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クリスマス(京浮)

「クリスマスだなぁ」

「そうだねぇ」

尸魂界でも、クリスマスの行事が目立ちだした。

まだ完全に定着はしていないけれど、一番隊の執務室にはクリスマスツリーがあるし、クリスマス当日はパーティーが開かれる予定だった。

1番隊の執務室にあるクリスマスツリーは見事なもので、よくこんなものを山本総隊長が手配したものだと思うくらい、立派なものだった。

「クリスマスプレゼント、受け取るかい?」

「俺も用意してある」

互いに、クリスマスプレゼントを渡しあう。

「中身、あけていいかな?」

「ああ。俺も、中身あけるぞ」

互いに、同じ瞬間に中身をあけた。

浮竹からは、上等の赤ワインとグラスとコースターの3点セット。

京楽からは、翡翠があしらわれた金細工のヘアピンが3つだった。

「同じ、3つか」

「奇遇だね」

「高かったんじゃないのか。翡翠のヘアピンなんて」

「小ぶりだから、そんなに驚くほどの値段はしないさ。それより、このワイン高いやつだね。君の給料、大丈夫かい?」

「ちょっと今月はきついが、この日のために1年こつこつ貯めてきたからな。まぁ平気さ」

「浮竹、愛してるよ」

「俺も愛してる、京楽」

「ヘアピンかして」

京楽に渡すと、京楽は浮竹の右側の白い髪を三か所、ヘアピンで留めた。

「髪飾りや簪よりは、使いやすいでしょ」

「そうだな。これをつけて外に出歩いても、何も思われなさそうだ」

時折、髪を結いあげて髪飾りや簪を使うが、大抵京楽のためで、その恰好で外に出ると目立つので、あまり外にいくときは髪飾りや簪は使わない。

「そういえば、誕生日も近いね。ハッピーバースディ、浮竹」

「まさか、誕生日プレゼントも用意してあるのか?」

「うん、そうだよ」

「俺は金喰い虫だな・・・・」

「そんなこと言わないでよ。君のためだから、僕は購入するんだから」

上流貴族である京楽の財力は、自分専用の屋敷をいくつか構えてあるくらいで、底が見えない。

浮竹と京楽は、互いを抱き締めあって舌が絡まるディープキスを繰り返した。

「ん・・・・するのか?」

「いや、君、昨日まで臥せってたでしょ。やめておくよ」

「俺にもう少し金があれば、もっと立派なものをやれるんだが・・・・同じ赤ワインでも、年代もののやつとか」

「君は、今くらいがちょうどいい。僕が補助してあげれるくらいが、僕にも心地よい」

「毎度毎度、すまないな・・・・・」

飲食代とかは、基本京楽もちだ。

浮竹の給料は、家族の仕送りと薬代でほとんど消えてしまう。わずかに残った額を貯蓄して、クリスマスプレゼントや誕生日プレゼントを買っていた。

「メリークリスマス、浮竹」

「メリークリスマス、京楽」

今年のクリスマスイブも、過ぎていくのだった。



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