奴隷竜とSランク冒険者52
一護からもらった、新月の夜に大人ドラゴンになる秘薬は、実年齢が22歳で、ドラゴンが成人するのには最低100年はかかるので、成長促進の魔法で卵から成人する20歳までを過ごした浮竹は、実年齢とドラゴンとしての年齢がちぐはぐで、秘薬は効かずにちびどドラゴンになっていた。
ハイエルフの浮竹とインフェルノドラゴンの京楽からもらった木苺ジャムを、今日も食パンに塗って食べている。
「よく飽きないねぇ」
「うまいからな!この木苺のジャムは俺の一番の好物だ!」
普通なら、ジャムなど3日もてばいいほうなのだが、好物だが作った相手の都合もあるので、1日食パン1枚に木苺ジャムを塗って食べることにしていた。
本当なら、1日食パン10枚に塗って食べたいところを、ぐっと辛抱していた。
でも、大切に食べていてもいつかはなくなる。
「むう、前は2週間はもったのに、今回は10日しかもたなかった。京楽、ハイエルフの俺とインフェルノドラゴンのお前のところにいくぞ」
「え、まさか木苺ジャムをもらうためだけに?」
「そうだ。何か悪いか?」
「いつもいつももらってばっかじゃ悪いからね。何かおみやげになるもの・・・・ボクの作ったブルーベリージャムでももっていくかな」
「む、そのブルーベリージャムも俺の好物なんだぞ。新品をもっていかれたら、食えなくなるじゃないか」
浮竹は不満そうに言う。
「ブルーベリージャムなんていつでも作ってあげるから」
「なら、よし」
浮竹は、人の姿をとっていてもよく食べるが、ちびドラゴン姿だと余計に食べる。
ダンジョンにもぐるときなんかは、食事は普通の成人男性が食べる量に減らしている。
普通の量でも十分に生きていけるのだが、暴食のスキルをもっているせいで、腹がすくのだ。
そうして、京楽の作ったブルーベリージャムと、浮竹の作ったおはぎと思われる物体をもって、ワープポータルをくぐり、ハイエルフの浮竹の家(神殿)にやってくると、インフェルノドラゴンの京楽が迎えに出てくれた。
「俺たちが来たって、わかるのか?」
『うん。気配察知でわかるよ』
「便利だな」
『覚える?けっこう簡単だよ』
「モンスターの気配はわかるから、人の気配を察知してもなぁ。まぁ、便利そうだから、帰る前にでも教えてくれ」
『お、遊びに来たのか?』
ハイエルフの浮竹がひょっこりと姿を現す。
「いつも、おいしい木苺ジャムを食いたいから、なくなったのでもらいにきた。ついにで、そのお礼に京楽の作ったブルーベリージャムと俺が作ったおはぎだ!」
浮竹は、黒い物体をとりだす。
つんとした刺激臭がした。
『そのおはぎ、食べれるの?』
「浮竹が料理することなんてまずないからねぇ。ボクは味見もしてないので、食べれるかどうかはわからないね」
「失礼な奴だな。じゃあ、最初にお前が食え!」
浮竹は、京楽の口におはぎをつっこんだ。
いや、おはぎらしき物体というのだろうか。
京楽はばたんと倒れて、それからさっと起き上がった。
「意識を失うほどの味がして、その後にまろやかな甘みがある。けっこうおいしいかも」
『意識を失うほどの味・・・・食べるのに、少し勇気がいるな』
「ハイエルフの俺もそう言わずに食え!」
『もがががが』
浮竹は、ハイエルフの自分の口にもおはぎもどきをつっこんだ。
ハイエルフの浮竹もまた、ばたんと倒れた後に起き上がった。
『何これ。壊滅的な味と思ったら、その後がどんなごちそうよりうまいような気がする』
『ボクも、勇気を出して食べてみよう』
インフェルノドラゴンの京楽は、浮竹の作ったおはぎもどきを食べて、倒れてそのまま起きてこなかった。
「あ、1個だけ女神の砂糖入れ忘れたのがあったんだった・・・・・・」
『女神の砂糖!?あの伝説の食材か!』
世界樹に住んでいた女神が作ったといわれる、白金貨が何枚もする砂糖だった。
「どうりでおいしいわけだね。食材が最高級なのに、初めの壊滅的な味は浮竹の手料理のせいだね」
「むう。インフェルノドラゴンの京楽、起きないぞ?」
『うわ、京楽ーーー!!』
『はぁ・・・・・三途の川を渡りかけたよ』
「そんなにまずいか?俺は食べても平気なんだがな」
浮竹は、女神の砂糖をふんだんに使ったおはぎもどきを食べた。
