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クリスマス

「メリークリスマス!」

「早い。まだ12月の初めだぞ」

「ぐふふふふ。クリスマスプレゼントは、ボ・ク」

ラッピングを施した院生の服を着た京楽が、浮竹を押し倒す。

「ぎゃああああああああ」

「ボクを味わって食べてね?」

「そうか。人肉は食ったことはないが、おのぞみなら・・・・・」

京楽を押しのけて、台所にいって、包丁を手に取った浮竹に、京楽はぎょっとなる。

「ぎゃあああああ!殺されるううううう」

けっこう本気な勢いの浮竹に追い掛け回されて、京楽は逃げだした。

「ふう。うるさいのがいなくなって、静かだな」

浮竹は、包丁を直して、ベッドに横になる。

最近、京楽がよく迫ってくる。

追い払うのも一苦労だ。

しばらくは戻ってこないだろうと思っていた京楽だったが、適応能力が高いのか、すぐに帰ってきた。

「その、君が望むならボクを食べてもいいんだよ。人肉じゃなしに、性的な意味で」

「ぶーーーーーーー」

浮竹は、飲みかけだったお茶を京楽の顔に吹いていた。

「浮竹の汁だあ♡」

「きもいこと言うな!お前を抱くなんて、できるか!もじゃもじゃなお前がどんなに誘惑してもその気にならん!」

「じゃあ、今年のクリスマスプレゼントは浮竹、君ね?」

「ああ、俺だな・・・・って、なんでそうなる!」

浮竹は、一人突っ込みを入れていた。

「えー。プレゼントのボクは拒否するから、プレゼントになってくれるんでしょう?」

「なった日には、貞操を失うわ!」

「当り前じゃない」

京楽は、浮竹の貞操を狙っている。

親友以上恋人未満な関係を続けている。

浮竹は京楽とそういう関係になることに躊躇いがあるが、京楽にはなかった。

京楽があまりにも迫ってくるものだから、キスとハグはOKしたが、日常的のように押し倒されたりする。

最近、その回数が多くなってきた。

そろそろ、京楽も我慢の限界かと思うのだが、浮竹は男に抱かれたいとは思わなかった。

京楽なら、大丈夫かもしれないけれど、それでもプライドというものがある。

そうやすやすと、貞操を奪われてなるものかと足掻く。

「今年のクリスマスプレゼントは、俺の手作りケーキで我慢しろ」

「え、浮竹ケーキ作れるの!?」

「ああ。母親に教わった」

「じゃあ、メインディッシュは浮竹で・・・・・」

鳩尾に拳を入れて、京楽を黙らせると、浮竹はもうクリスマスも近いのかと、感慨深くなった。

「ねぇ、今日は一緒に寝てもいい?」

「何もしないなら、いいぞ」

「ハグはしたい」

「ハグ以上したら、蹴り飛ばした上に金玉つぶす」

「うぎゃ・・・・・・」

ハグ以上を考えていた京楽は、股間をおさえた。

何度も浮竹に股間を蹴られるものだから、股間を蹴られる痛みにも大分慣れてきた。

「大体、俺は男だぞ。同じ男であるお前と同じものがついてるのに、抱きたいと思うお前の気が知れない」

「愛だからね。愛には性別も年齢も関係ない」

「いや、あるだろ」

もしも浮竹が幼子で、京楽が大人だったらキスやハグでも犯罪だ。

「今年は、クリスマスは二人だけで祝おうか」

「お、いいね。クリスマス会とかめんどうだものね」

「冬休みに入るから、家族の元に帰るという選択肢もあるが、お前の場合俺の家についてくるからな。父と母に息子さんをくださいとか言い出したお前だから、一緒に帰りたくない」

「えー」

京楽は、いつの間にか選択して干していた浮竹のパンツを盗み、頭に被っていた。

「だから、パンツを被るな!」

「じゃあ、(;゚∀゚)=3ハァハァしてもいい?」

「余計やめろ!」

「(*´Д`)ハァハァ」

「だから、やめろと言っている!」

どこからかハリセンを取り出して、それで京楽の頭をスパーンと殴ると、京楽は壁に頭を打って、白目をむいて気絶した。

「おい、京楽、京楽!?」

反応はない。

頭を打っているので、とりあえずその大柄な体を移動させて、ベッドに寝かせた。

「君も、一緒に寝よう」

「お前、大丈夫なのか」

「一瞬意識失ったけど、大丈夫。このまま寝ちゃおう」

寒いので、毛布を2枚かけて、布団をかぶって、そのまま就寝することになった。

「ん・・・・・・・」

深夜、何かもぞもぞしているなと思ったら、京楽が浮竹の胸に手をはわせていた。

「やめんか!」

「もぎゃ!」

問答無用で蹴り飛ばしてやった。

「寒いよ~~~」

「俺のベッドがあいているだろう。そっちで寝とけ」

「なぜに自分のベッドで寝てはいけないんだい」

「このベッドは今日は俺のベッドだから」

「じゃあ、そこに寝ている浮竹はボクのものだね!」

「なんでそうなる!眠いから、もう寝るぞ」

そのまま。浮竹はまた眠ってしまった。

「ねぇ。君が欲しい」

眠ってしまった浮竹にささやきながら、京楽も同じベッドにもぐりこみ、もう一度深い眠りに置いていくのだった。




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