつけて生きた。

やがて男の子が生まれ、「史郎」と名付けられた。

「かわいいなぁ。君そっくりだ」

「目元はお前に似ているぞ」

結婚していなかったが、名前は京楽史郎となった。

京楽家の、後継ぎだ。

京楽の両親は、それは喜んだ。

無論浮竹の両親も。

「いい加減、結婚式を挙げないかい?」

「結婚式はいい。俺はお前と史郎といれるだけで幸せなんだ」

「そっか・・・・・」

京楽は笑った。

史郎は、Ωが子を成したとき、番の性別を持って生まれてくることが多いために、αだった。

それに、浮竹は安堵した。

自分の子に、Ωとなって苦しんでほしくない。

浮竹も京楽も隊長だ。

子育てはにはいろいろとみんなに協力してもらった。

Ωであることを疎んだ浮竹の姿は、そこにはなかった。

ただ、愛する京楽がαであっただけで、二人はΩやαでなくとも、お互いを必要として一緒にいただろう。

だが、京楽がαでいてくれて、浮竹を運命の番に選んでくれてよかったと思った。

まだ、寿命は当分ある。

また子を成すかもしれない。

もう、ヒート抑制剤は飲んでいなかった。

自然のままに流れを任せる。

それが、浮竹と京楽が選んだ道だった。

次のヒートがきても、アフターピルは飲まないようにしよう。

そう浮竹は誓った。

もう、何も遠慮することなどないのだ。

京楽は浮竹を手に入れて、浮竹は京楽を手に入れた。

子は成長していく。

その後ろを、二人でゆっくりと歩んでいくのだ。




拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(11/25)
(11/25)
(11/22)
(11/21)
(11/21)
"ココはカウンター設置場所"