オメガバース京浮短編6
浮竹はオメガだった。
浮竹には許嫁がいた。上流貴族の男だった。
オメガの男は、子を産むことができる。死神の隊長にまで上りつめた浮竹の子は、霊圧が高くてきっと将来隊長になるだろうと、望まれての縁談だった。アルファの子を産めば、その子供のほとんどがアルファになった。
浮竹の婚約者は、アルファだった。
浮竹は、京楽のことが好きだった。
ずっと、学院時代から。
でも、自分は違う男と結婚するのだと、すでに諦めていた。
始めてヒートになった学院時代、浮竹は京楽に抱かれた。京楽はアルファだった。
ヒート抑制剤を飲んでいたが、ヒートは収まらず、京楽に助けを求めて抱かれた。
京楽との関係は、不思議なものだった。
恋人というわけでもなく、けれど親友以上で。
浮竹は、婚姻を何かと理由をつけて先延ばしにしていた。
ヒート期間に京楽に抱かれるたびに、アフターピルを飲んだ。
そんな浮竹も、婚約相手が雨乾堂までやってくるようになって、京楽のことを諦めて嫁ぐ覚悟を決めた。
結婚式は盛大に行われた。
初夜で、浮竹が初めてではないと知った夫は、怒りはしなかった。
優しかった。
それが、辛かった。
首筋をかまれて、番となった。
ああ、俺はこの男を愛するのだ。
愛さなければ。
けれど、心は京楽を愛していた。
結婚して日にちが経つたびに、けれど夫のことも愛するようになっていた。
「愛している、十四郎」
「俺も、愛している」
夫のことは、嫌いではなかった。
逢瀬を重ねるたびに、京楽に抱かれ慣れていた体は、やがて夫の色に染まるようになっていた。
京楽は、長い間遠征に出ていた。
帰ってきた時、浮竹は上流階級の男に嫁いだ後だった。
身を引き裂かれる思いを抱いた。
京楽は、浮竹を奪おう。
そう心に決めた。
浮竹は、妊娠していた。
大切にされて、幸せだった。
その幸せを全部ぶち壊すかのように、現れた京楽は、浮竹を有無を言わせず攫った。
「京楽、どういう真似だ!」
「君が、僕以外の男のものになるのが許せない」
「俺が婚約相手を持っていると、知っていただろう!」
「まさか、本当に結婚するなんて思ってなかった」
「俺はもう、結婚してあの男の番で妻で、子を妊娠しているんだ」
びくりと、京楽の体が強張った。
「じゃあ、そのお腹の子は僕の子ってことにする」
そう言いだす京楽に、浮竹は恍惚となった。
ああ、俺は京楽に愛されている。
「君を愛している、浮竹」
「俺も、お前を愛している」
夫も愛しているが、それよりも京楽を愛し続けていた。
「僕はばかだ。もっと早くに君を番にすればよかった」
「俺は、夫の番だ。どうするつもりなんだ」
「金があれば、番を解消させる薬なんかも手に入れられるんだよ。これだ」
透明な薬を見せられた。
雨乾堂に連れてこられて、布団をしいてその上に横たえられた。
「ねぇ、浮竹。僕だけのものになって」
「京楽・・・・俺は、もう、お前のものじゃない」
「じゃあ、体に教えてあげる」
透明な薬を京楽は口に含み、浮竹に口移しで飲ませた。
「あ、あああ!?」
ズクリと。
体が熱くなった。
番の印である噛み傷の痕が消えていた。
そして、浮竹は強制的なヒートになっていた。
「熱い。体が熱い。助けてくれ、京楽」
夫の名は口にしなかった。
遠い昔から、京楽を愛していた。夫も愛するようにと心がけて、やっと愛せるようになったのに。
その矢先の出来事。
まさか、京楽がこんな強硬手段に出るとは思っていなかった。
「大好きだ、浮竹。こんなことになるなら、学院時代に君を番にすればよった」
「あ、俺はもう何度も夫に抱かれて・・・・」
「そんなの関係ない。君は僕のものだ。僕のものであるべきだ」
京楽は、独占欲の塊になっていた。
愛しい相手が、遠征から帰ってきたら他の男の妻になっていた。
