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クリスマス

ルキアは、残りの高校生活を楽しんでいた。

一護と一緒に、また暮らしだした。

そうなる前から、大戦が終わった直後くらいにはお互いに好きだと告白しあって、付き合っていた。

現世は、クリスマス一色だった。

街の街路樹にはイルミネーションの飾りつけがされて、夜になると星より綺麗に瞬いた。

「一護、クリスマスだぞ!」

「わーってるよ。そんなにはしゃいでも、クリスマスは逃げていかねーよ」

ルキアは、長袖の分厚い生地のワンピーにダウンのコートを着ていた。

吐く息が白くなる。

夜のクリスマス一色に染め上げられた街を、一心の許可を得てぶらついていた。

まだ、高校生だ。

あまり深夜まで俳諧していると、きっと補導されてしまう。

「あったこの店・・・ルキア?おい、ルキア!!」

探すと、街路樹の傍に置いてあった、綺麗に飾りつけをされたもみの木を見上げていた。

「ルキア、はぐれたらどうするんだ」

「む?その時は、霊圧で貴様の場所を探知する」

「予約の時間に遅れるから、素直についてこい」

「うむ」

レストランを予約していた。高くもなく安くもない店だが、メニューが美味いと評判で、予約しなければ入れない盛況ぶりだった。

クリスマスということで、主にカップルが目立った。

予約していた席まで案内される。

すでに、時間であったのでメニューが置かれていた。

メインはタンドリーチキンを中心に、ピザ、グラタンといったものだった。

あつあつだったので、少し冷ましてから食べた。

「美味い・・・ほろほろと口の中で溶ける・・・けしからん美味さだ」

「けしからん美味さっってなんだよ」

一護が苦笑する。

「このような店、予約するの高かったのではないか?」

「そうでもねぇよ。でも、予約がいっぱいで、3か月前から予約してた」

食後に、クリスマスのアイスケーキが出てきた。

「かわいい・・・」

チョコのサンタが、トナカイに乗っていた。

ルキアはそれを食べることに戸惑ってたところを、一護がフォークをぶっさして食べてしまった。

「ああ、サンタさんが!」

「早く食わないと、溶ける」

「う、うむ・・・・・私のサンタさんが・・・・・」

「わーったよ。俺の分やるから」

一護は、まだ残してあったサンタのチョコを、フォークでぶっさした。

「ああ、またサンタさんを!」

「いいから、口開けろ」

素直に口を開けるルキアに、一護はサンタのチョコレートを口の中に入れた。

「ん、冷たくて甘い・・・・口の中でとろけていく」

アイスケーキを完食して、酒を飲むわけにもいかないので、ソフトドリンクを飲んでいた。

「これ、クリスマスプレゼント・・・・」

荷物の中から、一護はルキアのためのクリスマスプレゼントを出した。

「安物で悪ぃけど・・・」

それは、銀細工のブレスレットだった。アメジストがたくさん嵌め込まれていた。

「うわぁ、綺麗だな」

光に輝くアメジストのブレスレットに、ルキアは夢中になった。

「ありがとう、一護。私からのクリスマスプレゼントはこれだ!」

チャッピーのパジャマをもらった。

「おう、ありがとう」

着ぐるみじゃなくてよかったと思う一護だった。

「なぁ、高校卒業しても、またこうして会おうぜ」

「当たり前であろう!私と貴様は交際しているのだ!」

ルキアの言葉に、一護は微笑んだ。

ああ、その顔好きだな・・・・・。

そう思って、一護を見つめていた。

「む、兄様からだ」

白哉専門の伝令神機が鳴って、ルキアは出た。

「兄様どうしたのですか!」

「クリスマスプレゼントだ」

店員がやってきた。

というか、サンタのコスプレをした白哉であった。

「兄様・・・・素敵です、凄く似合っています」

「ルキアにはこれを・・・・黒崎一護、兄にはこれだ」

「つかなんで白哉が現世にいやがるんだ!」

「朽木家の財をもってすれば、不可能などない」

