ボクだけの翡翠11
「春水。これは親としての命令だ。見合いをして、結婚しなさい」
「はぁ!?」
「なんでも、自分の屋敷に愛妾の死神を住まわせているらしいじゃないか。しかも男。見合いをして結婚をして、正しい上流貴族として暮らしなさい」
京楽は、自分の両親の言葉に唖然とした。
今まで散々放置しておいて、浮竹を住まわせたとたん、浮竹を愛妾と決めつけて、見合いをして結婚しろだなんて。
「あはははは!ボクが見合い!?ボクと結婚しようという奇特な女性は誰?」
「四楓院家の傍系の方だ。身分はあちらが格上。くれぐれも失礼のないように」
「くそっ」
京楽は、浮竹を探した。
屋敷に突然両親が押しかけてきて、見合い話をもちかけてきた。
当然、愛妾と思われている浮竹に酷い言葉を言ったに違いない。
「浮竹!」
京楽が浮竹に与えた部屋に入ると、争った形跡があり、浮竹の頬は赤くはれていた。
「殴られたの!?」
「俺が、お前の愛妾だと言われて、正式に付き合っていると言ったら、殴られた」
「あいつら・・・・殺してやる・・・・・」
「京楽、いいから!俺のことは、もう、いいから・・・・・・」
「何言ってるんだい、浮竹。ボクは君を諦めないよ。見合いなんて、めちゃくちゃにしてやる!」
「でも、そんなことをすれば、京楽、お前が四楓院の者から咎を受ける」
「あいつら、見合い相手まで浮竹にしゃべったんだね」
京楽は舌打ちした。
「浮竹、ちょっと耳貸してくれる?」
それから数日たち、京楽の見合いの日がやってきた。
相手は傍系とはいえ四楓院家。4大貴族だ。
その姫君は幼く、まだ13歳といったところだった。
四楓院愛梨(しほういんあいり)
それが、彼女の名前だった。
「愛梨ちゃん、担当直入に聞くよ。お兄さんは、君のことを愛せないし愛そうとも思ってないし、結婚したとしても他に好きな人がいるので、そちらにばかり構う。こんなお兄さんと、見合いをして結婚したいと思う?」
「えー。愛梨わかんない。結婚に、好きとか嫌いとかあるの?」
「あるんだよ。ボクは君とは結婚しない」
「嘘!愛梨、四楓院家のお姫様だよ!愛梨の命令は絶対。愛梨、あなたのことが欲しくなってきた」
子供だと舐めていたら、子供独特の我儘を出してきた。
「ねぇ、愛梨と結婚して、その愛してるって人泣かせてみたい。それで、ぐちゃぐちゃになって別れて、結局愛梨の元に帰ってくるの」
「別れないよ。それに、ボクは愛梨ちゃん、君みたいな我がままお姫様は大嫌いなんだ」
「ひっどーい。愛梨、我儘じゃないもん!」
「困ります!今、春水様は見合い中で・・・・・・」
「京楽、帰るぞ。見合いは中止だ。四楓院愛梨。京楽は俺のものだ」
長くなった白い髪を美しく結い上げて、上等な着物を着て、薄く化粧をされた浮竹は、その場にいた誰よりも美しかった。
「誰?」
「浮竹十四郎」
「女の子じゃないの?」
「男だ。京楽春水は、女を相手にしないんだ」
「愛梨、あなたが欲しい!」
愛梨は、突然そんなことを言いだした。京楽の策では、見合いにきた女性に着飾った浮竹に、京楽は自分のものだと告げてもらい、見合いを破綻させるはずだった。
だが、見合い相手があまりにも幼かった。
それ故の誤算。
「愛梨、あなたと結婚する。あなたが欲しい。浮竹十四郎。四楓院家の名にかけて、命令するよ。愛梨と、結婚して」
「できない」
「どうして!?死刑になるとしても、結婚してくれないの!?」
「君と結婚して京楽と別れるくらいなら、潔く死を選ぶ」
「かっこいい・・・・・・・・」