そんなこと、耐えられるはずがない。
たとえ上流貴族同士のいざこざが起きても、もう浮竹を手放すつもりはなかった。
死覇装を脱がされて、浮竹は学院時代に戻った錯覚を覚えていた。
この浅ましい体は、ヒート期間京楽に抱かれたことをきちんと覚えていた。
「抱くよ。そして、僕の番にする」
「あ、番にしてくれ、京楽。お前以外、もう何もいらない」
浮竹は妊娠していた。
そんなこともお構いなしに、やや乱暴に口づけた。
「んう」
舌と舌を絡みあわせて、どちらのものかもしれない唾液が顎を伝った。
「かわいいね、十四郎」
すでに浮竹のものは、とろとろと先走りの蜜を零していた。
「あ!」
それを、京楽が口に含んだ。
根元を手でしごきながら、鈴口を舌で突かれて、浮竹は京楽の口の中に精を吐き出していた。
「薄いね。君の夫は、何度君を抱いたの」
「あ、昨日、抱かれた。何度になるか、数えたことはない」
「君を、再び僕色に染めないと。僕だけのものだって、体に刻まないと」
そういって、京楽は服を脱いだ。
「あ、春水、春水」
学院時代のヒート期間に戻ったかのようだった。
浮竹はただ京楽を求め、京楽もまた浮竹を求めた。
薄い胸板を撫でて、先端をつまみあげて、もう片方を舌で転がした。
「春水、はやく、きてくれ」
「指で慣らさないと」
「そんなのいいから!どうせオメガの俺は濡れる。だから、だから!」
求めてくる浮竹に応えて、京楽は己のもので浮竹を貫いた。
「ああああああ!!!」
同時に噛みつかれた。
番になった証が、右の首筋にくっきりと浮かび上がる。
電流が体中を走り回った。
「あ、番になった・・・・俺は、夫をもちながら、京楽の番に・・・・」
どちゅんと最奥の子宮口を貫かれて、浮竹は背を弓ぞりにしならせた。
「あああ!」
「ここ、好きだよね。奥でぐりぐりされるの」
「や、だめ、赤ちゃんが、赤ちゃんが」
「君の赤ちゃんも、僕の精液が欲しいっていってるよ。ここきゅきゅうしめつけてくる」
「あ、や、春水」
前立腺ばかりを突かれて、京楽はは勃ちあがった浮竹のものを手でこすった。
「あ、やぁ、変になる!やぁぁ、や!」
「中でもいけるでしょ。外も一緒にいけばいい」
「やああああああ!!」
ドライのオーガズムでいかされながら、射精していた。
二重にいかされて、浮竹はびくんと体をしならせた。
「ああ・・あ・あ」
何度も、京楽のもので突き上げられ、揺さぶられ、抉られた。
京楽が満足して、浮竹の子宮口にびゅるびゅると、濃い精液を注ぎ込む頃には、浮竹はぐったりしていた。
「大丈夫?」
「も、無理・・・・・・」
「まだ、僕は一回しかいってないよ。最後まで、付き合ってね」
「やっ」
内部の熱は、高まって硬いままで、浮竹は口では嫌といいながら、体は浅ましくもっともっとと求めていた。
「胎の奥で、もっと出してくれ。赤ちゃんが、お前の子供になるように」
「うん、いっぱい注いであげる」
京楽は、浮竹の妊娠していることに、気遣うこともなく抱いた。
流産するなら、すればいい。
自分の子供ではないのだ。
その日、浮竹は京楽に激しく抱かれ、次の日熱を出した。
「ごめんね、浮竹。久しぶりすぎて、加減できなかった」
「お前の気持ちを確かめもせずに、嫁いだ俺も悪い」
「そうだね。僕のこと好きなら、婚約破棄してくれればよかったのに」
「相手は上流貴族だ。下級貴族の俺に決定権はない」
「その上流貴族で、元君の夫であった死神と、今日話つけてくるから」
京楽は、浮竹を寝かしつけて、浮竹の夫である死神の元に向かった。
話は、浮竹がまだ京楽のことを好きで、番を解消させて、自分と番になったことを話すと、夫であった男は諦めたかのようにため息をついた。
浮竹と番になるのを認め、離婚を承諾した。
代わりに、浮竹の子は、後継ぎとしてもらう、ということで話は解決した。
