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クリスマス(恋白)

「隊長、メリークリスマス」

「・・・・・・メリークリスマス」

あまり、現世の行事に詳しくない白哉にとって、クリスマスという行事は最近になって知ったものだった。

恋次は何度か現世にいっているので、クリスマスにも、もう慣れたものだった。

朽木邸では、白哉の愛する義妹のために、大きなクリスマスツリーが置かれて、クリスマスの日になるとルキアのために何かをあげていたのだが、今年は恋次も加わった。

さて、何をあげよう・・・・・。

前に恋次が贔屓にしていた銀蜻蛉という眼鏡屋で、恋次が欲しがっていたゴーグルを買ってみた。

最近は、叩き壊されるという理由でゴーグルをつけていなかった恋次だが、大戦も終わり静かになった。

「クリスマスプレゼントだ。お前にやろう」

綺麗にラッピングされた包みを、恋次に渡す。

「うお、これ銀蜻蛉の品ですか!?」

「何故分かった」

「だって、この包み紙みたことありますから」

「そうか」

恋次が渡してきてクリスマスプレゼントをあけて見る。わかめ大使の柄入りの手袋とマフラーだった。

「ほう、わかめ大使か」

原案である白哉には、嬉しい贈り物だった。

「お前も、わかめ大使のよさが分かったと見える」

いや、そうじゃないんですけど。

言葉には出さなかった。

恋次は、白哉からのクリスマスプレゼントをあけた。

最新式のモデルのゴーグルだった。

値札がそのままついてあった。

50万環という値段に、驚く。

50万環といえば、現世にすると50万円になる。流石4大貴族と思いながら、白哉にあげたマフラーと手袋は、3万環もかかっていない。

特注品ではあったが、もっと高価なものを贈ったほうがよかったかと思案する。

「恋次、お前の考えていることは分かっている。私は、お前からもらえるだけで満足だ」

「隊長・・・・・」

「私もおるのだぞ」

「うわルキア、吃驚した。現世にいってたんじゃねーのかよ。一護はどうした。放りだしてきたのか」

「たわけ!24日に共にクリスマスを祝った。25日は兄様と祝うのだ」

今日は、クリスマス当日だった。

「恋次、貴様にはこれをやろう」

チャッピーのパジャマだった。

「お、おう、ありがとう」

「兄様にはこれを」

わかめ大使柄の、毛布だった。

「これは良いものだ。ルキア、すまぬ」

「いえ兄様の喜ぶ顔が見れるなら、この朽木ルキア、労力など惜しみません!」

「ルキアには、これを・・・・」

恋次が渡したのは、チャッピー柄のバスタオルだった。

「おお、恋次のくせに私のツボを押さえているではないか」

ルキアは、嬉し気だった。

「ルキア、私からもこれを」

チャッピーの、非売品のリュックだった。

「兄様これは幻の、チャッピー15周年記念の非売品のリュック!これはどうやって手に入れられたのですか!?」

「金を、積んだ」

「流石です、兄様!」

ルキアは、きらきらとして目で、白哉を見ていた。

「おっと、恋人同士の時間の邪魔をするのもあれですから、私は一護のところにでも行ってきます!兄様、恋次と仲良くしてくださいね!」

ルキアの言葉に、白哉は赤くなった。

ルキアに、恋次との関係がばれて数年になるが、ルキアは常に白哉の背中を押してくれた。

「あれは・・・・もう、私の手の届かぬところにおるのだな」

恋次はルキアより白哉を選び、そしてルキアは恋次より黒崎一護を選んだ。

「いずれ、死神化させて、朽木家に迎え入れるつもりだ」

「ええ、一護をですか!?」

「そうだ。何も、気に悩む必要などなかろう。一護の相手はルキアだ。家族になるだけだ。お前の考えているようなことにはならぬ」

恋次は、白哉に迫った。

「じゃあ、俺と結婚してください」

「何故そうなる」

「あんたと、家族になりたい」

白哉は、指に光る指輪を見せた。

「すでにエンゲージリングをしている。これは結婚の意味も兼ねているのではなかったのか?」

「そうだった・・・・・」

「愚か者め・・・・・」

「隊長、愛してます。また、来年も一緒にクリスマス、祝いましょう」

「分かった」

こうして、思い思いのクリスマスの夜は更けていくのであった。






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