ボクだけの翡翠6
浮竹と京楽が付きあいだして、1年が経とうとしていた。
3回生になっていた。
現世に、虚退治に皆で行く実習では、率先して虚に切りかかり、勝利を収めてきた。
そんな実習のある日、浮竹が血を吐いた。それも、虚との戦闘中にだ。
「ぐ・・・・・・・」
「危ない、浮竹!」
京楽は、必死で浮竹を庇った。
「く・・・」
背に、酷い傷を負う。
「京楽、俺のことより虚を!」
「君を、こんなところで死なせてなるもんか!」
京楽は、斬魄刀を握りしめて、浮竹を襲おうとして自分の背中を抉った虚と対峙して、その首を跳ね飛ばした。
「しゃああああああ」
虚は大きな声をあげて、消えていく。
「浮竹、無事かい?」
「俺より、京楽、出血量がやばい。今すぐ、4番隊に見てもらえ!」
念のためにとついてきていた4番隊に、今日は隊長の卯ノ花がいて、助かった。
京楽の背の傷は酷く出血は多かったが、命に別状はなかった。
卯ノ花は、次に浮竹を診た。
「発作が酷くなっていますね?ちゃんと薬を飲んでいますか?」
「最新の薬は高くて・・・前の薬を、服用しています・・・・・・」
「浮竹、お金のことはボクに任せてって言ったじゃない」
前に、お金に困ったことがあったら、京楽が助けると言っていたのだ。
「でも、薬に、お前にまで金を出してもらうのは悪くて・・・・」
甘味物や食事をおごられたり、着るものや装飾品、本や筆・・・・・いろんなものを買ってもらってはいたが、薬だけは自分の金でなんとかしたかった。
そして、なんとかしてきた。
最新の薬に変わり、値段が前の倍以上にはねあがった。
下級生の勉強を見てもらう賃金では、補えなくなっていた。
「いけません。高くても、きちんと最新の薬を飲んでください。あなたの肺の病は特殊で進行しませんが、時折悪化はします。薬を最新のものを飲むように・・・京楽さん、あなたからも言ってあげてください。私の言葉より、あなたの言葉を聞く子のようですから」
「卯ノ花隊長の言う通りだよ。ボクが薬代負担してあげるから、最新の薬を飲んで?」
「でも、それじゃあ俺はお前に与えられるだけで、何も返せない・・・・」
「返す方法はあるよ?」
「どこに?」
「ボクたち、付き合いはじめて1年経ったよね。1年経ったら・・・・・」
言葉の続きを理解して、浮竹は赤くなった。
「すみません、気分が悪いので今日の実習は早退します!」
「あ、浮竹!」
浮竹は、逃げるように現世から尸魂界に戻り、寮の部屋に戻るでもなく、よく京楽が登って寝ている桜の大木によじ登り、横になってみた。
肺の発作は、卯ノ花から渡された最新の薬を飲んで、落ち着いた。
季節は秋。
夏の暑い日光は和らぎ、さんさんと太陽の光が降り注ぐ。
浮竹は、春の次に秋が好きだった。
春は、愛しい相手の名前でもあるから。
春水。
どうすれば、俺はお前に報いることができる?
体を許せば、それでいいのか?
いろんなマイナスの思考がぐるぐる回る。
「好きだだけじゃ、だめなんだな」
分かっていた。
京楽が、浮竹を欲していることを。
付き合って1年が経過したら、体の関係を結んでもいいと言っていた。
でも、怖いのだ。
あの時、5人の男に襲われた時、京楽が助けてくれた。でも、トラウマになっていて、体を許すという行為が怖かった。
「俺は・・・・駄目だ、怖がってばかりじゃ。俺は京楽と付き合っているんだ。俺も、克服しなくちゃ」
「おーい、浮竹!」
ちょうど、京楽が浮竹の霊圧を探り、迎えにやってきた。
「京楽、するぞ」
「え、何を?」
「その・・・・・なにを、だ」
「はい?」
浮竹は言いにくそうに言葉を濁す。
何も分かっていない京楽は、浮竹は体の関係を拒むだろうと思っており、時間をかけて落としていくつもりだった。
「セックスだ、ばか!」
「ええええ!!」
「声がでかい!」
浮竹は、京楽に抱きしめられていた。
「ボクのこと、受け入れてくれるんだ。嬉しい」
「お、俺は初めてだし、その、お前の思うようには・・・・・」
「うん、いいんだ。ぐだぐだになったっていい。失敗で終わってもいい。でも、君を抱くよ」
京楽は、強く浮竹を抱きしめた。
「ボクだけの翡翠・・・・・手に入れた」
君は、ボクだけの翡翠。
君がいれば、他に何もいらない。
3回生になっていた。