それから数カ月が経ち、浮竹は男児を出産した。帝王切開で子を産み、双子だった。
浮竹の意識が戻らないうちに、双子の子は、浮竹の元夫であった者の手に落ちていった。
意識を取り戻した浮竹は、子供を一度も抱くことなく取り上げられたことを悲しんでいたが、京楽が耳元で囁いた。
「退院したら、君を強制的にヒートにして抱くよ。僕の子を孕んでもらう」
ヒートは、薬である程度コントロール可能だった。
なくすことはできないが、ヒートにさせたり、遅らせたりすることはできた。
「京楽!」
真っ赤になる浮竹が愛しくて、京楽は笑っていた。
「結婚式を挙げよう。君が挙げた結婚式よりも派手で、もっと華やかなやつを」
「いや、身内だけでいい」
「だめ。君が僕のものであるって証をみんなに見せないと」
結局、京楽の言う通り、派手な結婚式を挙げた。
オメガの浮竹が短期間で二度も結婚式を挙げたもので、瀞霊廷ではささやか噂になっていた。
あの上流階級の京楽が、なんでも嫁に行った浮竹に懸想して、無理やり奪っていったと。
実はその通りなので、京楽も浮竹も、噂を聞いても何も言わなかった。
やがて、浮竹は女児を妊娠した。
ちゃんとした京楽との間の子で、浮竹も京楽も、生まれてきた我が子をこれでもかというほどにかわいがり、少し我儘でおませな子に成長してしまった。
「ねぇ、今夜二人目作ろうよ」
「でも、明日は隊首会だ」
「一回で終わらせるから。いいでしょ?ああ、それともヒートになる薬を使おうか。そうしよう。そしたら、君は休暇を認められて、夫である僕も休暇を認められるから」
「ちょ、京楽!」
京楽は有無をいわせず、金で買いあさった裏マーケットの品に手を出した。
浮竹に飲ませると、浮竹はヒートを起こした。
既に前のヒートから2カ月半が経っていたので、ヒートがきてもおかしくない時期だった。
「あ、あ・・・・熱い。苦しい・・・京楽が欲しい。京楽の子種を、奥でいっぱい出してほしい。京楽、助けて・・・・・・」
弱弱しく抱き着いてくる浮竹を抱きあげて、京楽は過ごしている自分の屋敷の離れに移動した。
生まれた女児は、乳母が面倒を見てくれていた。
隊長として忙しい二人は、なるべく子育ても自分たちでするようにしていたが、隊長だけにいつも傍にいられるわけではなかった。
「今、熱を鎮めてあげるから」
浮竹に口づけながら、京楽は完全に自分のものになってしまった浮竹に、うっとりとしていた。
「あ、早く!」
急かしてくる浮竹を宥めて、抱いた。
その日、浮竹は4人目の子を懐妊した。
始めに違う男の双子を、次に京楽の子である女児を、その次もまた京楽の子を。
京楽は、番である噛み後をなぞるように、浮竹の首を噛んだ。
「あ!」
浮竹は全身を震わせて、いっていた。
「浮竹、次は男の子がいいな。避妊はしないでね」
「あああ!」
京楽の声は遠く浮竹の元に響いていた。結局その日はアフターピルを飲まなかった。
それなのに、その一夜だけで懐妊した。
オメガは、アルファの子を産む相手として見られがちで、元浮竹の夫であった男も、アルファで浮竹にアルファの子供を出産してもらおうとしていた。
その目論見は成功し、浮竹の元夫は、双子のアルファの男児を手に入れた。
噂では、ベータの女性と結婚したらしい。
ベータの子は、ベータになるのが基本だ。アルファの跡取りがいるので、気楽だろう。
京楽は、生まれてきた男児を、上の女児と同じぐらい可愛がった。
「京楽、もう俺はお前の子は産まんぞ。二人で手一杯だ」
京楽の番にされて、十年以上の時が過ぎようとしていた。
変わらず京楽は浮竹が好きだったし、浮竹もまた京楽が好きだった。
まだ若いので、ヒート期間になると屋敷の離れで睦みあった。
もう、お互いを離さないと、心に決める二人であった。
浮竹には許嫁がいた。上流貴族の男だった。