愛梨は、浮竹のことを気に入ったようだった。
「愛梨が応援してあげる!いいよ、十四郎みたいに綺麗な子なら、春水も手放したくないよね。
愛梨が、四楓院家の名にかけて、二人の仲を認めてあげる!」
四楓院家の名にかけて、という言葉に、見合いの席の隣の部屋にいた両親は息を飲み、ことの顛末が、思い通りにならなかったため、浮竹の殺害を企てようとしていた。
「動かないで。愛梨、分かるんだから。訓練されてるんだから。そこの侍女、暗殺者だね?十四郎を殺したら、四楓院家の名にかけて、京楽家をつぶすよ?」
「愛梨ちゃん・・・・・」
「ふふ、春水のお兄ちゃん、少しは愛梨に惚れた?」
「痺れちゃうね」
「うふふふふ。愛梨は十四郎と春水ができてるのがいい。これ、腐女子っていうんだよね、確か。まぁいいや、愛梨が二人を応援してあげるから、見合いはおしまい!」
四楓院愛梨の手により、結局浮竹の存在もあって、見合いはめちゃくちゃで終わり、京楽の結婚はなくなった。
「四楓院家の姫君というから、どんな我儘女性か、おしとやかな女性かと思ったら、幼い少女だったな。仲を認めてくれたこと、素直に感謝しないと」
「そうだね。愛梨ちゃんには、今度手紙を書いて送るよ。浮竹も、手紙書いてね」
「ああ」
「浮竹、ほんと美人だね。いつもその恰好でいればいいのに」
「化粧とかされて、恥ずかしいんだぞ。一応、着物は男でも女でも着れるものを用意してくれいたが」
京楽の作戦に乗った浮竹であるが、着飾って登場するというのに、躊躇いを覚えたのは事実だ。
結局、見合いは破談。京楽春水と浮竹十四郎に手を出せば、四楓院家が黙っていないとなって、京楽の両親は口汚く浮竹のことを罵りながら、自分たちの屋敷に帰っていくのであった。
「はぁ!?」
「なんでも、自分の屋敷に愛妾の死神を住まわせているらしいじゃないか。しかも男。見合いをして結婚をして、正しい上流貴族として暮らしなさい」
京楽は、自分の両親の言葉に唖然とした。
今まで散々放置しておいて、浮竹を住まわせたとたん、浮竹を愛妾と決めつけて、見合いをして結婚しろだなんて。
「あはははは!ボクが見合い!?ボクと結婚しようという奇特な女性は誰?」
「四楓院家の傍系の方だ。身分はあちらが格上。くれぐれも失礼のないように」
「くそっ」
京楽は、浮竹を探した。
屋敷に突然両親が押しかけてきて、見合い話をもちかけてきた。
当然、愛妾と思われている浮竹に酷い言葉を言ったに違いない。
「浮竹!」
京楽が浮竹に与えた部屋に入ると、争った形跡があり、浮竹の頬は赤くはれていた。
「殴られたの!?」
「俺が、お前の愛妾だと言われて、正式に付き合っていると言ったら、殴られた」
「あいつら・・・・殺してやる・・・・・」
「京楽、いいから!俺のことは、もう、いいから・・・・・・」
「何言ってるんだい、浮竹。ボクは君を諦めないよ。見合いなんて、めちゃくちゃにしてやる!」
「でも、そんなことをすれば、京楽、お前が四楓院の者から咎を受ける」
「あいつら、見合い相手まで浮竹にしゃべったんだね」
京楽は舌打ちした。
「浮竹、ちょっと耳貸してくれる?」
それから数日たち、京楽の見合いの日がやってきた。
相手は傍系とはいえ四楓院家。4大貴族だ。
その姫君は幼く、まだ13歳といったところだった。
四楓院愛梨(しほういんあいり)
それが、彼女の名前だった。
「愛梨ちゃん、担当直入に聞くよ。お兄さんは、君のことを愛せないし愛そうとも思ってないし、結婚したとしても他に好きな人がいるので、そちらにばかり構う。こんなお兄さんと、見合いをして結婚したいと思う?」
