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ボクだけの翡翠15

永遠を君に。

永遠をお前に。


結婚式は、密やかに行われた。

二人の仲は、隠していないので、知らない者はいないというくらい広まっていたが、山じいと卯ノ花隊長が出席してくれた。

13番隊と8番隊の者は呼ばなかった。

あまり大掛かりな式にしたくなかったので、身内だけの結婚式となった。

白い袴に、白い着物を着て、頭にウエディングヴェールを被った浮竹と、黒い袴に黒い着物を着た京楽が、式場に入ってくる。

「まさか、二人ができてしまうとはのう・・・・わしがあの時、十四郎を春水に預けたのが、そもそもの間違いかのお・・・」

「山本総隊長。彼らの門出です。今は、祝福してあげましょう」

「うむ」

腕を組みながら歩き、杯を交わし合い、そして指輪をお互いにはめ合う。

「永遠(とわ)の愛を君に」

「永遠の愛をお前に」

さぁぁぁぁと、花吹雪が舞う。

その下で、キスをする。

「こら春水、十四郎を悲しませたら、許さんからの!」

山じいは、泣いていた。

卯ノ花も、涙を浮かべていた。

「2人の、新たなる門出に、光あれ!」

神父役を引き受けた死神に祝われて、二人は歩き出す。




式を挙げて、初夜になる。

「なんか、初夜って言われても、お前と何百回と交わっているせいで、全然初夜じゃないな」

「そんなこと言わないでよ。愛してるよ、十四郎。僕の花嫁」

「俺は嫁になった覚えはないぞ」

「え、じゃあボクがお嫁さん?」

「そうなるな」

「ふふふ・・・・まぁいいよ。どっちでも。君を抱くのは、ボクだから」

「あ!」

いきなり浮竹は己のものに手をはわされて、いきなりだったので京楽をポカリと殴っていた。

「するなら、すると言え」

「初夜だから、するに決まってるでしょ」

「あああ、いああああ」

京楽にしゃぶられて、浮竹は勢いよく京楽の口の中で弾けた。

「ああ!」

「ふふ、おいしい」

ごくりと嚥下する京楽を、浮竹は溜息をつきながら見上げる。

圧し掛かってくる体重を受け止める。

「今日は、トロトロに愛し合おうね?」

「知るか」

京楽は蕾をこじ開けて、中に直接潤滑油を垂らした。

「あああ!」

「ふふ、ぬるぬる。きもちいい?」

「や、なんか変・・・・・」

「これ、催淫作用入ってるからね」

「春水のアホ・・・・・やああん」

いきなり挿入されて、浮竹は啼いた。

「あ、あ、あ、だめ、奥はだめえええ」

「いいの、間違いでしょ?」

「ひあああああ」

奥をこじ開けられて、浮竹は中いきする。

京楽は浮竹の胎の奥を抉りぬき、精液をまき散らした。

「あああ、あ、あ”!」

「子種いっぱいあげるから、たくさん子供産んでね?」

「ひあああ、だめ、孕んじゃう」

「愛してるよ、十四郎」

「あ、春水・・・エロしか今は頭にないアホだけど、愛してる」

「酷い言われようだね。まぁ、確かに今はエロいことしか頭にないね」

京楽はそう言いながら、浮竹をの足を肩にかついで、突き上げた。

「あ、あ、あ!」

律動と一緒に、声が漏れる。

「んう」

舌が絡みあうキスをされた。

「んんん・・・・・・」

キスは長かった。

「あう!」

最奥をごりっとつつかれて、浮竹はびくんと体をはねさせて、中いきしながら射精していた。

「ふふ・・・君は、永遠にボクだけのものだ」

「あ、春水・・・・・・」

濃厚な夜を過ごして、初夜の夜は更けていく。





「籍はいれるとして、苗字は今のままでいいよね?」

「ああ。隊長に京楽が二人もいたら、混乱するだろう」

二人は、籍をいれた。

京楽の妻ということに、浮竹はなっている。

「ああ、本当にボクだけのものだ。ボクだけの翡翠」

「?」

「君と出会った時から、その翡翠の瞳の虜だったんだ」

「そうか」

浮竹は、和やかに笑う。

愛しい。

ただ、愛しい。

もう、永遠に離れない。

たとえ離れ離れになっても、思いは通じ合っている。

いつか別れの時がきても、またいつか出会う。


二人は、そのまま数百年の時間を愛し合った。

そして、ユーハバッハによる滅却師の侵攻。



浮竹は、愛した者を置いて、神掛することを選んだ。

それでも、愛は永遠だから。

さよならは、あえて言わなかった。


浮竹がこの世を去ってから、さらに数百年の時が経った。

「迎えにきたぞ」

「ああ、浮竹・・・…相変わらず、綺麗だね」

「そういうお前は、すっかりおじいさんだな」

「ふふふ・・・・君が迎えにくるの、ずっと待ってたんだ。永遠を君に」

「永遠をお前に」


二人の霊子は、交じりあいながら天に昇り、世界に還っていく。


「愛してる」

「愛しているよ」


愛を囁きあいながら、溶けていく。


ボクだけの翡翠。

永遠に、ボクだけのもの。










「君、名前は?」

「ん、俺か?浮竹十四郎という」

「そう。僕は京楽春水。どこかで、出会ったこと、あるよね?」

「ああ・・・・思い出した。前世で、愛し合っていた」

「ボクも思い出したよ。君を、すごく愛してた」

二人は、始めで出会うのに、前世の記憶を蘇らせて、キスをしていた。

「ふふ、前と同じ名前なんだな」

「そうだね。また、京楽家に生まれた」

「俺も、浮竹家に生まれた。十四郎という名を、代々受け継いできた」

「ボクは、ボクの遺言で春水という名を引き継ぐようにしていた」

さぁ、歩きだそう。

二人だけの愛を奏でながら。

新しい、明日を。

一歩一歩。




君は、ボクだけの翡翠なのだから。








                  fin

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