ふっと笑む白哉に、ルキアはメロメロ状態だった。

「ああ、素敵です兄様・・・・・」

白哉が渡してきたプレゼントの包みを少しあけて見てみる。

わかめ大使の着ぐるみだった。

「めっちゃいらねぇ・・・・」

小声だった。

「ルキアは何もらったんだ?」

「プラチナのブレスレットだ」

ああ。

贈り物が重なってしまった。

「一護からもらったのを右手に、兄様からもらったのを左手につければよい」

「そうか・・・・・」

重なっても、良かったのだ。

それに、ルキアの瞳と同じ色のブレスレットを、ルキアはとても気に入ってくれた。

「店、出ようか」

「ああ」


黒崎家の自宅に戻り、自室に戻った。

白哉とは、レストランの前で別れた。

「なぁ、ルキア」

「なんだ」

「俺のクリスマスプレゼント、白哉みたいに豪華なものじゃないが、そんなに気に入ったのか?」

「ああ・・・こうして光に透かすと、紫色の影が落ちるのだ」

天井の光に透かせてみせるルキア。

「ああもう、お前はかわいいな!」

抱き寄せて頭を撫でてやると、ルキアは甘えてきた。

「いちご、もっと・・・・」

さらさらの黒髪を手ですいて、舌が絡まるキスをした。

「ふあ・・・・もっと・・・」

「ああ、もうなんでこんなにかわいいんだ!」

ルキアの濡れた瞳が、煽情的だった。

もう一度キスをして、離れた。

「最後まで、しないのか?」

「高校を卒業してからだ。俺が一人暮らしするから、それまでは無理だ」

妹や父親のいる黒崎家では、睦みあえない。

「ラブホテルに、いくか?」

ぶーっと、一護は飲みかけのお茶を吹き出した。

「誰だ!誰がお前に、そんなことを吹き込んだ!」

俺の純白のルキアの思考を穢す奴は許さん。

「この前、テレビでやっていた。やる目的にのために、ラブホテルがあるのだと、言っていた。
その、いいのだぞ?お前が欲しいなら、行ってもいい。私の初めてを貴様に・・・」

「その話はそこまでで」

「いちご?」

「高校の間は、清いままで交際しようって約束したじゃねーか。それに、ラブホテルとかただ単にルキアの体目的のためみたいで、嫌だ」

「私はそれでも、良いのだぞ?一護が好きだ。一護のためなら・・・・・」

ルキアは、潤んだアメジストで見つめてきた。

「俺もルキアが好きだし、抱きたいと思ってる。でも、高校卒業まではだめだ。白哉とも、約束したしな・・・・」

「そうか、兄様が・・・・・ということは、私と付き合うために、わざわざ兄様に会いにいったのか!?」

「ああ、そうだ。すっげー顔して睨まれて、千本桜でその覚悟はあるのかって斬りかかってきた・・・・・・」

ルキアは、小さく笑った。

「兄様のしそうなことだ」

「最後は、妹さんを俺にくださいって言ったら、放心して、その後、卍解して互いに斬りあった」

「うわぁ・・・・・・」

「俺が諦めないてって何度も言うと、付き合うことを・・・・結婚前提に、許してもらった」

「え、結婚前提!?初耳なのだが!」

ルキアが、その大きな瞳をさらに大きく見開く。

「あ、言うの忘れてた」

「一護のたわけ!このばかばか!」

ぽかぽかと殴られたが、痛くはなかった。

「そういうことだから、俺も我慢するから、ルキアも我慢な?」

「分かった・・・・・・」

ルキアは、一護を押し倒して、唇を重ねてきた。

「ルキア?」

「私も、欲はあるのだ。結婚前提ということは、私が人間になるのであろうか?それとも、一護が死神化するのであろうか」

「多分後者だ。マユリに薬をどうとか言ってたから」

ルキアが目を輝かせる。

同じ時間を生きられるのだと。

「一護、しかしよいのか?家族を捨てることになるのだぞ」

「別にいいよ。完全に顔を出さなくなったりするわけじゃねーんだし」

「愛してる、一護」

「俺も愛してる、ルキア」

残りの高校生活を穏やかに暮らしていこう。

そう思う二人であった。






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