現世に、虚退治に皆で行く実習では、率先して虚に切りかかり、勝利を収めてきた。
そんな実習のある日、浮竹が血を吐いた。それも、虚との戦闘中にだ。
「ぐ・・・・・・・」
「危ない、浮竹!」
京楽は、必死で浮竹を庇った。
「く・・・」
背に、酷い傷を負う。
「京楽、俺のことより虚を!」
「君を、こんなところで死なせてなるもんか!」
京楽は、斬魄刀を握りしめて、浮竹を襲おうとして自分の背中を抉った虚と対峙して、その首を跳ね飛ばした。
「しゃああああああ」
虚は大きな声をあげて、消えていく。
「浮竹、無事かい?」
「俺より、京楽、出血量がやばい。今すぐ、4番隊に見てもらえ!」
念のためにとついてきていた4番隊に、今日は隊長の卯ノ花がいて、助かった。
京楽の背の傷は酷く出血は多かったが、命に別状はなかった。
卯ノ花は、次に浮竹を診た。
「発作が酷くなっていますね?ちゃんと薬を飲んでいますか?」
「最新の薬は高くて・・・前の薬を、服用しています・・・・・・」
「浮竹、お金のことはボクに任せてって言ったじゃない」
前に、お金に困ったことがあったら、京楽が助けると言っていたのだ。
「でも、薬に、お前にまで金を出してもらうのは悪くて・・・・」
甘味物や食事をおごられたり、着るものや装飾品、本や筆・・・・・いろんなものを買ってもらってはいたが、薬だけは自分の金でなんとかしたかった。
そして、なんとかしてきた。
最新の薬に変わり、値段が前の倍以上にはねあがった。
下級生の勉強を見てもらう賃金では、補えなくなっていた。
「いけません。高くても、きちんと最新の薬を飲んでください。あなたの肺の病は特殊で進行しませんが、時折悪化はします。薬を最新のものを飲むように・・・京楽さん、あなたからも言ってあげてください。私の言葉より、あなたの言葉を聞く子のようですから」
「卯ノ花隊長の言う通りだよ。ボクが薬代負担してあげるから、最新の薬を飲んで?」
「でも、それじゃあ俺はお前に与えられるだけで、何も返せない・・・・」
「返す方法はあるよ?」
「どこに?」
「ボクたち、付き合いはじめて1年経ったよね。1年経ったら・・・・・」
言葉の続きを理解して、浮竹は赤くなった。
「すみません、気分が悪いので今日の実習は早退します!」
「あ、浮竹!」
浮竹は、逃げるように現世から尸魂界に戻り、寮の部屋に戻るでもなく、よく京楽が登って寝ている桜の大木によじ登り、横になってみた。
肺の発作は、卯ノ花から渡された最新の薬を飲んで、落ち着いた。
季節は秋。
夏の暑い日光は和らぎ、さんさんと太陽の光が降り注ぐ。
浮竹は、春の次に秋が好きだった。
春は、愛しい相手の名前でもあるから。
春水。
どうすれば、俺はお前に報いることができる?
体を許せば、それでいいのか?
いろんなマイナスの思考がぐるぐる回る。
「好きだだけじゃ、だめなんだな」
分かっていた。
京楽が、浮竹を欲していることを。
付き合って1年が経過したら、体の関係を結んでもいいと言っていた。
でも、怖いのだ。
あの時、5人の男に襲われた時、京楽が助けてくれた。でも、トラウマになっていて、体を許すという行為が怖かった。
「俺は・・・・駄目だ、怖がってばかりじゃ。俺は京楽と付き合っているんだ。俺も、克服しなくちゃ」
「おーい、浮竹!」
ちょうど、京楽が浮竹の霊圧を探り、迎えにやってきた。
「京楽、するぞ」
「え、何を?」
「その・・・・・なにを、だ」
「はい?」
浮竹は言いにくそうに言葉を濁す。
何も分かっていない京楽は、浮竹は体の関係を拒むだろうと思っており、時間をかけて落としていくつもりだった。
「セックスだ、ばか!」
「ええええ!!」
「声がでかい!」
浮竹は、京楽に抱きしめられていた。
「ボクのこと、受け入れてくれるんだ。嬉しい」
「お、俺は初めてだし、その、お前の思うようには・・・・・」
「うん、いいんだ。ぐだぐだになったっていい。失敗で終わってもいい。でも、君を抱くよ」
京楽は、強く浮竹を抱きしめた。
「ボクだけの翡翠・・・・・手に入れた」
君は、ボクだけの翡翠。
君がいれば、他に何もいらない。
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