「うん、うまい。最初からうまいぞ」
「浮竹って、暴食のスキルあるからまずいものでもおいしく感じちゃうんだよね」
『フルムーンドラゴンの俺。料理禁止』
「えええ!なんでだ!」
浮竹は文句たらたらだった。
『君の作ったものは食べ物じゃない。女神の砂糖使ってなかったら、ただの黒い物体だよ』
「むう・・・・・・」
「ほら、浮竹。君の食べる分はボクが作ってあげてるでしょ?」
「俺だって、料理くらいできる」
『『できてない』』
「料理の腕は壊滅的だよね」
「むうううう」
浮竹は、すねてわざとちびドラゴン化すると、ハイエルフの浮竹とインフェルノドラゴンの京楽が、顔を青くして必死で止めるまで、作り置きしておいた二人分の食事を勝手に食べた。
『こら!!』
「つーん。ぴぎゃ」
『また、作らないと・・・・』
「ほら、浮竹謝って」
「つーん」
ぴぎゃ以外にも、つーんと言えるらしい。
「ぴぎゃ!」
「浮竹!木苺のジャムもらえないよ?」
「ぴぎゃあああ」
ごめんなさいと泣き出すちびドラゴンに、その場にいた3人はため息をつくのだった。
見た目は人型の時は大人でも、ドラゴン姿だとほぼちびドラゴンになる。
ちびドラゴンの時は思考も子供なので、子供の悪戯として処理するしかなくて、3人は大きなため息をついた。
「ほら、木苺のジャムだよ」
「ぴぎゃああああ♪」
木苺のジャムをたっぷりぬった食パンを渡されて、浮竹は目を輝かせて食べていく。
そして、最後には眠ってしまった。
「寝ているとかわいいんだけどねぇ」
『中身が子供だからなぁ。怒っても泣き出すだけだしな』
『寝ている間に、冒険者のボク、フルムーンドラゴンの浮竹を連れて帰って。こちとら、食べられた1週間分の保存していた食事を作りなおさなきゃ』
「ああ、うん、浮竹がごめんね」
インフェルノドラゴンの京楽は、優しそうな瞳で京楽を見る。
「君、変わったね」
『ああ、そうだね』
「いい方向に変わっていってるようで、よかったよ。浮竹は回収していくね」
京楽は、丸くなってすやすや眠るもふもふのちびドラゴンを抱えて、高級宿に帰っていくのであった。
『ああ、ちびドラゴンになったものだから怒るに怒れなかった。今度きた時は2時間のお説教だ!』
ハイエルフの浮竹は、嵐が去った後に怒り出すのであった。
ハイエルフの浮竹とインフェルノドラゴンの京楽からもらった木苺ジャムを、今日も食パンに塗って食べている。
「よく飽きないねぇ」
「うまいからな!この木苺のジャムは俺の一番の好物だ!」
普通なら、ジャムなど3日もてばいいほうなのだが、好物だが作った相手の都合もあるので、1日食パン1枚に木苺ジャムを塗って食べることにしていた。
本当なら、1日食パン10枚に塗って食べたいところを、ぐっと辛抱していた。
でも、大切に食べていてもいつかはなくなる。
「むう、前は2週間はもったのに、今回は10日しかもたなかった。京楽、ハイエルフの俺とインフェルノドラゴンのお前のところにいくぞ」
「え、まさか木苺ジャムをもらうためだけに?」
「そうだ。何か悪いか?」
「いつもいつももらってばっかじゃ悪いからね。何かおみやげになるもの・・・・ボクの作ったブルーベリージャムでももっていくかな」
「む、そのブルーベリージャムも俺の好物なんだぞ。新品をもっていかれたら、食えなくなるじゃないか」
浮竹は不満そうに言う。
「ブルーベリージャムなんていつでも作ってあげるから」
「なら、よし」
浮竹は、人の姿をとっていてもよく食べるが、ちびドラゴン姿だと余計に食べる。
ダンジョンにもぐるときなんかは、食事は普通の成人男性が食べる量に減らしている。
普通の量でも十分に生きていけるのだが、暴食のスキルをもっているせいで、腹がすくのだ。
そうして、京楽の作ったブルーベリージャムと、浮竹の作ったおはぎと思われる物体をもって、ワープポータルをくぐり、ハイエルフの浮竹の家(神殿)にやってくると、インフェルノドラゴンの京楽が迎えに出てくれた。
「俺たちが来たって、わかるのか?」
『うん。気配察知でわかるよ』
「便利だな」
『覚える?けっこう簡単だよ』
「モンスターの気配はわかるから、人の気配を察知してもなぁ。まぁ、便利そうだから、帰る前にでも教えてくれ」
『お、遊びに来たのか?』