「えー。愛梨わかんない。結婚に、好きとか嫌いとかあるの?」
「あるんだよ。ボクは君とは結婚しない」
「嘘!愛梨、四楓院家のお姫様だよ!愛梨の命令は絶対。愛梨、あなたのことが欲しくなってきた」
子供だと舐めていたら、子供独特の我儘を出してきた。
「ねぇ、愛梨と結婚して、その愛してるって人泣かせてみたい。それで、ぐちゃぐちゃになって別れて、結局愛梨の元に帰ってくるの」
「別れないよ。それに、ボクは愛梨ちゃん、君みたいな我がままお姫様は大嫌いなんだ」
「ひっどーい。愛梨、我儘じゃないもん!」
「困ります!今、春水様は見合い中で・・・・・・」
「京楽、帰るぞ。見合いは中止だ。四楓院愛梨。京楽は俺のものだ」
長くなった白い髪を美しく結い上げて、上等な着物を着て、薄く化粧をされた浮竹は、その場にいた誰よりも美しかった。
「誰?」
「浮竹十四郎」
「女の子じゃないの?」
「男だ。京楽春水は、女を相手にしないんだ」
「愛梨、あなたが欲しい!」
愛梨は、突然そんなことを言いだした。京楽の策では、見合いにきた女性に着飾った浮竹に、京楽は自分のものだと告げてもらい、見合いを破綻させるはずだった。
だが、見合い相手があまりにも幼かった。
それ故の誤算。
「愛梨、あなたと結婚する。あなたが欲しい。浮竹十四郎。四楓院家の名にかけて、命令するよ。愛梨と、結婚して」
「できない」
「どうして!?死刑になるとしても、結婚してくれないの!?」
「君と結婚して京楽と別れるくらいなら、潔く死を選ぶ」
「かっこいい・・・・・・・・」
愛梨は、浮竹のことを気に入ったようだった。
「愛梨が応援してあげる!いいよ、十四郎みたいに綺麗な子なら、春水も手放したくないよね。
愛梨が、四楓院家の名にかけて、二人の仲を認めてあげる!」
四楓院家の名にかけて、という言葉に、見合いの席の隣の部屋にいた両親は息を飲み、ことの顛末が、思い通りにならなかったため、浮竹の殺害を企てようとしていた。
「動かないで。愛梨、分かるんだから。訓練されてるんだから。そこの侍女、暗殺者だね?十四郎を殺したら、四楓院家の名にかけて、京楽家をつぶすよ?」
「愛梨ちゃん・・・・・」
「ふふ、春水のお兄ちゃん、少しは愛梨に惚れた?」
「痺れちゃうね」
「うふふふふ。愛梨は十四郎と春水ができてるのがいい。これ、腐女子っていうんだよね、確か。まぁいいや、愛梨が二人を応援してあげるから、見合いはおしまい!」
四楓院愛梨の手により、結局浮竹の存在もあって、見合いはめちゃくちゃで終わり、京楽の結婚はなくなった。
「四楓院家の姫君というから、どんな我儘女性か、おしとやかな女性かと思ったら、幼い少女だったな。仲を認めてくれたこと、素直に感謝しないと」
「そうだね。愛梨ちゃんには、今度手紙を書いて送るよ。浮竹も、手紙書いてね」
「ああ」
「浮竹、ほんと美人だね。いつもその恰好でいればいいのに」
「化粧とかされて、恥ずかしいんだぞ。一応、着物は男でも女でも着れるものを用意してくれいたが」
京楽の作戦に乗った浮竹であるが、着飾って登場するというのに、躊躇いを覚えたのは事実だ。
結局、見合いは破談。京楽春水と浮竹十四郎に手を出せば、四楓院家が黙っていないとなって、京楽の両親は口汚く浮竹のことを罵りながら、自分たちの屋敷に帰っていくのであった。
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