オメガの男は、子を産むことができる。死神の隊長にまで上りつめた浮竹の子は、霊圧が高くてきっと将来隊長になるだろうと、望まれての縁談だった。アルファの子を産めば、その子供のほとんどがアルファになった。
浮竹の婚約者は、アルファだった。
浮竹は、京楽のことが好きだった。
ずっと、学院時代から。
でも、自分は違う男と結婚するのだと、すでに諦めていた。
始めてヒートになった学院時代、浮竹は京楽に抱かれた。京楽はアルファだった。
ヒート抑制剤を飲んでいたが、ヒートは収まらず、京楽に助けを求めて抱かれた。
京楽との関係は、不思議なものだった。
恋人というわけでもなく、けれど親友以上で。
浮竹は、婚姻を何かと理由をつけて先延ばしにしていた。
ヒート期間に京楽に抱かれるたびに、アフターピルを飲んだ。
そんな浮竹も、婚約相手が雨乾堂までやってくるようになって、京楽のことを諦めて嫁ぐ覚悟を決めた。
結婚式は盛大に行われた。
初夜で、浮竹が初めてではないと知った夫は、怒りはしなかった。
優しかった。
それが、辛かった。
首筋をかまれて、番となった。
ああ、俺はこの男を愛するのだ。
愛さなければ。
けれど、心は京楽を愛していた。
結婚して日にちが経つたびに、けれど夫のことも愛するようになっていた。
「愛している、十四郎」
「俺も、愛している」
夫のことは、嫌いではなかった。
逢瀬を重ねるたびに、京楽に抱かれ慣れていた体は、やがて夫の色に染まるようになっていた。
京楽は、長い間遠征に出ていた。
帰ってきた時、浮竹は上流階級の男に嫁いだ後だった。
身を引き裂かれる思いを抱いた。
京楽は、浮竹を奪おう。
そう心に決めた。
浮竹は、妊娠していた。
大切にされて、幸せだった。
その幸せを全部ぶち壊すかのように、現れた京楽は、浮竹を有無を言わせず攫った。
「京楽、どういう真似だ!」
「君が、僕以外の男のものになるのが許せない」
「俺が婚約相手を持っていると、知っていただろう!」
「まさか、本当に結婚するなんて思ってなかった」
「俺はもう、結婚してあの男の番で妻で、子を妊娠しているんだ」
びくりと、京楽の体が強張った。
「じゃあ、そのお腹の子は僕の子ってことにする」
そう言いだす京楽に、浮竹は恍惚となった。
ああ、俺は京楽に愛されている。
「君を愛している、浮竹」
「俺も、お前を愛している」
夫も愛しているが、それよりも京楽を愛し続けていた。
「僕はばかだ。もっと早くに君を番にすればよかった」
「俺は、夫の番だ。どうするつもりなんだ」
「金があれば、番を解消させる薬なんかも手に入れられるんだよ。これだ」
透明な薬を見せられた。
雨乾堂に連れてこられて、布団をしいてその上に横たえられた。
「ねぇ、浮竹。僕だけのものになって」
「京楽・・・・俺は、もう、お前のものじゃない」
「じゃあ、体に教えてあげる」
透明な薬を京楽は口に含み、浮竹に口移しで飲ませた。
「あ、あああ!?」
ズクリと。
体が熱くなった。
番の印である噛み傷の痕が消えていた。
そして、浮竹は強制的なヒートになっていた。
「熱い。体が熱い。助けてくれ、京楽」
夫の名は口にしなかった。
遠い昔から、京楽を愛していた。夫も愛するようにと心がけて、やっと愛せるようになったのに。
その矢先の出来事。
まさか、京楽がこんな強硬手段に出るとは思っていなかった。
「大好きだ、浮竹。こんなことになるなら、学院時代に君を番にすればよった」
「あ、俺はもう何度も夫に抱かれて・・・・」
「そんなの関係ない。君は僕のものだ。僕のものであるべきだ」
京楽は、独占欲の塊になっていた。
愛しい相手が、遠征から帰ってきたら他の男の妻になっていた。
そんなこと、耐えられるはずがない。
たとえ上流貴族同士のいざこざが起きても、もう浮竹を手放すつもりはなかった。