ハイエルフの浮竹がひょっこりと姿を現す。
「いつも、おいしい木苺ジャムを食いたいから、なくなったのでもらいにきた。ついにで、そのお礼に京楽の作ったブルーベリージャムと俺が作ったおはぎだ!」
浮竹は、黒い物体をとりだす。
つんとした刺激臭がした。
『そのおはぎ、食べれるの?』
「浮竹が料理することなんてまずないからねぇ。ボクは味見もしてないので、食べれるかどうかはわからないね」
「失礼な奴だな。じゃあ、最初にお前が食え!」
浮竹は、京楽の口におはぎをつっこんだ。
いや、おはぎらしき物体というのだろうか。
京楽はばたんと倒れて、それからさっと起き上がった。
「意識を失うほどの味がして、その後にまろやかな甘みがある。けっこうおいしいかも」
『意識を失うほどの味・・・・食べるのに、少し勇気がいるな』
「ハイエルフの俺もそう言わずに食え!」
『もがががが』
浮竹は、ハイエルフの自分の口にもおはぎもどきをつっこんだ。
ハイエルフの浮竹もまた、ばたんと倒れた後に起き上がった。
『何これ。壊滅的な味と思ったら、その後がどんなごちそうよりうまいような気がする』
『ボクも、勇気を出して食べてみよう』
インフェルノドラゴンの京楽は、浮竹の作ったおはぎもどきを食べて、倒れてそのまま起きてこなかった。
「あ、1個だけ女神の砂糖入れ忘れたのがあったんだった・・・・・・」
『女神の砂糖!?あの伝説の食材か!』
世界樹に住んでいた女神が作ったといわれる、白金貨が何枚もする砂糖だった。
「どうりでおいしいわけだね。食材が最高級なのに、初めの壊滅的な味は浮竹の手料理のせいだね」
「むう。インフェルノドラゴンの京楽、起きないぞ?」
『うわ、京楽ーーー!!』
『はぁ・・・・・三途の川を渡りかけたよ』
「そんなにまずいか?俺は食べても平気なんだがな」
浮竹は、女神の砂糖をふんだんに使ったおはぎもどきを食べた。
「うん、うまい。最初からうまいぞ」
「浮竹って、暴食のスキルあるからまずいものでもおいしく感じちゃうんだよね」
『フルムーンドラゴンの俺。料理禁止』
「えええ!なんでだ!」
浮竹は文句たらたらだった。
『君の作ったものは食べ物じゃない。女神の砂糖使ってなかったら、ただの黒い物体だよ』
「むう・・・・・・」
「ほら、浮竹。君の食べる分はボクが作ってあげてるでしょ?」
「俺だって、料理くらいできる」
『『できてない』』
「料理の腕は壊滅的だよね」
「むうううう」
浮竹は、すねてわざとちびドラゴン化すると、ハイエルフの浮竹とインフェルノドラゴンの京楽が、顔を青くして必死で止めるまで、作り置きしておいた二人分の食事を勝手に食べた。
『こら!!』
「つーん。ぴぎゃ」
『また、作らないと・・・・』
「ほら、浮竹謝って」
「つーん」
ぴぎゃ以外にも、つーんと言えるらしい。
「ぴぎゃ!」
「浮竹!木苺のジャムもらえないよ?」
「ぴぎゃあああ」
ごめんなさいと泣き出すちびドラゴンに、その場にいた3人はため息をつくのだった。
見た目は人型の時は大人でも、ドラゴン姿だとほぼちびドラゴンになる。
ちびドラゴンの時は思考も子供なので、子供の悪戯として処理するしかなくて、3人は大きなため息をついた。
「ほら、木苺のジャムだよ」
「ぴぎゃああああ♪」
木苺のジャムをたっぷりぬった食パンを渡されて、浮竹は目を輝かせて食べていく。
そして、最後には眠ってしまった。
「寝ているとかわいいんだけどねぇ」
『中身が子供だからなぁ。怒っても泣き出すだけだしな』
『寝ている間に、冒険者のボク、フルムーンドラゴンの浮竹を連れて帰って。こちとら、食べられた1週間分の保存していた食事を作りなおさなきゃ』
「ああ、うん、浮竹がごめんね」
インフェルノドラゴンの京楽は、優しそうな瞳で京楽を見る。
「君、変わったね」
『ああ、そうだね』
「いい方向に変わっていってるようで、よかったよ。浮竹は回収していくね」
京楽は、丸くなってすやすや眠るもふもふのちびドラゴンを抱えて、高級宿に帰っていくのであった。
『ああ、ちびドラゴンになったものだから怒るに怒れなかった。今度きた時は2時間のお説教だ!』
ハイエルフの浮竹は、嵐が去った後に怒り出すのであった。
PR
- トラックバックURLはこちら