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ボクだけの翡翠14

「隊長昇格おめでとう、京楽」

「ありがとう、浮竹」

人事異動があり、8番隊の隊長は10番隊に移動し、晴れて京楽は8番隊の隊長となった。

山じいのお気に入りで秘蔵っ子であった京楽が、若くして隊長になるのをねたむ者はいたが、表面上は穏やかにことが運んだ。

それから5年後には、浮竹も13番隊隊長になっていた。

前の隊長は、名誉の戦死であった。

「どうか、安らかに・・・・・」

亡き前隊長の墓参りをした帰り道、京楽とばったり出会う。

そのまま、帰る場所は同じ屋敷なので、一緒に歩いた。

隊長になってからというもの、忙しいがそれなりに充実していた。

浮竹は新人の指導に力をいれて、京楽は仕事をさぼりがちだった。

浮竹は、雨乾堂という、仕事場と療養所と寝所を兼ねた庵を作ってもらい、そこに住みだした。

京楽は、よくそこに通った。

なんの用もないのに現れては、おはぎをもってきただの、酒を飲もうだのと口実を作ってはやってきた。

京楽は、自分の屋敷から浮竹が消えたことを寂しがっていた。

「今日は、ここに泊まるか?」

「え、いいの?」

「ああ。予備の布団を用意させてあるし、飯の用意もしてもらっている」

「ここ、お風呂もあるしね。ねぇ、一緒に入ろ」

「ああ、いいぞ。でも、お前の屋敷のように広くはないからな」

「うん、分かってるよ」

一人で使うには、広い浴室であったが、成人男性が二人入るには少し狭いかんじがした。

「お前、ますますもじゃもじゃになってるな」

「浮竹だって、ますますお肌がつやつやになってる」

「なんだそれは」

クスクスと笑いあうと、浮竹と京楽の視線がぶつかった。

ここ数日、お互い隊長としての職務に追われていたせいで、ご無沙汰だった。

「ひゃん」

いきなり京楽が、浮竹の尻をもむものだから、浮竹は変な声を出していた。

「いいでしょ?」

「こんな・・・風呂場でなんて・・」

「でも、始めてじゃないでしょ?今まで何回も、風呂場でセックスしてきたじゃない」

「仕方ないやつだな・・・・」

浮竹は唇を舐めた。

京楽はその仕草が好きだった。浮竹は淫靡で、エロく、美しい。

「ああああ!」

湯の力をかりて、潤滑油なしで侵入したので、浮竹のそこは限界まで広げられて、けれど馴染んできた行為のせいで、切れることはなかった。

「んあああ、お湯が、お湯が・・・・・・」

「お湯まで飲みこむの。淫乱だねぇ」

「やあん、そうさせたのは、誰だと思っている」

「さぁ、誰だろうねぇ」

京楽ははぐらかして、お湯の中で浮竹を突き上げた。

その度にお湯がっちゃぷちゃぷと音をたてて、排水口へと流れていく。

「や、お湯の中でいっちゃう」

「いいよ、いっても。後で、新しいお湯にいれかえて、入り直せばいい」

「やあん」

「かわいいね、浮竹は」

甘く啼く浮竹に誘われるように、京楽は浮竹を貫いて犯し、子種を浮竹の中で弾けさせていた。

「ああああ!!!」

同時に、浮竹も湯の中に精液を吐き出していた。

「あ、お湯に・・・・」

「いくらでもお湯の中に出していいよ」

「ああん、んああああ」

「く、きつ・・・・」

浮竹がいいところを突かれて、中いきしながら、中を締め付ける。

京楽は我慢できずに、浅いところで精液をぶちまけた。

「ふう・・・・・」

「あ、あ、あ」

京楽が動くたびに、ちゃぷちゃぷと音がした。

浴室なので、よく声が響いた。

「あ、声、抑えれない」

「誰もいないから、抑える必要ないよ」

「ひああああ!!」

最奥をごりごりと抉られて、浮竹は中いきしながら射精した。

「熱い」

「熱いね。のぼせたね」

「誰のせいだ」

「ボクのせいだね」

浴室から出ると、二人はのぼせて氷で冷やしたタオルを額に当てた。

「風呂場でやるのは、しばらくなしにしよう」

「しばらくじゃなくって、永遠になくていい」

「ええ、でも刺激あるじゃない」

「のぼせるのはいやだ」

「仕方ない、しばらく風呂場では控えようか・・・・・」

「しばらくじゃなくって、永遠でいい・・・・」

二人は、冷たい水を飲んで、窓をあけて空気を冷やして、のぼせた体が元に戻るのをまった。

少し遅い夕餉をとり、すでに睦み合ったので、そのまま就寝した。

「ねぇ、浮竹、起きてる?」

「ああ、まだ起きてる」

「昔、誓ったよね。一緒に隊長になろうって」

「そうだな」

まだ若い、院生時代の話だった。

「それ、叶ったね」

「そうだな」

「ボク、今度は浮竹と結婚したい」

「無理を言うな」

「2人だけでいいんだよ。2人だけで、結婚式を挙げたい」

「・・・・・いいぞ」

「え、本当に!?」

「重い!」

京楽にのしかかられて、浮竹は声をあげる。

「非番の日に、指輪を買いに行こう」

「うん。約束だよ」

いつか、隊長になれたら。

その先の願いはなかった。

でも、浮竹が、愛しい人が隣にいる。

ずっとずっと、一緒にいたい。

愛しているという、証が欲しかった。


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