死覇装を脱がされて、浮竹は学院時代に戻った錯覚を覚えていた。
この浅ましい体は、ヒート期間京楽に抱かれたことをきちんと覚えていた。
「抱くよ。そして、僕の番にする」
「あ、番にしてくれ、京楽。お前以外、もう何もいらない」
浮竹は妊娠していた。
そんなこともお構いなしに、やや乱暴に口づけた。
「んう」
舌と舌を絡みあわせて、どちらのものかもしれない唾液が顎を伝った。
「かわいいね、十四郎」
すでに浮竹のものは、とろとろと先走りの蜜を零していた。
「あ!」
それを、京楽が口に含んだ。
根元を手でしごきながら、鈴口を舌で突かれて、浮竹は京楽の口の中に精を吐き出していた。
「薄いね。君の夫は、何度君を抱いたの」
「あ、昨日、抱かれた。何度になるか、数えたことはない」
「君を、再び僕色に染めないと。僕だけのものだって、体に刻まないと」
そういって、京楽は服を脱いだ。
「あ、春水、春水」
学院時代のヒート期間に戻ったかのようだった。
浮竹はただ京楽を求め、京楽もまた浮竹を求めた。
薄い胸板を撫でて、先端をつまみあげて、もう片方を舌で転がした。
「春水、はやく、きてくれ」
「指で慣らさないと」
「そんなのいいから!どうせオメガの俺は濡れる。だから、だから!」
求めてくる浮竹に応えて、京楽は己のもので浮竹を貫いた。
「ああああああ!!!」
同時に噛みつかれた。
番になった証が、右の首筋にくっきりと浮かび上がる。
電流が体中を走り回った。
「あ、番になった・・・・俺は、夫をもちながら、京楽の番に・・・・」
どちゅんと最奥の子宮口を貫かれて、浮竹は背を弓ぞりにしならせた。
「あああ!」
「ここ、好きだよね。奥でぐりぐりされるの」
「や、だめ、赤ちゃんが、赤ちゃんが」
「君の赤ちゃんも、僕の精液が欲しいっていってるよ。ここきゅきゅうしめつけてくる」
「あ、や、春水」
前立腺ばかりを突かれて、京楽はは勃ちあがった浮竹のものを手でこすった。
「あ、やぁ、変になる!やぁぁ、や!」
「中でもいけるでしょ。外も一緒にいけばいい」
「やああああああ!!」
ドライのオーガズムでいかされながら、射精していた。
二重にいかされて、浮竹はびくんと体をしならせた。
「ああ・・あ・あ」
何度も、京楽のもので突き上げられ、揺さぶられ、抉られた。
京楽が満足して、浮竹の子宮口にびゅるびゅると、濃い精液を注ぎ込む頃には、浮竹はぐったりしていた。
「大丈夫?」
「も、無理・・・・・・」
「まだ、僕は一回しかいってないよ。最後まで、付き合ってね」
「やっ」
内部の熱は、高まって硬いままで、浮竹は口では嫌といいながら、体は浅ましくもっともっとと求めていた。
「胎の奥で、もっと出してくれ。赤ちゃんが、お前の子供になるように」
「うん、いっぱい注いであげる」
京楽は、浮竹の妊娠していることに、気遣うこともなく抱いた。
流産するなら、すればいい。
自分の子供ではないのだ。
その日、浮竹は京楽に激しく抱かれ、次の日熱を出した。
「ごめんね、浮竹。久しぶりすぎて、加減できなかった」
「お前の気持ちを確かめもせずに、嫁いだ俺も悪い」
「そうだね。僕のこと好きなら、婚約破棄してくれればよかったのに」
「相手は上流貴族だ。下級貴族の俺に決定権はない」
「その上流貴族で、元君の夫であった死神と、今日話つけてくるから」
京楽は、浮竹を寝かしつけて、浮竹の夫である死神の元に向かった。
話は、浮竹がまだ京楽のことを好きで、番を解消させて、自分と番になったことを話すと、夫であった男は諦めたかのようにため息をついた。
浮竹と番になるのを認め、離婚を承諾した。
代わりに、浮竹の子は、後継ぎとしてもらう、ということで話は解決した。
それから数カ月が経ち、浮竹は男児を出産した。帝王切開で子を産み、双子だった。
浮竹の意識が戻らないうちに、双子の子は、浮竹の元夫であった者の手に落ちていった。
意識を取り戻した浮竹は、子供を一度も抱くことなく取り上げられたことを悲しんでいたが、京楽が耳元で囁いた。
「退院したら、君を強制的にヒートにして抱くよ。僕の子を孕んでもらう」
ヒートは、薬である程度コントロール可能だった。
なくすことはできないが、ヒートにさせたり、遅らせたりすることはできた。
「京楽!」
真っ赤になる浮竹が愛しくて、京楽は笑っていた。
「結婚式を挙げよう。君が挙げた結婚式よりも派手で、もっと華やかなやつを」
「いや、身内だけでいい」
「だめ。君が僕のものであるって証をみんなに見せないと」
結局、京楽の言う通り、派手な結婚式を挙げた。
オメガの浮竹が短期間で二度も結婚式を挙げたもので、瀞霊廷ではささやか噂になっていた。
あの上流階級の京楽が、なんでも嫁に行った浮竹に懸想して、無理やり奪っていったと。
実はその通りなので、京楽も浮竹も、噂を聞いても何も言わなかった。
やがて、浮竹は女児を妊娠した。
ちゃんとした京楽との間の子で、浮竹も京楽も、生まれてきた我が子をこれでもかというほどにかわいがり、少し我儘でおませな子に成長してしまった。
「ねぇ、今夜二人目作ろうよ」
「でも、明日は隊首会だ」
「一回で終わらせるから。いいでしょ?ああ、それともヒートになる薬を使おうか。そうしよう。そしたら、君は休暇を認められて、夫である僕も休暇を認められるから」
「ちょ、京楽!」
京楽は有無をいわせず、金で買いあさった裏マーケットの品に手を出した。
浮竹に飲ませると、浮竹はヒートを起こした。
既に前のヒートから2カ月半が経っていたので、ヒートがきてもおかしくない時期だった。
「あ、あ・・・・熱い。苦しい・・・京楽が欲しい。京楽の子種を、奥でいっぱい出してほしい。京楽、助けて・・・・・・」
弱弱しく抱き着いてくる浮竹を抱きあげて、京楽は過ごしている自分の屋敷の離れに移動した。
生まれた女児は、乳母が面倒を見てくれていた。
隊長として忙しい二人は、なるべく子育ても自分たちでするようにしていたが、隊長だけにいつも傍にいられるわけではなかった。
「今、熱を鎮めてあげるから」
浮竹に口づけながら、京楽は完全に自分のものになってしまった浮竹に、うっとりとしていた。
「あ、早く!」
急かしてくる浮竹を宥めて、抱いた。
その日、浮竹は4人目の子を懐妊した。
始めに違う男の双子を、次に京楽の子である女児を、その次もまた京楽の子を。
京楽は、番である噛み後をなぞるように、浮竹の首を噛んだ。
「あ!」
浮竹は全身を震わせて、いっていた。
「浮竹、次は男の子がいいな。避妊はしないでね」
「あああ!」
京楽の声は遠く浮竹の元に響いていた。結局その日はアフターピルを飲まなかった。
それなのに、その一夜だけで懐妊した。
オメガは、アルファの子を産む相手として見られがちで、元浮竹の夫であった男も、アルファで浮竹にアルファの子供を出産してもらおうとしていた。
その目論見は成功し、浮竹の元夫は、双子のアルファの男児を手に入れた。
噂では、ベータの女性と結婚したらしい。
ベータの子は、ベータになるのが基本だ。アルファの跡取りがいるので、気楽だろう。
京楽は、生まれてきた男児を、上の女児と同じぐらい可愛がった。
「京楽、もう俺はお前の子は産まんぞ。二人で手一杯だ」
京楽の番にされて、十年以上の時が過ぎようとしていた。
変わらず京楽は浮竹が好きだったし、浮竹もまた京楽が好きだった。
まだ若いので、ヒート期間になると屋敷の離れで睦みあった。
もう、お互いを離さないと、心に決める二人であった。
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